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20190116Z_0

2019/01/16
SYSTEM
00:00:45
 様が入室しました。
TOPIC
00:03:04
〈星の標〉 by  
 
00:04:25
夕刻の〈星の標〉。店内の客はそう多くはない。
00:05:28
依頼が張り出されている掲示板も、今朝の争奪戦を生き残る様なものも少なくのか随分と寂れている。
00:06:37
カウンターにいる店員達も、珍しく雑務もないのかぼんやりと過ごしている。そんな穏やかな空気。
シルヴェ
00:07:51
――えーと。これで全部だよな……」 掃除を済ませ、すっかり空になった部屋を見回して一言呟き、扉を閉めて施錠する。そうして、上階から一回へと降りて来る影が一つ。
00:08:53
手にはいくつかの紙袋が持たれており、その中には私物と思われるものが幾つか入っている。といっても、その中身は大半が本であるので、それなりに重量があるようだ。
ガルバ
00:10:15
――なんだ。まだそんなに残してたのか」 カウンターに立っていた店主は、重そうに手荷物を運ぶ青年を認めると、少し呆れたように声をかける。
シルヴェ
00:12:04
「最後にしようかなって思ってたんだ。ほら、処分するかどうかも考えてたし」 結局持って行くことにしたけど、と苦笑しながら店主に歩み寄り、紙袋を置く。
00:12:34
「何かあっという間だったけど。お世話になりました」 会釈を一つして、借り受けていた部屋の鍵を差し出す。
ガルバ
00:13:33
「何がお世話になった、だ。仕事は続けるんだ、まだ面も会わせるだろうよ」 鍵を受け取り、見て来る、と一言。そのまま上階へと上がると、鍵を渡された部屋の確認へと向かっていった。
シルヴェ
00:14:40
苦笑しながらそれを見送ると、手荷物を手近な席へと持って行き、椅子を引いてその上に置く。
00:16:07
「思ったより重くなったな……」 袋の中から顔を見せている”オルレイア英雄譚”の表紙を指で一つ撫で、ふう、と一息。
00:18:45
処分しようと思っていたものを全く処分できずに持ち歩くのも中々頭が悪いことをしている、と心中で自嘲しながら、上階から降りてきた店主に視線を向ける。
ガルバ
00:19:34
「一応、あれで問題ないと思うんだけど。平気だった?」
シルヴェ
00:19:50
「一応、あれで問題ないと思うんだけど。平気だった?」
ガルバ
00:20:37
「ああ。特に汚れてもなかったからな、まあ問題はねえよ」 言いながらカウンターに戻り、青年から受け取った部屋の鍵を収納する。
シルヴェ
00:21:10
「良かった。……じゃあ、手続きはこれで終わりかな」
ガルバ
00:22:30
ああ、と頷くと奥の部屋へと入って行く。特に別れの言葉を言う事もなく、普段通りに。
シルヴェ
00:23:11
「……」 ふと窓際の席を眺める。以前までの定位置だったが、気が付けばそこに収まる回数も減っていた気がする。
00:25:42
何がなくともここにいた気がするし、何かあってもここにいた気がする。
00:27:09
荷物をそのままに、窓際の席に座り直す。窓から差し込む陽の光は既に弱く、その熱もあまり感じられない。
00:30:13
そう。この景色はよく見ていた筈だが、今はどこか遠く感じられる。自分に変化があったからなのだろうが、特に自分に変わった所は自覚できていない。勿論、冒険者としての知識や経験は付いた、と思いたいが。
00:33:54
色んな人に会って、色んな事があって、色んな物を得て、色んな物を殺す。何も無い所から、それを繰り返してきた。
00:38:30
良い事ばかりではなかったし、悪い事ばかりでもなかった。 「……なんて考えてもしょうもないか」
00:42:51
ぼんやりとしている間に、陽も完全に沈んでしまっていた。暗くなった外との間にある窓に、自分の顔が移り込む。
00:44:16
「……また伸びてきたなあ」 目を隠そうとばかりに伸びて来ていた前髪を、指で軽く触れる。
00:48:05
またアシュに斬って貰おうかな、と。そんな事を考えていると、前髪が伸びてきている事にどこか安心している事に気付いた。
00:48:44
「……いやいや」 前髪が長くて安心する理由ってなんだ。謎過ぎる。
00:51:41
席を立って、置いてきていた荷物を手に取る。……重いな。
00:52:49
「行くか……」 何だか変な気分だ。ここから出る時は、いつも出掛ける時だったから。
00:55:20
からん、と。聴き慣れたドアベルの音と共に、〈星の標〉を後にした。
SYSTEM
00:55:22
 様が退室しました。
発言統計
その他(NPC)27回90.0%1449文字92.8%
 3回10.0%113文字7.2%
合計30回1562文字