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指定なし
游ゴシック
メイリオ
メイリオUI
MS Pゴシック
MS P明朝
ヒラギノ角ゴ
ヒラギノ丸ゴ
Osaka
20190608X_0
2019/06/08
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SYSTEM
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16:02:42
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16:05:39
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TOPIC
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16:06:12
星の標 夜 雨天
by
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16:07:22
という訳で夜の星の標。降雨ということもあり人は疎らである
16:08:50
そんなお店に一人のフードの少女がびしょ濡れで入ってくるのだった
フェル
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16:09:55
「……はぁ」 ドアベルを鳴らして入店すると嘆息。外套はしとどに濡れており、水滴が床に落ちる
レノア
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16:10:05
「……だから、あの子には…」しとしとと雨音が響く中、カウンターで紅茶を片手に主人と何事かを話していた
16:10:37
「あら」ドアベルの音に気付いてそちらを見て 「あら、あら」
フェル
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16:11:39
「───」 いつもは店内でもフードを被っているのだが、不快感が勝る。入り口で外套を脱ぐと手に持った。最も、フードを被っていたとはいえ髪も濡れてしまっているのであるが
レノア
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16:11:44
「まぁ、いけないわ」ガルバにタオルを用意させると、それを手に来訪者の元へ向かう
16:12:20
「おかえりなさい、フェルちゃん」スッとタオルを差し出し、出迎えた
フェル
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16:13:16
「ん……ああ、レノア。ええと、ただいま?」 タオルを受け取り 「ありがとうございます」 黒髪のサイドからは二本の角が小さく見える
レノア
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16:14:31
「ふふふ」 微笑むレノア、カウンターではガルバが俺の店なんだが、と苦笑している
16:15:34
「急の雨だったものね。この季節は読めなくて困るわ、お洗濯にも、お買い物にも」
フェル
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16:15:42
「んー……」 ごしごしと乱暴に髪を拭き上げ 「酷い雨です」
レノア
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16:16:52
「あ、もちろん冒険にもね。フェルちゃんはお仕事かしら…‥あっ、駄目よ、髪をそんな風に拭いたら。ちょっとこっちに来て」手を引いて近くの席へと促し
16:18:22
「ガルバ、何か温かいものを。はい、そこに座って、タオルを貸して」否と言わなければあれよあれよという間に着席させられ、濡れた外套を脱がされ、髪を拭かれる事になる
フェル
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16:18:59
「ん……」 なんだかよくわからないうちにされるがままになってしまった……
16:19:41
「レノアはなんというか、母親とか、近所のおばさんみたいですね」 特に文句もないが
レノア
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16:19:47
「髪同士もあんまり擦り合わせると傷んでしまうわ? こんな風に布地で挟み込んで水気を吸わせるの」
16:20:05
「あら、ふふふ。だって母親で、おばさんですもの」
フェル
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16:21:07
「なるほど」 そうやるのか 「そうでしたか。いえ、私はどちらも知りませんけどね」
16:22:49
「まあ、いたらこんな感じなんでしょう」
レノア
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16:23:17
「本当はこの後でオイルを使ってあげるとなお良いんだけど、持っていないわよね…?」
16:23:35
「あなた、ご家族は?」
フェル
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16:25:10
「全員居ませんよ。母親は私を産んだ時に死んだそうです。父親にはよくそう言われました」
16:28:13
「父親も随分と前に死んでいますし、まあ、村一つ消えたので、その時点で親戚というのもいませんね」
レノア
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16:31:23
「そう……」村一つ消えたという言葉に悲し気に目を伏せ。残念だが
良くある話
なのだ、未だに
16:33:05
「そうだわ、お腹は空いていない? 丁度お茶にしていたところなのよ」
16:34:05
深く掘り下げて聞いても良いが、様子からすれば大きな傷となっているという事も無さそうではある。傷と自覚していないだけかもしれないが。
フェル
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16:35:20
「ええ、まあ、どうでもいい話です。」 大して感慨なさげに 「食事はとったので、今日は私も飲み物だけでいいですよ。ホットミルクとか」
レノア
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16:36:36
ちょっと、待っていて。とフェルの頭にタオルを被せ、カウンターへと向かう、先ほどガルバが用意したものは…
(紅茶 , ミルク , コーヒー , 白湯 , 燗酒) → [燗酒]
16:37:05
「貴方ね…」
フェル
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16:38:05
ちょこんと大人しく待っていたが、目はどこか遠くをぼんやり見ている
レノア
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16:38:37
駄目親父に燗酒を押し返してカウンターを占拠、牛乳を温め、先ほど紅茶と一緒につまんでいた自作のクッキーと共に戻る
16:40:17
「お待たせ、どうぞ、召し上がれ」熱すぎず温すぎないホットミルクに、ザラメをまぶしたクッキー、隠し味は岩塩とハーブだ
フェル
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16:40:56
「ん……ああ、頂きます」 どうも、と言って受け取った
16:41:54
「───」 すすと啜って一息ついた
16:42:10
「温まりますね」
レノア
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16:43:19
「そう、良かったわ。風邪なんて引いたらもったいないものね」
フェル
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16:44:34
「そうですね。あれはなかなかに辛いものです」
16:45:01
「そういえば、レノアは母親なんでしたっけ」
レノア
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16:45:46
「ええ、貴女と同じくらい……ではないけれど、こどもがいるわ」
フェル
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16:47:59
「ん、そうですか。良いものですか?」
レノア
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16:48:48
「ええ、とても」僅かの迷いもなく頷いた
フェル
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16:50:05
「そうですか。親というものはそうなんですかね」
レノア
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16:51:21
「すべての、とは言えないかもしれないけれど」
16:51:48
「私はこども達の味方でありたいと思っているわ」
フェル
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16:52:53
「子どもたちの、ですか」
レノア
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16:53:05
「泣いていれば抱き締めてあげたいし、お腹を空かせていたらご飯を食べさせてあげたい」
フェル
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16:53:16
「それが死んでしまっている場合は?」
レノア
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16:54:25
「……」目を閉じ、これまで助けられなかった不幸な子供達の事を想う
フェル
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16:55:13
「まあ、死人は口を開かないのでしょうけど。死に損なっていない限りは」
レノア
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16:56:10
「輪廻に還ってまた戻ってこられるように、祈りを……そして、叶うならば、復讐を。」
フェル
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16:57:48
「復讐ですか。代理で復讐されるとなると怖い話ですね」
レノア
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16:58:16
「この世の中には未来ある子供達を虐げ、自分たちの目的の礎とする事も厭わない……そういう人達がいるわ」 奈落の剣を扱う一派だ
16:59:15
「子供達がそれを望んでいるとまでは思っていないわ・ これは私の独り善がり、自己満足ね」
フェル
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17:01:17
「なるほど。レノアが許せないからそうするということですか」
17:01:23
「優しいのですね」
レノア
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17:02:06
「優しい、というのとはたぶん少し違うわ…」困ったように微笑み
17:04:10
「赦せないだけよ
――
私からこどもを奪う者が、こども達の、在る筈のだった幸福を奪う者が。ただ、赦せないの」微笑みを浮かべたまま、そう答える
フェル
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17:04:45
「ふむ。理由はどうであれ、他人のために憤れるというのは優しいということなのでは?」
レノア
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17:05:59
「結果的にはそういう事になるのかしら…? ふふ、でも、私にとっては当たり前の事だから」
フェル
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17:06:14
「そうですか…まあ、子供の居ない私には分からない話でしょうね」
レノア
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17:08:33
「ふふ、貴女もいつかは自分のこどもを抱く時が来るかもしれないわよ? その時まで楽しみにしておくといいわ」
フェル
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17:09:32
「ああ、いえ、それは有りえません」
レノア
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17:10:40
「あら?先の事は分からないんじゃない?」
フェル
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17:10:53
「私は、子供を作ることができませんから。昔、血がいっぱい出て、それきり生理というのが無いんです」
17:12:01
「今思えば、流産だったんでしょうかね」
レノア
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17:12:18
「!? そう…ごめんなさい、知らずに」
17:12:58
「貴女、子供が居たことが……?」
フェル
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17:14:55
「いえ、どうかは知りませんよ。ただまあ、そうだったのかも知れないな、というだけで」
17:15:47
「10歳と少しくらいの時の話ですからね」
レノア
◥
17:16:11
「望んでの事ではなかったのね……」
17:18:42
「確かに、それではまだ何も分からないわね…、あだ。あなた自身だって受け入れる暇も無かったでしょう…」手を伸ばし、頬に触れる
フェル
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17:19:07
「まあ、今はそういう事をするのは嫌いではありませんけれど、当時は痛かっただけでしたね」
レノア
◥
17:19:42
あだ→ まだ だわ
フェル
◥
17:21:09
「田舎でのナイトメアというのは、そういうものでしょう。そういう、世の中のことというのが分かってきたのも最近ですけど」振れた手を上から包んで頬ずりする
レノア
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17:23:33
「……その当時は、それが当たり前で受け入れる他なかったのね…」そのまま抱き寄せ」
フェル
◥
17:24:41
「大丈夫ですよ。私は別に悲しくありません」 されるがまま
レノア
◥
17:25:35
「助けがないのは辛い事だわ。幸せを奪われ、踏みにじられるのは堪らなく悔しくて、悲しかった」
17:26:53
「でも、それすらも思えないという事は……ごめんなさい、私には貴女の気持ちを本当の意味では理解してあげられない」
フェル
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17:27:34
「どうでしょうね。感じないというか、今はもう無いからかも知れません」
17:28:39
「対象が無ければ、レノアの言う復讐も出来ないでしょう、というか」
17:29:24
「もう既に遂げられているから、でしょうか」
レノア
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17:29:59
「そう…」
フェル
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17:32:08
「レノア、私は貴方が好きですが、貴方は私に好意を持つべきではありませんよ」
レノア
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17:32:14
「無理に背負わなくていいのよ、その子の事を…、必ず愛さなければいけないという事はないの」
17:32:34
「ふふ、それは無理ね」
17:34:53
「……貴女は人を気遣える良い子よ。 失くしたものを、望んでいなかったとしても今も忘れずに想える、優しい子」
フェル
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17:36:12
「いいえ、レノア。貴方が子供を想う者だというなら、私を受け入れるべきではありません」
レノア
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17:38:56
「……それは、貴女が
自分でその子を堕した
から……?」
フェル
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17:39:39
「いいえ。そうなったのは、暴行を受け続けた結果、ですよ」
17:40:42
「私の言う理由は、その先です。その村を消したのは、一人の蛮族です」
レノア
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17:41:55
「蛮族…」頬に触れていた手を髪に、その中に埋もれた角に触れ
フェル
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17:42:03
「私はフェルクリーヴ。人食いのフェルクリーヴ。それが、かつての
バルバロスとしての私の名
です」
レノア
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17:42:42
「……
ダークナイト
」
フェル
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17:44:29
「はい。私はとあるノスフェラトゥに組みした、人族の敵です」
レノア
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17:45:02
「なら、どうして貴女は此処に居て、私にそれを明かしてくれたのかしら」
フェル
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17:46:29
「…さて、何故でしょうね。此処の居心地が良すぎて、忘れそうになるからでしょうか」
レノア
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17:47:33
「馬鹿ね」ぎゅうと頭ごと胸に抱え
フェル
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17:47:51
「昔のことを、忌むべきとも思っていません。むしろ私には楽しかった思い出です」
17:49:00
「子供であっても関係無く手にかけましたよ。だから貴方は、私を許すべきではないと思うのです」
レノア
◥
17:49:54
「なら、聞くわ。今のあなたに、それは出来ること? 必要か必要じゃないか、という意味ではなくよ」
フェル
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17:53:32
「ん……そうですね。やろうと思えば出来ると思いますよ。でも、少し嫌ですね」
レノア
◥
17:54:35
「その
少し
が大切なのよ」
17:55:43
「その少しに気付かなければ思い留まる事も気に病む事もないの」
17:56:25
「それが、貴女の中に初めからあったのか、此処に来てから育ったものなのかは分からないけれど…」
フェル
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17:57:06
「こんな事喋った私も迂闊なんですが、甘いですね、レノアは」
レノア
◥
17:57:45
「その少しが、貴女にとって大きなものになりますように」髪にキスして、もう一度包むように抱き締める
17:59:35
「……私は、お腹の子を堕ろそうと思ったことがあるわ。何度も。 望んだ子じゃなかった。自由を奪われ、尊厳を踏み躙られ、そうして出来た子だったの」
フェル
◥
18:00:31
「………そうだったんですか」嫌がらずに身を預け
レノア
◥
18:01:33
「だんだんと大きくなっていくお腹が、気持ちが悪かったわ。憎くて、赦せなかった」
フェル
◥
18:03:08
「………」 レノアの鼓動を聞く様に目を瞑り
レノア
◥
18:03:17
「でもね、産まれて、声を聞いて……取り上げられて」
18:04:06
「清々する筈だったのに、あの声が今でも忘れられないの」
18:05:25
「今でも何処かで生きているのかしら。貴女のように
あちら側
になっているのかもしれない」
フェル
◥
18:05:52
「行方が分からないのですか」
レノア
◥
18:07:10
「蛮族に捕まっていた時の事だから…もうずっと前の事よ」
フェル
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18:07:47
「ああ、そういうことだったんですね」
レノア
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18:09:04
「生きているかも、何処にいるかも分からない…抱き締めてあげる事も、愛してあげることも出来なかった私のこども」
18:10:10
「だから、私はこども達の味方でありたいと思っているの……身勝手でしょう? 代替行為だわ」
フェル
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18:10:22
「私が、貴方の子なら良かったんですけどね」
レノア
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18:11:30
「あら、私は大体そのつもりよ?」
フェル
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18:12:13
「実年齢的には、貴方に近いと思うんですけど」
レノア
◥
18:13:03
「だったら、もっとちゃんとしなさい? 髪のお手入れだってそうだし、人間関係とか、ね」
フェル
◥
18:13:35
「まあ、あんまり実感無いもので。時間感覚とか、割と曖昧で」
18:14:28
「………」 嘆息
18:15:32
「ああ、でも、あの時本当に身ごもっていたなら、産んであげたかったですね」 抱きしめられたまま抱きしめ返した
レノア
◥
18:15:45
「駄目よ? ナイトメアだからって、お肌も髪も荒れるし、風邪だって引くのよ」」
18:17:13
「……うん。 うん……」
18:18:25
「きっと、その気持ちが貴女を繋ぎ止める小さくて大きなものに繋がっているのよ。忘れないで」
フェル
◥
18:18:56
「ん……そうしてみます」
レノア
◥
18:21:00
「さっきのお話だけれど、私も内緒にしておくから、貴女も私の話、内緒にしておいてくれる?」
18:22:29
「こわくて、うちの子にもまだ話していないの、駄目な親ね」ふふふ
フェル
◥
18:23:31
「他にも子が居るんですね。ええ、言いませんよ」
レノア
◥
18:23:46
「ええ、もう一人」
フェル
◥
18:24:13
「……私も、此処では、いい子でいられるようにしてみます」
18:24:50
「ですので、悪い子になりそうなら、叱って下さい。私、時々、はずれそうになりますから」
レノア
◥
18:25:33
「あら、それは心配ね。 手のかかる娘だこと」 ツンと鼻先をつついて
18:27:42
「大丈夫よ、ママはずっとあなたを見守っているわ」
フェル
◥
18:29:04
「んぅ」 つつかれた 「……お母、さん」
レノア
◥
18:31:44
すっと、身体を離して、フェルの生乾きの髪に触れた。
18:32:30
「さ、髪も乾き始めた頃だから、傷まないようにオイルを使いましょう。今回は私の使っているのを貸してあげるけれど、次からは自分で用意するのよ? 櫛はある?」
フェル
◥
18:33:04
「ん…いえ、そういうのは無いです」
レノア
◥
18:33:58
「ええ、そうでしょうね。明日は空いている? 市場に行きましょう。身の回りの物を揃えなくちゃ」
フェル
◥
18:35:15
「大丈夫ですよ。仕事の予定はありませんし」
レノア
◥
18:36:30
「そう、せっかくだから服も見繕って…そうだわ、美味しいケーキ屋さんがあるの。チーズケーキがとても美味しいのよ? ご馳走してあげるわね」
フェル
◥
18:37:10
「お金はちゃんとありますよ?」 と言いつつ食べ物の話に見えないしっぽがぶんぶんしてそうな雰囲気
レノア
◥
18:38:57
「いいの、そういう気分だから。代わりに他に良いところを見つけたらご馳走してね?ふふふ」
フェル
◥
18:39:21
「ん。分かりました。好みを教えてくださいね」
18:39:40
「……ああ、えっと」
レノア
◥
18:40:03
「ええ、喜んで」
フェル
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18:41:15
「…んん」
レノア
◥
18:41:21
「なぁに?」 言い淀む様に小首を傾げ
フェル
◥
18:42:31
「…時々、さっきみたいに抱きしめて貰えますか。なんか、安心するので」
レノア
◥
18:43:55
「あら、時々で良いの?」 そっと抱き寄せて 「勿論よ、ええ。私もこうしていると安心するわ」
フェル
◥
18:45:04
「できれば、いっぱい」
レノア
◥
18:46:59
「ええ、喜んで
――
」
フェル
◥
18:47:33
結局この日は甘えっぱなしで、離れなかった様である
◥
18:48:30
ではそういったところで、お開きで
18:48:37
ありがとうございました!
◥
18:48:48
いいのよ、いっぱい甘えなさい
18:48:58
ママはずっとあなたを見ているわ
SYSTEM
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18:49:01
様が退室しました。
SYSTEM
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18:49:07
様が退室しました。
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発言統計
その他(NPC)
155回
96.3%
5405文字
97.9%
6回
3.7%
116文字
2.1%
合計
161回
5521文字
ゆとチャⅡ/ぬる -
ゆとらいず工房