文字:
20181123X_0
- 2018/11/23◥
- SYSTEM◥
- 00:30:49
- 様が入室しました。
- ◥
- 00:33:42
- 王都イルスファール、工房街
- 00:37:22
- 立ち並ぶ鍛冶屋、工房の中に一軒の装具店――武装の際に身に着ける装飾などを扱う――がある。
- 00:40:11
- その日、店を訪ねて来たのはまるで異世界から迷い込んできたかのような客だった。
- 00:45:29
- まず、一番目につくのは額から突き出た青白い双角だ。いくらこの国の王がナイトメアだといっても日頃からその角を誇示するような真似はしない。
- SYSTEM◥
- 00:46:08
- 様が入室しました。
- ◥
- 00:49:57
- 身に着けている鎧も、板金を色糸や紐で綴った装飾が特徴的な品だ。この辺りではまずお目にかかれない。
- 店主◥
- 00:50:45
- 「いらっしゃ――」初老の店主が絶句するのも已むをえない事であろう。
- ミカサ◥
- 00:52:56
- 「失礼いたします。わたくし、〈星の標〉の郎党の末席に勤めておりますボウケンシャ、ミカサ・クガミと申す者にございます。」異郷の鬼の少女はたおやかに微笑み、店主に向かって深く一礼した。
- 店主◥
- 00:55:08
- 「お、おう……。」鳩が豆鉄砲を食ったような表情で何とか生返事を返した。街中で異貌をさらけ出して歩くイカレ具合に、目を引く装束、さぞや傍若無人な恥知らずかと思えば、この腰の低さである。どう対応していいのか正直わからない。
- ミカサ◥
- 00:57:17
- 「突然の来訪、誠に申し訳ございませんでした。本来であれば先触れに文を認め、ご都合を伺うべきが筋にございますが、この地の礼法に未だ疎く、直接出向いて参りました次第にございます。」
- ◥
- 00:57:29
- そんな微妙な空気の装具店へと、新たな客がやってきた。コートのポケットに片手を突っ込んだまま扉を開けたのは、先客とは違い“今風”の格好をした若者だ。
- 店主◥
- 00:58:34
- 「あー…、つまり、なんだ。あんたは…客、なのか…?」何を言われているのか半分理解できなかったが、ここは店であり、冒険者が来たからにはおそらく客なのだろう。そうであってくれ。
- ユレン◥
- 00:58:46
- 冒険に際しての細々とした装身具の調整等を依頼し、それを引き取りに来たのだが店店内に漂う空気に一瞬足を止めた。
- 01:00:16
- 「……どうかしたのか?」 歯切れの悪い店主に、つかつかと近付きながら問いかければ、その理由はすぐに分かった。
- 01:00:35
- 「……ああ、君も居たのか、ミカサ」
- ミカサ◥
- 01:00:52
- 「然様にございます。貴店にて様々な装具を扱っておられると聞き及び、参りました。是非、用立てていただきたい物がございました故…」
- 店主◥
- 01:01:46
- 「あ、お、おう、いらっしゃい。いや、それが、その、な?」やってきたあからさまに"普通の客"にホッとした表情を浮かべる店主
- ユレン◥
- 01:02:46
- 「……見てくれには驚くだろうが、彼女も冒険者だ。この前一緒に仕事もした」
- ミカサ◥
- 01:03:43
- 「!? ゆ、ユレン様、こ、これは気付かず、なんと御無礼を…」異装の少女は男の姿を認めるや、ひどく恐縮した様子で居住まいを正し、深く頭を下げた。
- 店主◥
- 01:04:51
- 「まぁ、あそこの店の冒険者だものな…色々な奴がいるだろうさ…」流石におっさんもこの娘には面食らったが
- ユレン◥
- 01:05:21
- 「この前もそうだったが、どうしてそんなに畏まってるんだ。冒険者歴で言えば僕の方が後輩だろう」 少女の恐縮した様子になんとも微妙な気分で軽く頭をかいた。
- 01:06:04
- 「ああ。中身は言葉遣いからも分かる通り真面目な子だ。僕なんかよりよっぽど上客だと思う」
- ミカサ◥
- 01:06:10
- 「その節は大変ご迷惑をおかけいたしました。件の村でのお心遣い、このミカサ、決して無為にはいたしませぬ。」
- ユレン◥
- 01:07:10
- 「……大した事はしてないだろう。君の力に助けられた部分も大きい」
- 店主◥
- 01:08:34
- 「はぁ…まぁ、確かに…」言われてみれば身に着けている装備は上等なものだし、何より、その重厚な造りは伊達や酔狂で身に着けられる代物ではない。
- ユレン◥
- 01:10:52
- 「戦いは、相手に与える印象も大事らしい。彼女のその装備も、威圧感を与えて敵の気勢を削ぐ目的があるんだろう」 とりあえずそれっぽいことを言っておく。
- 01:11:52
- 「それを更に磨こうと、此処に来たんじゃないのか」
- ミカサ◥
- 01:12:08
- 「いえ、戦働きばかりというわけには参りませぬ。只人の社会に生きると決めたからには、まず民を徒に脅すような風体は控えるべきと心得ましてございまする。」」それっぽいフォローを台無しにする様な事を言った。
- 店主◥
- 01:12:52
- 「つまり、どういうこと…なんだ…?」威圧感を与えたいのか、恐がらせたくないのか、どっちなのだ。
- ユレン◥
- 01:13:36
- 「……今日は、戦いの際の装身具を探しに来たんだろ?」
- 01:14:14
- 「多分、目的のものを探しやすいように鎧を着込んで来たんだよ」 多分。きっと。メイビー。そうであってくれ。
- ミカサ◥
- 01:14:28
- 「面を…用立てていただきたいのでございます。」二度ほど共に依頼をこなしたモミジという忍びの者がいる。彼女が身に着けていた仮面に着想を得たのだ。
- 店主◥
- 01:15:09
- 「めん…? 仮面、か…? その恰好に?」
- ユレン◥
- 01:15:10
- 「仮面」 言葉を反復した。
- ミカサ◥
- 01:17:47
- 「はい、仮面にございます。わたくし、お恥ずかしながらこの角を隠す術を心得てございませぬ。生来よりこのような姿で過ごしてきた故、この地の夜…同胞の皆様のように収める事が叶いませぬ」恥ずかし気に目を伏せてそう語る。
- ユレン◥
- 01:19:32
- 「ああ……」 自分の場合とは逆だなと心の中で言う。 「……だが、街中で仮面を付けているのもそれはそれで変じゃないか?」
- 店主◥
- 01:19:39
- 「つまり…目立つ仮面を着けて、角から目を逸らすってぇ狙いか? いや、角も仮面の一部みてぇに思わせたいってとこか?」
- ミカサ◥
- 01:22:15
- 「徒に皆様を怯えさせるも、石もて追われるも本意にはございませぬ。奇異の目に晒されるだけであれば、どなたにもご迷惑はおかけしないのではと……浅はかな考えにございます。」 本当に、
- ユレン◥
- 01:23:29
- 「まぁ、仮面を用意するのも一つの選択だとは思うが……その角を隠せるように特訓していくのが一番だろ」
- 店主◥
- 01:24:20
- 「顔に負った傷を隠したい奴もいれば、後ろ暗い過去と一緒に顔も隠しちまいたい奴もいるがなぁ…」ちょっと勿体ないと思わないか、という同意を求める視線を男の方に送った。
- ユレン◥
- 01:25:37
- 「……僕も仮面や色付きの眼鏡やサングラスなんかを掛けるか、なんて考えた事はあるが……」 同意を求めた視線にはまったくピンとこなかった。
- ミカサ◥
- 01:25:52
- 「む、無論、修練に励みまする! 御前がお望みとあらば、この卑小なる角、根ごと引きずり出すも厭わぬ覚悟にございますっ」
- ユレン◥
- 01:27:16
- 「そんな恐ろしい事を望むわけないだろう……」 想像しただけでぞっとした。 「同じ種族の人に聞いてみるとか、……まあ、僕も多少なら力になれるかもしれない」
- ミカサ◥
- 01:28:31
- 「御身の稀なる御印をお隠しになるなど、とんでもないことにございます。」男の瞳の輪郭を彩る金の色彩を見つめ、畏れ多い、という表現に相応しい表情を浮かべそう言った。
- 店主◥
- 01:29:42
- 「おう、あんたも苦労してるんだろうな、そういうの(眼鏡)も用意出来るぜ?」
- ユレン◥
- 01:30:03
- 「……」 じっと瞳を覗き込んでくる視線から逃れるように目を腕で隠した。 「……珍しいのは確かだろうけど、此処ではそんな目出度いものじゃないんだよ」
- 01:31:07
- 「考えはしたんだが……視界がその色に染まるのがどうにも嫌でね。仮面は仮面で、あまりに似合わない」
- ミカサ◥
- 01:33:11
- 「遥けき彼方の故郷の地では、その御印はわたくしどもにとって偉大なる御方の祝福と信ぜられて参りました。」
- ユレン◥
- 01:34:34
- 「……そんな大層なものには程遠いな。僕はただの村人で、今は一介の冒険者でしかない」
- ミカサ◥
- 01:36:49
- 「おそらく、御身のお言葉が真なのでございましょう…。この地にそのような御印を持つ方が他にも居る事は書にて知りました……。」」
- ユレン◥
- 01:37:25
- 「滅多に居ないのは確かだろうけどな」
- ミカサ◥
- 01:38:44
- 「この地に住まうと心に決めたにも関わらず、わたくしは故郷の因習を忘れがたく思っていただけやもしれませぬ」」
- ユレン◥
- 01:39:32
- 「……まあ、長年過ごした場所の事はなかなか忘れられないだろ」
- ミカサ◥
- 01:41:45
- 「御身…いえ、ユレン様にわたくしめの妄執を負わせるなど恥ずべき行いにございました……。」どんどん頭が下がっていくので角しか見えない。
- 店主◥
- 01:43:06
- 「……」痴話喧嘩(?)なら他所でやってくれねぇかなぁって顔
- ユレン◥
- 01:44:01
- 「……ああ、別に責めてるわけじゃないんだ。頭を上げてくれ。……こんなのを有難がられるとは想像もしてなくて、どう返したらいいか迷っただけで」
- 01:44:18
- 「……」 店主の視線が痛いな。
- ミカサ◥
- 01:47:21
- 「まぁ、なんとお優しき言葉…このような卑しき端女をお気遣いいただけるなど…」羞恥に赤く染まった顔を上げ、潤んだ瞳をユレンへと向けた。
- 店主◥
- 01:48:52
- 「……」アッ、フーンって顔
- ユレン◥
- 01:49:12
- 「…………」 何だか自分が泣かせたような気になってしまった。困ったように頬を掻いて目を逸して。 「それより、仮面はどうするんだ? 頼むのか、それとも角を引っ込められるよう練習するのか」
- 01:49:46
- 僕が取った選択肢は必殺話題を逸らすだ。
- ミカサ◥
- 01:52:59
- 「ハッ!? そ、そうでございました。面はやはり用立てていただこうかと存じます。傍ら、角を収める修練は決して怠りませぬ。必ずや克服してご覧にいれましょう!」真面目だが単純なのだろう、その策は見事にはまった。
- ユレン◥
- 01:54:10
- 「……」 ほっ、と胸をなでおろす。いつまでもあんな表情を向けられていてはたまったものじゃない。 「ああ。言い出したのは僕だし、その練習には付き合うよ」
- 店主◥
- 01:55:15
- 「マイドアリー…」店主の返答はどこか投げやりだ。ユレンを見る目の温度が生温い。
- ユレン◥
- 01:56:32
- 「何だよ……」 何でそんな目で見られてるんだ。 「……それより、僕も頼んでおいた品を引き取りに来たんだ」 箙やらなんやらの微妙な調整を頼んでたんだ。
- 店主◥
- 01:57:08
- 「作り置きもあるが、せっかくだ、その装備に合わせたヤツをこさえた方がいいだろう。つーか、並の代物じゃあ、見た目で負けちまう。そいつぁ親父の代から引き継いだこの店の沽券に関わるってもんだ」
- ユレン◥
- 01:58:25
- 「……確かに」 普通に仮面と言われて想像するようなものじゃ、その格好には合わないよなぁ。
- ミカサ◥
- 01:58:48
- 「まぁ、まぁ…!何とお礼を申せば良いか…ミカサは果報者にございます。この御恩、一生をかけてお返しいたしたく存じます。」練習に付き合うという言葉に対する反応がこれだ。
- ユレン◥
- 02:00:09
- 「……大袈裟だな。角を引っ込めるくらい、慣れれば誰だってすぐに出来る事だ」
- 店主◥
- 02:00:47
- 「箙なんざその辺に転がってる奴でいいだろ、なんか…もう、よ?」用意はしているのだが
- ユレン◥
- 02:02:21
- 「既成品をそのまま使ったら微妙に使い辛かったから頼んだんだろ。……何かもう、何だよ」
- ミカサ◥
- 02:02:33
- 「粗忽者ゆえ、ご指導いただいても巧くは行かぬやもしれませぬ…不束者にはございますが、何卒よしなにお願い申し上げます。」ここが座敷であれば伏して三つ指ついているところだ。」
- ユレン◥
- 02:03:41
- 「上手くいかなければ、そういうのに慣れた相手に聞けばいい。あの店にも何人かはいるんだろう」 ナイトメア。
- 店主◥
- 02:04:17
- 「いや、今日は手一杯、だろ?」その娘、いろんな意味で重そうだし。
- ユレン◥
- 02:05:39
- 「……角を引っ込める練習に付き合うだけだ。そんなに大変な事じゃない」
- ミカサ◥
- 02:06:56
- 「もし、巧く行かねば削ぎ落していただいても構いませぬ」多分その方が大変だ
- 店主◥
- 02:07:23
- 「おっ、そうだな」
- ユレン◥
- 02:07:30
- 「……そんな痛そうな事をするわけないだろ」
- ミカサ◥
- 02:08:42
- 「これでも夜叉の女の端くれなれば、声などあげませぬ」
- ユレン◥
- 02:09:22
- 「そういう問題じゃない。僕が嫌なんだ」
- 店主◥
- 02:10:14
- 「まぁ、何だ…その…後で宿に絵図面を届けっから、気に入ったのを選んでくれ。作んのはそっからになる、いいか?」と異装の少女に告げる。
- 02:11:29
- 「痛くしないように、優しく教えてやれよ…?」ユレンを生温い目で見ながら注文の品を渡してやった。
- ユレン◥
- 02:12:18
- 「……角を引っ込めるだけで痛いも何もあるわけないだろ」 何だこの親父はって目で見ながら、品物は受け取って代金を支払った。
- ミカサ◥
- 02:14:59
- 「どのようなお言いつけにも従います故、厳しくご指導のほどよろしくお願いいたします。」キラキラとした目でそんな事を口にするから店主の態度が生温いのだと気付いてはいない。
- ユレン◥
- 02:16:14
- 「……まずは対等に話してもらうようにする所からか、これは」 ミカサの変わらない様子に独りごちた。 「それじゃ、そろそろ一度出ようか。人が少ない所を探して、軽く練習してみよう」
- ミカサ◥
- 02:18:34
- 「まぁ、嬉しゅうございます。 ご店主様も不躾な相談に乗っていただきありがとうございました。面の件、くれぐれもよしなにお願いいたしまする。」深々とお辞儀をし
- 店主◥
- 02:19:41
- 「おう、良かったら揃いの面でも用意してやろうか」嫌がらせである
- ユレン◥
- 02:19:52
- 「僕は付ける予定はない」
- ミカサ◥
- 02:22:01
- 「ま、まぁ、御店主様、そのような、そ、揃いの品など…」何か琴線に触れるものがあったようだが何かがズレている。
- ユレン◥
- 02:22:27
- 「……何でそんなに反応してるんだ」
- ミカサ◥
- 02:24:27
- 「と、殿方と、そ、揃いの品を身に着けるなど、め、め、夫婦のようではございませぬか…っ、そんな、畏れ多き事にございます」真っ赤になって説明(?)した。
- ユレン◥
- 02:26:09
- 「……別に夫婦じゃなくたって同じ物を身につける事くらいあるだろ。そもそも付ける予定はないから安心してくれ」 僕と揃いの仮面なんて嫌だろ。
- 02:26:36
- 「……僕はそもそも仮面が嫌だしな」 自分ではつけたくない。絶対似合わない。
- ミカサ◥
- 02:27:12
- 「と、とともあれ、用は為しました故、こ、こ、これにて失礼仕りまする!」普段の所作とは異なるギクシャクとした動作で、それでも去り際に店主への礼を忘れず、店を出て行った。
- ユレン◥
- 02:27:57
- 「付けないって言ってるのに何であんな事になってるんだ……。まぁいいか」
- 02:28:22
- 「また用が出来たら頼む」 店主にそう言って、こちらは普通にミカサの後を追っていった。
- 店主◥
- 02:29:31
- 「まいどー……」去って行く若い二人を生温い目で見送る。
- 02:30:57
- 「しっかしまぁ…」あの角、鎧、装束に合う仮面か――
- 02:32:00
- 「ちょいとばかし面白ぇ仕事が出来そうじゃねぇか」久々に創作意欲が刺激され、絵筆を手に取り試行錯誤を始める店主であった。
- 02:33:32
- その匠の技により、この異貌が目につく少女が… https://sw.tale.blue/tmp/wannya/xBooAN.png
- 02:34:44
- 何という事でしょう。角など気にならない程、異様かつ威容を醸し出す事に成功したのです。 https://sw.tale.blue/tmp/wannya/o82U1Z.png
- ◥
- 02:35:01
- なんということでしょう……(絶望
- 店主◥
- 02:35:15
- 「………」やっちまったかもしれない
- 02:36:43
- なお、少女からは代金と共に返礼の手紙と押し花が届けられた。手紙は達筆かつ冗長過ぎて何が書いてあるか分からなかったので、押し花のみ店内に飾る事になりましたとさ。
- 02:37:02
- これにて一件落着(無理やり) めでたしめでたし
- ◥
- 02:37:07
-
- 02:37:10
-
- ◥
- 02:37:30
- )))
- SYSTEM◥
- 02:37:32
- 様が退室しました。
- ◥
- 02:37:49
- お付き合い感謝なりよ!
- SYSTEM◥
- 02:37:54
- 様が退室しました。
- ◥
-
発言統計 |
その他(NPC) | 97回 | 89.8% | 5171文字 | 93.4% |
| 11回 | 10.2% | 367文字 | 6.6% |
合計 | 108回 | 5538文字 |