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2018/12/17
SYSTEM
22:25:42
様が入室しました。
SYSTEM
22:29:00
様が退室しました。
SYSTEM
23:56:47
 様が入室しました。
 
23:57:18
 
23:57:18
 
23:57:56
――〈星の標〉。
23:58:44
窓を叩く雨音は強く、扉を打ち付ける風も同様に酷く強かった。
23:59:38
店内にはそれなりに客はいたものの、雨具の用意を怠っていたのか、雨を止むのを待つ声はそれなりに大きかった。
2018/12/18
 
00:00:25
生憎なことに、空には雨雲が立ち込めており彼等の願い通り止むようには見えなかったが。
シルヴェ
00:01:17
――がらん。乱雑に扉を叩き、ドアベルを響かせながら一つの影が店内に飛び込んで来る。
00:03:48
大雨に降られたようで、身体中はずぶ濡れだ。仕事だった様子もなく、普段着は水を吸い、歩く度に水が垂れて来る。
00:04:17
――はあ、ったく」 散々だ。続く言葉を出す前に、濡れた髪を鬱陶しそうにかき上げる。
00:06:30
「と、とりあえず拭こう……」 濡れたまま店内に入り、床に雨水を滴り落しながら階段を上り、自室へと至る。
00:07:16
扉を開き、依然と比べ整えられた室内を歩いて適当なタオルを一つ掴む。
00:08:37
そのまま身体を拭き、濡れた服を着替えて、”オルレイア英雄譚”を片手に部屋を出る。
00:09:30
「ひと風呂浴びて来ようかな……少し、寒いな」 ううん、と鼻をすすりながら、先程濡れた店内を掃除しているヴィーラに申し訳なさそうに珈琲を注文し、暖炉と近い席に座る。
00:19:06
席について、ゆっくりと窓の外を見る。雨雲のせいか、夕暮れ時とは思えない程に暗い風景を眺めて、珈琲を一口。
00:22:44
”オルレイア英雄譚”。薦められて読み始めたこの本には、それなりにのめり込んでいる。
00:27:05
聞いたことがある、とユンが薦めて来るものなので、恐らくそれなりに知られたものなのだろうか。綴られた物語を知るだけ、頁を捲る手が動く。
00:30:11
恐らくは、記憶をなくして(うまれてきて)はじめて読む小説であったが、特に苦労せず読み進められている。
00:30:59
読み易い――というには、読み辛い文章を知らないのだが、恐らくは読み易い、親しみやすい類のものだろう。
00:32:53
さて。この本の続きを読み進めるのもまたいいが、それにしては身体が冷えている。身体を暖炉に寄せ、その熱を感じながら目を伏せる。
00:38:26
――熱。熱。熱。
00:40:28
右の指先をその熱で焼く火を見ながら、ぼんやりと。
00:40:57
「あ――、え」 懐かしい、と。
00:41:39
「熱ッ……!」 慌てて身体を引いて、熱を払うように右手を振る。
SYSTEM
00:43:57
様が入室しました。
ゾールソモーン
00:44:40
「何やってるの」 呆れたような口調を、後ろから投げかける。
シルヴェ
00:44:45
――、」 何をしているんだ、というヴィーラの視線には苦笑して返し、まだ痛みの残る指先を見る。
00:45:24
「うおっ」 慌てて席を立ち、背後を見て 「な、なんだ……びっくりさせないでよ」 ゾールの姿を見て苦笑して座りなおす。
ゾールソモーン
00:46:32
「ドワーフでもない者が、手を火に突っ込みかけているのを見たら声をかけるでしょう」
00:46:35
「たまたま、よ」
シルヴェ
00:47:33
「ドワーフでもやめた方が良いと思うけどね」 火に強いとは言っても 「仕事帰り?」
ゾールソモーン
00:48:29
「何故……? 焼けないのに」 わからない顔。
00:48:41
「いえ。ずっと部屋にいた」
シルヴェ
00:49:02
「焼けなくてもだよ」 価値観が違うのは多分気付いていない。 
00:49:16
「そっか。この雨だもんね……濡れてないんだし確かにそうだ」 
ゾールソモーン
00:50:27
「何もおかしいことでは無いのでは……」 むむむ。 「気づいたのも、ずっと後だけどね。まあ、ちょうどよかった」
シルヴェ
00:51:30
「だってほら、火に入ったら持ってるものとか燃えるでしょ」 な? 「ん。……最近仕事はどう?」
ゾールソモーン
00:52:47
「………」 ふと考える姿勢。 「……まあ……一段落したところ」
シルヴェ
00:53:09
「ん。何か大きな仕事だったの?」 
ゾールソモーン
00:54:14
魔香草を持って、暖炉の火に手を突っ込んだ。
00:54:38
なんでもない風にしながら、「私の中では大きかった」
シルヴェ
00:55:04
「ちょ、ちょっと!」 慌てて後ろから抱え上げてやめさせようと手を伸ばす。 
ゾールソモーン
00:55:46
「ちょっと、燃えないでしょう、ほら」 ぐいぐいと抵抗。
シルヴェ
00:56:09
「だーかーらー! 駄目だよ! 危ない!」 そのまま抱えて遠くに降ろし
ゾールソモーン
00:57:09
「性質を理解し……っく」
シルヴェ
00:58:03
「性質はもうわかったよ、わかったけど」 イメージ的に危ないじゃん
ゾールソモーン
00:58:43
「……」 煙も焦げ跡もない魔香草を見せつつ息を吐く。
シルヴェ
00:59:30
「解ったよ、教えてくれて有難う。……でもこう、人が手を突っ込んでたら危ない、って思う人もいるかもしれないっていうか、まあ僕は思うし……」
ゾールソモーン
01:01:23
「じゃあ貴方も気をつけなさい」
01:01:58
「冒険者なら、まあドワーフかみたいな、そんな視線でしょうに……」 果たして全体そうなのかはわからないけど。
01:02:20
魔香草はしまいました。
シルヴェ
01:03:57
「……ぼ、僕もまあ、なんでやってたのかは」 うーむ。 
01:04:26
「……そう?」 少し首を傾げて
ゾールソモーン
01:05:49
「ぼーっとしてたのか? ……そういえば湿り頭だけど。そうか、雨に降られて、とか」
01:06:10
「そうだと思っている」 私は。
シルヴェ
01:06:45
「そう。最近、王都をまた見回っててその帰りだったんだ。ちょっと寒くってね……あそこまで寄るつもりもなかったんだけど」
01:07:08
「そういう慣れもそれはそれで怖いね」 ドワーフじゃなかったらどうするんだ。
ゾールソモーン
01:09:11
「なるほど。……風邪の引きかけで無ければいいけど」
01:10:31
「暖炉で乾かすなら、もう少し拭いた方がいいとは思う」
シルヴェ
01:10:42
「風邪。……てそういえば、なったことないな」 
01:11:28
「さっき、ざーっと拭いてたからなあ……でもタオル取りに戻るのも面倒だなあ」
ゾールソモーン
01:13:01
「ああ、そうなの。頑丈なんじゃない」
シルヴェ
01:13:32
「まあ、僕にはそれくらいしかないからね」 毒とかはどうしても厳しいけど、と付け加え
ゾールソモーン
01:14:57
「彼女が風邪を引くことあっても、共倒れにはならないでしょうね。軽い看病できるぐらいにはなっててもいいんじゃない」
01:15:43
「生憎手持ちにはないけど……借りたら?」 カウンター指差しつつ
シルヴェ
01:16:04
「彼女……、ああ」 そういう事か 「看病か……具体的には何したらいいんだろう」 
01:16:18
「この位置ならすぐ乾くよ」 時々服についてる金具の熱に驚きつつ
ゾールソモーン
01:18:36
「場合にも寄るけど、薬や水分、熱があれば氷嚢……とか」
シルヴェ
01:19:22
「……冷やしてあげるんだっけ」
ゾールソモーン
01:19:47
「火の中に入った方がすぐだけど、まあ……それでいいなら」
シルヴェ
01:20:08
「死ぬよ! ドワーフ(きみら)じゃないんだから!」
ゾールソモーン
01:20:12
「熱があればね」
01:20:54
「私と手を繋げば焼かれない。けど手間ね」
シルヴェ
01:21:54
「医者になる道もあったんじゃ……?」
ゾールソモーン
01:23:06
「……貴方が医者に?」 眉根を寄せる。
シルヴェ
01:23:44
「君がだよ」 僕には無理だ、と笑って 「火の中に入って、手を繋いでいればいい。……んでしょ?」 
ゾールソモーン
01:25:09
「……。医者が出来るほどの機転だとか、持っていないと思う」
01:26:03
「順序を間違えると焼ける。その場合は手を繋いでから火の中へ、よ」
シルヴェ
01:26:35
「……」 うん、と頷いて 「本人がそう思うなら、そうなのかな」
01:26:44
「……っと、はい。焼けるね、そうしないと」
ゾールソモーン
01:29:08
「まあ……薬草の扱いだって、かじった程度だから……私は」 「世には、ウィッチドクターとして活動する者もいるみたい、ね」
シルヴェ
01:29:57
「齧った程度、って言っても、そういう知識があるのが凄いんだよ」 珈琲を一口飲んで 「ウィッチドクター……どういうのもあるんだね」
ゾールソモーン
01:30:45
「冒険者以外で生計たてるなら、その道もなくはなかったか」 ふむ、と緩く頷きつつ。
シルヴェ
01:31:06
「……そういえば、どうしてゾールソモーンは冒険者になろうと思ったの?」
ゾールソモーン
01:31:46
「別にすごくは……」 問われ、言葉を止める。
シルヴェ
01:32:27
「……ああ、ごめん。言いづらい事なら、いいんだ」 その様子を見て少し慌てて付け加え
ゾールソモーン
01:34:54
「………」 軽く肩を竦めて、
01:35:32
「実は途方もない借金を背負わされて」
シルヴェ
01:36:49
「……借金、か。いやなものだね」
ゾールソモーン
01:37:23
「冗談だけど」
シルヴェ
01:37:45
「ぅえっ」 がくっ、と大げさなほどに反応を返し
ゾールソモーン
01:38:42
口元は微妙に笑いを堪える。
シルヴェ
01:39:35
「な、なんだよ……」 不満そうに言って、珈琲を一口、二口。
ゾールソモーン
01:40:09
「いえ、いい反応だったなと」
01:40:45
表情はすぐ元に戻した。
シルヴェ
01:41:56
「い、良い反応」 なんなんだ、と呟き 「言いたくないならいいのに」
ゾールソモーン
01:44:16
「からかって悪かった。つい」
シルヴェ
01:44:38
「……ついってなんだ」 やはり不満そうにじと、っと見つめ
ゾールソモーン
01:45:31
「試しに、信じかけるかどうかを……言ってみたくなって」 何食わぬ顔で視線をずらす。
シルヴェ
01:46:18
「……前も思ったけど、意地悪だよな」
ゾールソモーン
01:47:08
「そこまで意地悪ではない」 顎に手を添えつつ
シルヴェ
01:47:18
「そう……?」
ゾールソモーン
01:47:33
「恐らく」
シルヴェ
01:47:49
「まあ、他と比べれば確かに」
ゾールソモーン
01:50:03
「……気が向いたら、いつかね」 とは、小さく言った。
シルヴェ
01:50:54
うん、と頷いて 「うん、じゃあそれで」 微笑んで返し
ゾールソモーン
01:51:54
「私も貴方……シルヴェストロに興味がないわけではない。気が向いたら、」
01:52:06
「貴方も話してみて」
シルヴェ
01:52:33
――……」 その言葉には、此方も沈黙し 「……ん。そうするよ」 少しぎこちなく頷いた。
ゾールソモーン
01:54:11
ふん、と軽く鼻息して、 「まあ言わなくてもいい。辛い生い立ちなら、彼女(クラウディア)と支え合えばいいのだから」 席を立ち上がる。自然と席についてたきっと。
シルヴェ
01:54:57
辛い生い立ち、という言葉にはとうとう顔を歪め、席を立つ姿に口を開く。 
01:55:29
――、ここに来る前の事、何も覚えてないんだ。だから、……辛くはないんだ。それだけ、だからさ」
ゾールソモーン
01:56:52
「……」 人伝には聞いていたが、本人の口からは初めてだ。見つめ直して、
シルヴェ
01:57:47
「……だから、辛くなんかないと思う。少なくとも、……借金だとか、売られるとか。僕にはそんなことは、なかったんだから」
ゾールソモーン
01:59:19
「そう。それなら、今の貴方が納得いくように、これからを紡いでいって。既に、そうしているかもしれないけど」
シルヴェ
02:00:10
「ん。頑張るよ、何とか。……ゾールソモーンも、頑張って」
ゾールソモーン
02:01:14
「肩肘張らず、お互いに」
02:02:01
「それじゃ……また。」 カウンターから珈琲を受け取ると、そのまま2階へと歩いていく。
シルヴェ
02:03:26
「ああ、また。……仕事、一緒になったら宜しくね」 二階へと上がっていく影に声をかけて、以前よりも明るい様子で見送る。
ゾールソモーン
02:05:04
振り向かず、後ろに緩く手元で手を振った。
SYSTEM
02:05:06
様が退室しました。
シルヴェ
02:06:57
――……ああ、駄目だ」 これは、駄目な奴。
02:07:41
過去については考えない。考えない、ように。そう言い聞かせて、カップを手に取って一口飲み下す。
02:08:47
答えは出ない。見つけられる筈がない。だって、僕はそれを知らないんじゃない。
02:10:38
(シルヴェストロ)の過去は、(ぼく)の過去じゃないんだから。
02:11:02
他人のものだ。他人の、そう。他人の。
02:12:22
――……」 
02:17:09
そこから、どうやって部屋まで戻ったのかは、覚えていない。けど、気付けば転がり込んでいた寝台で、あの言葉を思い出して。少し安心した、気がする。
SYSTEM
02:17:14
 様が退室しました。
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