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2019/01/23
SYSTEM
00:03:39
 様が入室しました。
SYSTEM
00:03:53
 様が入室しました。
 
00:04:30
開幕は適当にやろう。
 
00:04:30
 
00:04:31
 
00:06:32
王都イルスファールにある、冒険者ギルド〈星の標〉。本日の客足はそう多くもなく、静かな時間が流れている。
00:07:51
既に陽は落ち、窓の外には闇が広がっている。時刻としては20時を回った程度の時間だろうか。
00:08:57
の日は酷く風が強く、また冷たかった。扉が開く度、その冷風が店内へと舞い込んで来る程に。
シルヴェ
00:10:23
――さ、寒いな……」 そんな事を呟きながら扉を開けた青年の時も、それは変わらず。ゆっくりと開かれた扉からは冷えた強い風が店内に舞い込み、扉の近くにいた者は冷気を強く感じる事だろう。
ルシア
00:11:31
「…………」 冷たい風を受けて、ふと読書していた顔を上げた。眼鏡を掛けている黒髪の娘の視線が、入口のシルヴェストロを見やる。
シルヴェ
00:12:33
群青のコートと、首元に巻かれた襤褸布を揺らしながらカウンター席へ進むと、店主に暖かい珈琲を注文する。一言二言交わし、珈琲を受け取ったところで。向けられている視線に気付き、その主を認める。
00:13:42
「あ、ルシア。何か久しぶりだ」 言いながら、珈琲を片手にルシアの座っている席へと近づいていく。
ルシア
00:13:46
「どうも」 短く挨拶を投げてから、本を一度置き、珈琲の入ったカップを口へと運んだ。
00:14:07
「そうですね。ここしばらくは神殿の仕事が忙しかったもので」
シルヴェ
00:14:48
「ああ、神殿の……そっか。元気だった?」 いいかな、と席を示し
ルシア
00:15:52
「まあ、それなりに。ようやくこうして仕事と関係のない書を読む時間を取る事も出来ました」 同席については、小さく頷いて肯定の意を示した。
シルヴェ
00:18:13
「ん。……そんなに仕事忙しかったんだ」 神官の仕事が大変だということは聞いていたが。椅子を引いて座りつつ、珈琲を置く。長く伸ばされていた前髪が切られ、青年の目がしっかりと見えるようになっているのを見るのはルシアはこれがじめてかもしれない。
00:18:21
>これが はじめて
00:20:00
覗いている双眸はそれぞれ色が違う。左目は薄水色、右目は黄檗色の瞳だ。
ルシア
00:21:03
「この時期は様々な行事がありますから。始祖神の信徒はこの国の中にもかなりの数が存在します。そうなると、我々が休んでいるわけにはいきませんからね」 カップを置き、視線を上げて対面している相手の瞳を見据えた。 「ふむ、随分とすっきりしましたね」
シルヴェ
00:23:08
「ああ……ここの所、ずっとお祝いばっかりだったもんね。人も多かったし……」 すっきりした、と評されると少し首を傾げるが、ああ、と声を出して頷く。 「そっか、切ってからは会ってなかったか。色々あって……心機一転、じゃないけどさ。切ってみたんだ」 目に刺さらないようになったんだよ、などと言いつつ珈琲を啜る。
ルシア
00:25:23
「ええ。故郷でもそうでしたが、この時期は一番忙しいのです。まあ、そういう事を祝う事が出来るというのは平和な証拠ですので、良い事ではありますが」
00:25:43
「以前は長すぎましたからね。あれでは戦いの時には邪魔で仕方なかったでしょうに」
シルヴェ
00:26:46
「故郷――」 そういえばルシアもアランも別の大陸から来たと聞いていた。ケルディオン大陸に来た理由を聞いた際のひと悶着を思い出し、薄く苦笑して 「故郷、って……そういえば、どんなところだったの?」
00:27:30
「でも、……色んなものを見なくて済んだからさ。殺した時とかね」 
ルシア
00:28:51
「目を背けた所で、自分の行いが変わるわけではありません。有益な事であるとは言えませんね」 先にそう答えてから、本を閉じて、首からさげた聖印をつまんだ。
00:29:24
「セフィリア神聖王国。此処からは遥か遠く、テラスティア大陸のダグニアという地方にある国家。それが私の故郷です」
シルヴェ
00:33:06
「うん。だから、ちゃんと向き合おうって決めたよ」 頷き、故郷について聞いて……まあセージ5もあってラクシアの大陸を調べてないこともないだろう。名前を聞いて、小さく呟く 「っていうと、確か……」 穢れを忌避する国だったか。
ルシア
00:35:58
「国教は……言うまでもなく、始祖神の信仰です。その中でも原理主義というか、まあ、穢れを忌避する色が強い国です」
シルヴェ
00:37:06
「こことは真逆、だね。国王がどうかにもよるんだろうけれど。……ルシアは、好きだった? 故郷は」
ルシア
00:39:18
「国王は存在しますが、実質的な統治者は法王と呼ばれる立場の者です。現在の法王はイスマエル・ビスカイノ。“戦いの法王”などという異名で呼ばれている事から、どういう人物であるかは説明するまでもないでしょう」
00:39:33
「好きだったか、ですか」
00:39:54
「そう問われれば、肯定するでしょう」 あくまで過去形であれば。
シルヴェ
00:40:28
ふんふん。静かにルシアの説明を聞いていたが、法王の名前を聞いて首を傾げる。 「ビスカイノ? ルシアも確か――
00:40:47
「そっか。まあ、故郷だもんね。思い入れがあって当然か」
ルシア
00:41:58
「……そうですね。良くも悪くも」 やや目を伏せ、呟くように返す。 「ええ、私の姓も法王猊下と同じです」
シルヴェ
00:43:09
「……?」 何か気になるようなこと言っただろうか。 「だったよね。何か繋がりがある、とか?」 
ルシア
00:44:22
「……まあ、隠す事でもありませんか」 珈琲をまた一口飲んでから、やや間を置いて言う。 「一応は。法王猊下とは遠縁に当たります」
シルヴェ
00:46:23
「遠縁、って――え、ええ」 上擦った声で返して、目を丸めながら目線を合わせる。 「なのに、……ここに?」 と。口に出してから、しまった、と顔を口を抑える。
00:46:41
「ご、めん。……僕が口を出す事じゃなかったな」
ルシア
00:47:47
「表面上は、私はあくまで“ケルディオン大陸への布教”という重要な使命を帯びて此方に来ているだけですから」
00:48:37
「口を出されて怒るようならば、最初から話してなどいませんよ」
シルヴェ
00:50:26
「表面上。……、ルシアは確か、任務でこっちに来ていた、よね。表面上の任務っていうのが、その布教?」
ルシア
00:52:11
「ええ。未開とまでは言いませんが、信仰事情の不透明なこの地にて始祖神の教えを広め、救けを必要としている人々を救済する。それが私がセフィリアから請けた任です」
シルヴェ
00:53:36
「”表面上”の任務がそれなら、他にも何かあったって事?」
ルシア
00:55:00
「いえ、表面上というのは、“任務を与えられたこと”に掛かっているのです」
00:55:58
「遠縁とはいえ、法王猊下に縁の在る人間をそう簡単に流刑に処す事は出来ませんから」
シルヴェ
00:56:38
「……それは、じゃあ」 それを聞いて、表情が曇る。明確に怒気を孕んだ声色で言うと、流刑、という言葉に眉を顰める。
00:56:41
「流刑……?」
ルシア
00:57:22
「ええ。島流しといった方が伝わりやすいでしょうか」
シルヴェ
00:57:54
「そうじゃなくって。……何で、そんな事」
ルシア
00:59:44
「私が罪を犯したからでしょう。あくまで、彼らの中では、ですが」
シルヴェ
01:00:22
「罪? ルシアが?」
ルシア
01:02:03
「言っておきますが、私は罪など犯してはいませんよ」
シルヴェ
01:02:27
「解ってる。疑うつもりもないよ、そんなの」
ルシア
01:03:37
「ですが、彼らはそうは思わなかった。いえ、私が罪人でなければならなかったのでしょうね」
シルヴェ
01:06:18
「酷い、話だ」 不満そうに呟き、珈琲を一口飲み 「どうして、ルシアに罪を着せたがったの?」
ルシア
01:08:20
「……さあ、何故でしょうね。“彼ら”の考えている事は理解していたとしても、口にしたくもありません」
シルヴェ
01:09:07
「あ、……ごめん。話して気分の良い事じゃなかったよね」 はたと気付いたように頭を下げる。
ルシア
01:10:21
「いえ。事情を聞けばその先を知りたがるのは当然の事でしょう。特に今の貴方ならば、ね」
シルヴェ
01:11:31
「今の、っていうと何だろう。何かしたっけ……いや根掘り葉掘り聞こうとしちゃってたけど」
ルシア
01:12:38
「あら、交際相手の影響で貴方も知りたがりになっているかと思いましたが」 くす、と口元に小さく笑みを浮かべてから珈琲の残りを飲み干した。
シルヴェ
01:13:14
「……な、なんっ……いや、関係ないじゃんか!」
ルシア
01:14:04
「そうでしょうか。交流のある相手、特にそれが好いた相手となれば影響は受けやすいものでしょう」
シルヴェ
01:15:11
「ええー……あんまり自覚した事はない、けど」 そんなもんかなあ、とぼやきつつ珈琲を呑み 「でも、なんか変わったとは言われる気がする」
ルシア
01:17:03
「まあ、前よりは前向きになった――のでしょうか。今日の会話だけでは断定することはできませんが」
シルヴェ
01:18:30
「うん。悩んでる時に何回ルシアや皆に助けて貰ったか解らないからなあ」 苦笑し
ルシア
01:19:58
「さて……どれだけ私が貢献したのかはわかりませんが。何にせよ、自分にとって良いと思える変化があったのならば喜ばしい事です」
シルヴェ
01:22:30
「どれだけって。初仕事の時も、自分が消える事を止めてくれた時も、生きていていいって言ってくれた時も、僕を本物だって言ってくれた時も。全部ルシアのお陰だよ」 ルシアからすればそう見えないのかもしれないけど、と続けて、背凭れに寄りかかり
ルシア
01:25:38
「本当に素直になったこと」 口元を隠して笑み、先程まで読んでいた本を手に立ち上がる。 「今まで私が告げた言葉をそう捉える事が出来るようになったのならば、大丈夫でしょう」
シルヴェ
01:27:28
「はは、そう言って貰えると嬉しいよ。……有難う、ルシア」 照れ笑いを浮かべながら、頭を下げる。
ルシア
01:28:51
「どういたしまして。まあ、私から言う事があるとすれば、彼女を裏切らぬように、ということくらいでしょう」
シルヴェ
01:30:30
「勿論。それだけは、何があってもしないよ」 頷いて、自分も席を立つ。 「もう暗いから、ルシアも気を付けて。……僕も宿を変えたから、途中まで送ろうか?」
ルシア
01:32:19
「何があっても裏切りはしない、ですか。そういえば、彼も似たような事を言っていましたね」
シルヴェ
01:32:34
「……彼?」 
ルシア
01:32:55
「見送りは結構です。神殿までは慣れた道ですし、今のこの街に好き好んで私を襲ってくるような輩などいないでしょう」
01:33:34
「ええ、私の知己の最低な人間です」
01:33:50
「それではまた。貴方もあまり遅くなって心配を掛けぬように」
シルヴェ
01:34:02
「ん。それなら、解った。でも、くれぐれも気を付けて。最近物騒な話を――」 最低、と聞いて言葉を詰まらせる。
ルシア
01:34:17
ケープを羽織り、軽く頭を下げると店を後にした。
SYSTEM
01:34:22
 様が退室しました。
シルヴェ
01:35:13
「ん、うん。……それじゃあ、また」 去っていく背中に呟いて、小さく俯く。
01:37:11
「……」 ルシアの言葉を考えてみれば、恐らく――
01:37:33
「いや。やめよう」 振り払うように首を振って、蟀谷を押し込む。
01:38:01
「久しぶりに話せてよかったな、これ以上遅くなる前に帰ろう――」 
01:38:17
からんころん、と。扉を開いて店を後にした。
SYSTEM
01:38:19
 様が退室しました。
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その他(NPC)77回92.8%4037文字96.4%
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