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20181122Z_0

2018/11/22
SYSTEM
21:51:18
様が入室しました。
SYSTEM
21:51:51
 様が入室しました。
 
21:53:35
いつでもいいぞい
21:53:42
うむ
21:54:02
 
21:54:03
 
21:54:36
―――マギテック協会“ビッグボックス”を臨む、城壁外の一角にある空き地。
21:56:01
かつて資材置き場であったそこは、今では冒険者達が勝手に的やら丸太やら巻藁やらを持ち込み、好き勝手に使う訓練場である。
21:57:38
しかし今は日が暮れはじめ、多くの冒険者達は夕食に向かい、閑散としている。
21:59:20
そんな中であっても一人、剣を振り続ける青年が――
アラン
22:01:31
――――――1024、――――――1025、――――――1026……」
22:02:54
素振りを始めてから2時間は過ぎたろうか。
22:04:25
ただひたすらに剣を振るだけ。身体を鍛える、というよりは。どちらかといえば、精神修行に近い。
22:06:28
――――――1051、――――――1052、――――――1053―――」 辺りに響くのは、剣を振る音と、数を数える呟きのみ。
22:08:11
――お仕事の疲れも癒えていないだろうに、随分と熱心ですねぇ」
アラン
22:08:59
ぴたり、と素振りが止まる。
アンスレイ
22:09:47
軽い足取りで鼻歌混じりに空き地へ入ってきた、赤い影が一つ。
アラン
22:09:52
ふぅ――と、深く深呼吸をする。「……アンスか」
アンスレイ
22:10:43
「ええ、ええ。私です」頷きながらアランの視界へ回り込む
アラン
22:10:58
「どうした? もう、日ィ暮れるぞ」 軽い口調で返すが、どこか覇気のない声音。
アンスレイ
22:12:17
「あはぁ、ただの気まぐれな散歩ですよ」 ひらひらと手を横に振って
22:12:36
「というより、その言葉をそのままそっくりお返ししますけれど」
アラン
22:13:27
「俺は―――」 返す言葉に困ったように、頭を掻き。
アンスレイ
22:14:05
――そんなにも剣を振り続けていないと、苦しいですか?」
アラン
22:15:05
―――、は」 乾いた笑いを浮かべ。 「情けないだろ?」 自虐気味に返す。
アンスレイ
22:16:52
「さてはて、一体何が情けないんですかね」 微笑んだような表情で首を傾げ
アラン
22:19:07
「……このザマがさ」
22:21:18
「こうして、剣を振ってなきゃ……どうにかなりそうなんだ」
アンスレイ
22:21:42
「ま、剣を振れるようになっただけマシじゃないですかねぇ」 言いつつその辺に横たわる丸太へ腰掛け
22:22:08
「あの後の帰りに乗った列車なんて、まるでお葬式みたいでしたよ」
アラン
22:23:17
「……」
アンスレイ
22:25:17
「一旦座ったらどうですか」 自分の隣を促して
アラン
22:26:33
「……」 其の場の地面に座り込み。 「いいよ、ここで」
アンスレイ
22:27:16
「そうですか」 ややアランを見下ろすような形になる
22:28:12
「……ま、正直に私が視た印象ですけど」
22:30:03
「結局覚悟し切れなかったんじゃないですかね。あのキマイラが人を喰うのが許せない、それを正そうと思いながらも――
22:30:37
――こいつを倒したら村が、あの人々が滅んでしまうのではないかと」
アラン
22:31:20
「……そんな御大層なもんじゃない」
アンスレイ
22:32:22
「おや、それは失礼」 あは、と軽く笑って
アラン
22:32:38
「……全部、あの山羊頭の言った通りさ」
22:36:09
「俺は、あのキマイラを倒すつもりだった」
22:36:45
「けど、俺はその前に、大義名分を欲しがった」
22:39:38
「あいつが紛れもなく邪悪だと、そう確信して、納得してから戦いたかった」
22:42:34
「決して相容れないなら心置きなく剣を振れるから、決定的な決裂が欲しかった。―――なにもかもあいつの言う通りさ」
アンスレイ
22:42:53
「そして嗤われましたね。調和の使徒を謳う道化だと」
アラン
22:44:34
「そうさ。……何も否定の言葉がない」 俺は道化さ、と。
アンスレイ
22:46:38
「どうせ帰ってきてから神殿に顔も出してないんじゃないですか」 足を組み、その上で頬杖をついて
アラン
22:46:49
「……」
アンスレイ
22:48:13
「図星ですか」 やれやれ
22:51:59
「それで。自分が道化だと嗤われたから、どうするんですか」
22:52:34
「このまま調和の使徒として神殿に顔も出さなくなって、一生此処で闇雲に剣を振り続けるんですか」
アラン
22:52:59
「それは……」
アンスレイ
22:54:18
「アランさん、人を護りながら戦いますよねぇ」
22:55:17
「私はアランさんと出会ってそこまで長くないので大して知りもしませんけど、」
22:56:02
「自分の手が届くところにあるものは、守れる人でありたい。とか思ってる人なんじゃないですか?」
アラン
22:56:30
「…………」
アンスレイ
22:57:13
「それを、何ですか」 ふ、と嗤うように息を吐いて
22:58:54
「人を喰らう化け物に心の虚を衝かれた途端、もう調和の使徒として守ることを諦めちゃうんですか」
アラン
23:02:16
「……そうじゃない!」
23:02:23
「……そうじゃない、けど……」
アンスレイ
23:02:35
「それとも、今の自分にその資格が無いとでも思っちゃってるんですかねぇ」
アラン
23:04:47
「……」
23:05:21
「わからなく、なったんだよ」
23:08:25
「俺は……俺の中にある正義に従って動いてきたつもり、だった」
アンスレイ
23:09:48
「……」 頬杖を解き、脚を組んだまま両手を膝の上に乗せてアランが零す言葉を聴く
アラン
23:10:00
「けど、気づいちまった……その中に、別のものが混ざり込んでることに」
23:14:07
「俺の、嫌悪と、忌避と―――憎悪と」
23:14:42
「一度、それに気づいたら、―――今まで俺を動かしてきたのはなんだったのかって」
23:14:52
「わからなく、なった」
アンスレイ
23:16:50
「自分の正義に自信が無くなってしまったんですね」
アラン
23:18:11
「……そう、だ」
アンスレイ
23:18:56
「秩序を守るために翳してきたつもりの正義、それが実は単なる負の感情でした。なーんてのは確かにお笑い種でしょうね」
アラン
23:19:19
「……情けないだろ」
アンスレイ
23:22:03
「……」 んー、と顎に手を当てて暗くなった空を見上げつつ
23:22:20
「じゃ、例えばですけど」 人差し指をぴっと立てて
アラン
23:23:19
「……?」
アンスレイ
23:24:27
「今回の例で言えば、キマイラを倒すことへ対して自分の正義が矛盾していて……もし我々が戦うことをやめていたら」
23:24:56
「私たち、どうなってましたかね」
アラン
23:25:08
「……それは……」
アンスレイ
23:26:30
「逆に、アランさんが人を喰らう事への憎悪でキマイラに刃を向け、戦っていたら……多分いまと同じように此処に居ますよね」
アラン
23:27:27
「…………違うんだ
23:27:28
23:28:40
「俺の…………、俺が……、嫌悪したのは」
23:29:01
ぎり、と拳が握られる。
アンスレイ
23:29:38
「…………」 口を開きかけるが、アランの言葉を待つ
アラン
23:31:56
「…………」 しかし、言葉の続きはなく、押し黙ってしまう。
アンスレイ
23:36:50
「……」 ふぅ、と息をついて
23:37:37
「良いですかね。私が先程言いかけたのは、あくまで結果論でしかないです」
23:38:50
「でも、この結果がないことにはまず意味がないです。下手したら私たち死んでるんですから、その結果が無ければ元も子もありません」
23:40:12
「アランさんのその……嫌悪が」 敢えて何に対するかは言わず 「負の感情で迷いが生じても、その結果だけは守らないといけないと思いませんか?」
アラン
23:40:51
「…………ああ」
アンスレイ
23:41:27
「特に責めるつもりは無いんですけど、覚えてますかね」
アラン
23:41:54
「……?」
アンスレイ
23:42:24
「アランさん、あの戦いがあと一息ってところで二の足踏んで……私がどうしたか見てました?」
アラン
23:42:59
「……、あれは……」
23:43:24
「…………すまない」
アンスレイ
23:44:25
「責めるつもりは無いって言ってる通り、別に謝らなくていいんですよ」 ひらひらと手を振って 「別に私の命はどっちでもいいですし」
アラン
23:45:41
少しムッとして 「……それはよくないだろ」
アンスレイ
23:46:13
「あはぁ、そこを拾いますか」
23:47:40
「ともあれ、あの時のアランさんが何を思っていたか知りませんけれど。毎回あんな風になっていい訳ないじゃないですか」
アラン
23:48:59
「…………」
アンスレイ
23:49:56
「自分の正義に自信が無くなるのも、自分の嫌悪に惑うのも。私はそういうのあんまり無いので理解はできませんけれど」
23:50:42
「その迷いで目の前で何かが失われる方が、よっぽど嫌なんじゃないですか」
アラン
23:51:30
―――、」
23:52:04
握った拳が震える。
アンスレイ
23:54:00
「それとも……」 と言いかけたところで 「……いえ」 その先まで言う気にはならなかった
アラン
23:55:58
「……悪い」
2018/11/23
アラン
00:00:55
「……わざわざ、そんなこと言わせて」
00:01:28
「……ホント、情けねえな」
アンスレイ
00:01:41
「私がそんなの気にするように見えますかね」
00:03:03
「私はただ、今回みたいなことが続いて仕事が滞るのが嫌なだけですからねぇ」 へらへらと笑う
アラン
00:05:17
頭を搔いて。「そうかい」
00:06:42
「……けど、悪い」
アンスレイ
00:07:11
「何がです?」
アラン
00:08:24
「俺の……俺が、目指してるものは、結果だけじゃ、ダメなんだ」
00:09:37
「聖戦士は……、いや、神官は……その在り方も、同じくらい重要だと、思うから」
アンスレイ
00:09:49
「ま、先程から聞いている様子だとそうなんでしょうね」
アラン
00:11:36
「だからその……、色々、言ってくれたけど」
00:13:43
「結果だけ見て、それで良しとは……言えないんだ」
アンスレイ
00:16:21
「ええ、苦悩すること自体をやめて欲しいと言ってる訳ではないですし」
00:19:35
「かといって私はアランさんの答えを持っている訳でもありません」
アラン
00:20:16
「……ああ」
アンスレイ
00:20:49
「私から言えるのは、足踏みしてるだけでは答えはやってこないってことです」
アラン
00:21:24
「そう……、だな」
アンスレイ
00:23:53
「ま、わからなくなったアランさんの信念に対して何かヒントを呉れそうな人がいるなら、素直に相談してみても良いんじゃないですかね」
00:24:22
「ずっとこんな所で剣降ってるより百倍マシですって」
アラン
00:24:30
「相談、か」
00:27:06
「……」 ぱっと思い浮かんだ顔は、話し辛い相手が多いな……
アンスレイ
00:28:19
「あはぁ、アランさん友達少ないんですか?」 にやにや嗤う
00:28:24
笑う。
アラン
00:30:01
「こんな話題、限られるだろ」 相手が。 「こっち来てまだ一年も経ってねーんだし……」
アンスレイ
00:31:23
「私は来て一か月ぐらいでこんな話してますけどねぇ。何故でしょうか」
アラン
00:32:16
「そっちが話題フって来たんだろ……」
アンスレイ
00:32:27
「あはぁ、そうでした」
アラン
00:33:39
「……はあ」
00:33:55
「……まあ、さっきはああ言ったけど」
00:34:54
「お前のおかげで……一番肝心なことは、忘れないでいられそうだと、思う」
00:35:01
「……だから、ありがとな」
アンスレイ
00:36:34
「礼を言われるどころか、言った通り仕事が滞るのが嫌だから話しただけですよ。気持ちだけ受け取っておきますが」
アラン
00:37:14
「いいんだよ。こういうのは、言っとかねえと俺の気もすまない」
アンスレイ
00:38:17
「ま、そこはアランさんらしいですよねぇ」 ふふ、と笑いつつ 「あと、敢えて言ってませんでしたが」
アラン
00:38:51
「……何だ?」
アンスレイ
00:39:00
「『情けないよな?』と二回ほど訊かれましたが、別に情けないとは思ってませんよ」
アラン
00:40:03
「む……」
アンスレイ
00:42:18
「自分の信念の為でしょうから、もっと真摯に受け止めましょう」
00:43:24
「何なら涙を流していても面白いかな、と思ったぐらいですからね」
アラン
00:43:48
「……意地が悪いな」
アンスレイ
00:44:45
「ふふ、そうですかねぇ」
アラン
00:46:24
「……まあ、でも。少し楽になったよ」
00:47:40
「人と話をするだけで……単純だな」
アンスレイ
00:48:00
「ま、それなら良かったですよ」
00:49:11
「旅先で喋る魔剣でも拾ったら案外話を聞いてくれるんじゃないですかね」
アラン
00:50:01
「……あの詩人じゃあるまいし。そうホイホイとそんなもん拾えるかよ」
00:50:57
肩を竦めつつ。
アンスレイ
00:51:07
「この空き地でアランさんが2000回ぐらい素振りしながら剣と話してる光景が見れたら面白いじゃないですか」
アラン
00:51:59
「……いやそれシュールすぎるだろ」
アンスレイ
00:52:20
「絶対苦情来ますね」
00:53:05
「ま、とりあえずまた仕事には来てくださいよ」 よっこらせ、と立ち上がり
アラン
00:53:48
「……まあ、いずれは」
アンスレイ
00:55:28
「私を護ってくれる方がいないと怖くて仕方ありませんので」 思っても無いような言葉を並べ
00:56:57
「ではでは、素振りも程々にして下さいね」 ひらひらと手を振り
アラン
00:57:10
「……はいはい」
アンスレイ
00:58:32
再びふらふらと歩き、すっかり暗くなった夜道へ消えていった
アラン
00:59:11
「……」 その背を見送り。
01:00:20
ふら、と剣を持って立ち上がる。
01:01:11
楽になった、とは言ったものの、まだ、胸の内には淀みのようなものがある。
01:02:47
「ッ……」 脳裏に山羊頭の声が浮かぶ。あの男の姿が浮かぶ。――いつかの、戦場が浮かぶ。
01:03:37
「……クソッ!」 振り払うように剣を振る。 「っ……はぁ……」
01:04:03
嘆息し、「……相談、か……」
01:04:39
ぼやくと同時に、ぐぅ、と腹が鳴る。「……こんな時でも、腹は減るもんだな」
01:05:00
「……メシ、食いに行くか……」 剣を鞘に収めて、ふらりと歩き出す。
01:05:44
 
01:05:45
 
01:05:48
おつかれさま。
アンスレイ
01:06:04
おつかれさまです
01:06:33
ま、とりあえず脱しておくか
アラン
01:06:38
うむ
SYSTEM
01:06:45
様が退室しました。
アンスレイ
01:06:46
おつやでー
SYSTEM
01:06:48
 様が退室しました。
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