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20190208X_0
- 2019/02/08◥
- SYSTEM◥
- 00:29:56
- 様が入室しました。
- TOPIC◥
- 00:30:36
- 午後8時 〈星の標〉 by
- ◥
- 00:31:31
- 予想外の貴賓の出迎えの準備に奔走し、休む間もなかなか取れなかった神官の娘は、遅い夕食のために〈星の標〉を訪れた。
- 00:32:09
- 今日の店内は比較的静かで、かといってまったく無音というわけでもない。ゆっくりと夕食を取るには丁度いいだろう。
- ルシア◥
- 00:32:44
- 「ええ、何か夕食を。……そうですね、身体が温まるものでお願いします」
- 00:33:07
- テーブルにつくと、近くに居た従業員に声を掛けて注文する。
- 00:34:56
- しばらくして、席へと食事が運ばれて来る。シチューにパン、サラダとスープといったシンプルな食事を前に、礼儀正しく手をあわせてから、手をつけ始めた。
- 00:39:14
- 「…………」 温かいスープを口に運び、こくん、と喉を鳴らして嚥下する。じわりと喉奥が熱を帯びて、思わずほう……と息を吐いた。
- 00:41:52
- 今ではすっかりこの味にも慣れたものではあるが、久方ぶりに故郷を強く意識する事になったここ数日は、どうにも故郷の味が懐かしくて仕方がない思いに駆られる。
- 00:45:15
- 食事を自分で作る時も、敢えて故郷の味ではなく、この大陸に渡って来てから学んだもので作っている。郷愁はあれど、同時に忌避したい。そんな灰色の感情が今の自分の故郷に対する思いだ。
- 00:48:07
- 中途半端だ、と思ってはいる。今の自分の在り様は望んだものであっても、同時に何処か、それを冷ややかに見つめている自分が居る。
- 00:50:01
- そんな者が他者に道を示す事はその者に対する愚弄でしかなく、自分が忌み嫌う在り様であるはずだ。
- 00:50:52
- でも確かに、それを望んだからこそ今こうしている――普段はあまり考えない取り留めのない考えが湧いてくるのは何故だろう。
- 00:51:47
- そんな事を考えていると、無意識にスープのカップを傾けてしまい、熱い液体が手袋に覆われた手に掛かった。
- 00:52:11
- 「あ、っつ――……」
- 00:55:59
- 「…………」 冷やすために手袋を脱ぐ、なんて考えは微塵も湧いて来ない。どれだけ熱くとも、この内に隠したものを見たくなどないのだ。
- 00:57:17
- しかし、濡れた手袋が透けて、その内にある傷ついた穢れの象徴が見える――気がする。
- 00:58:34
- 実際には、生地は厚く、色も黒いものを選んでいるのだから、そうそう透けて見える事などないのだが……痛みと不快感に顔を顰めて、そっとハンカチでそこを覆い隠した。
- 01:02:00
- 痛みが引いてくると、ハンカチで軽くテーブルを拭き、再びスープを口にする。
- SYSTEM◥
- 01:04:41
- 様が入室しました。
- ルシア◥
- 01:05:46
- 口にしたスープは、いつの間にかすっかり温くなってしまっている。まだ他のものに殆ど手をつけていない状態だというのに。
- ゾール◥
- 01:06:39
- 階上から、控えめに靴音を鳴らして降りてくる一つの人影。
- ルシア◥
- 01:06:54
- 呆けている自分に呆れながら、ようやく食器を手に、シチューを口にし始めた。
- ゾール◥
- 01:07:21
- カウンターへいつものように、遅めの夕飯を注文しようとして、ルシアが視界に入った。
- ルシア◥
- 01:08:10
- 「…………」 新たな客が訪れようと、顔を上げる事もない。いや、そもそも今はそれに気付いてすらいない。
- ゾール◥
- 01:08:14
- 「……あら」 久しぶりに見た、気がする。いつだっただろうか。自分がもっともっと未熟であった時のような気がする。
- 01:08:38
- 注文した夕飯を手に、ルシアのいるテーブルへと近づいていく。
- 01:09:15
- 「お久しぶり……よね」 確かめるように、小さく声かける。
- ルシア◥
- 01:09:45
- やはり先程やけどした手が少し痛む、手袋の上から軽く撫でた所で声を掛けられ、手をさっとテーブルの下に引いてふと顔を上げた。
- 01:10:10
- 「貴方は、確か……ゾールソモーンさんでしたか。以前、一度此処でお会いしたことがありましたね」
- ゾール◥
- 01:10:34
- 「……」 声をかけたらまずかっただろうか。自分にしては出過ぎた真似だったろうか、などと思いが過ぎったが、
- 01:11:06
- 「ええ、その通り。ルシア……よ、ね。」 そう、一度あったきり。
- ルシア◥
- 01:11:34
- 「はい、ルシア・ビスカイノです。よく覚えていらっしゃいましたね」
- 01:11:59
- 「私は貴方と違って、冒険者として勇名を馳せてはいないのですけれど」
- ゾール◥
- 01:12:36
- 「そっちこそ。……私は、その、覚えにくい名前だろうから……」
- 01:12:55
- 「貴女は貴女で、きっと神官としての務めをしているものだと、思っているのだけど」 勝手にね。
- ルシア◥
- 01:13:21
- 「珍しい名ではありますが、特徴的ですから。記憶には残りやすい方でしょう」
- ゾール◥
- 01:13:48
- 「……まあ」 一度覚えればそうか。
- SYSTEM◥
- 01:13:55
- 様が入室しました。
- ルシア◥
- 01:13:55
- 「そうですね。私は此方に登録をしている身ではありますが、冒険者である前に神官ですから」
- ◥
- 01:14:02
- スッ
- ゾール◥
- 01:14:19
- 夕飯は手に持ったまま。一度しか会っていない間柄。無遠慮には座らず、「……相席しても?」
- ルシア◥
- 01:14:47
- 「どうぞ」 この相手ならば騒ぐような事はするまい。
- 01:15:02
- そんな風に考えながら、頷いて着席を促した。
- ゾール◥
- 01:15:26
- 「……お邪魔します」 静かに座る。
- ルシア◥
- 01:16:23
- 「随分と遅い夕食のようですが、今までは部屋で読書でも?」
- ゾール◥
- 01:16:54
- 気になって相席したはいいものの……と考えようとしたら先に声をかけられて、視線をルシアへ。
- ルシア◥
- 01:17:17
- まあ、私も人のことは言えませんがと苦笑しながら、会話の合間に食事を進める。
- ゾール◥
- 01:17:32
- 「ええ。本を借りて、部屋で読んでいた。……出会った時と、あまり変わってない、かしら」 多少、笑む。
- 01:17:50
- そうしてゆっくり夕飯に手を付け始める。
- ルシア◥
- 01:18:45
- 「変わっていないか――と言われると、何とも判断に悩む所ではあります」
- ゾール◥
- 01:19:53
- 「……」 こちらから見ても、ルシアが果たして前と変わっていたかどうかというのも、それほどわからないのである。
- ルシア◥
- 01:20:57
- 「変わっていない事が良いことなのか、悪いことなのか……という問題もありますしね」
- ゾール◥
- 01:22:00
- 「場合によりけり……かな」 一概にどっちがいいとか、そんなにはっきりは言えない。
- 01:22:26
- 肉を切り分け、口へと運び、ゆっくり咀嚼。
- ルシア◥
- 01:22:41
- 「心身ともに壮健で、望ましい状態のままであるならば歓迎すべきことでしょう。ですが、変化がないことは、停滞している証左でもある――と……いきなり説教のような言葉を言ってはいけませんね」 このままでは絶対おかたい話になる。
- ゾール◥
- 01:23:51
- 「いいえ、気にしないで。望ましい面も、そうでない面も、ある。間違ってはいないもの」
- 01:24:32
- 「ルシアがそのように話したいなら、それでいいこと」
- ルシア◥
- 01:24:52
- 「どうにも性分のようで。昔は、そのような堅い話は逆に苦手なくらいだったのですけれど」
- ゾール◥
- 01:26:02
- 「神官生活で、そうなったとか……もなくはない」 と思ってる。
- ルシア◥
- 01:27:00
- 「どうでしょう。私は昔から聖職者である母に付いて過ごしていましたから、昔からそういう環境に身を置いていたのは変わりません」
- ゾール◥
- 01:28:16
- 「……。どこかで、思い直すような出来事、とか?」 もぐもぐ。
- 01:29:06
- なんとなく話していて、自分の昔の事も薄っすらと脳裏を過ぎっていく。
- ルシア◥
- 01:29:11
- 「この大陸に来てからは、神官とはかくあるべしと意識しているのは確かですね」
- アプリル◥
- 01:29:23
- からんころん、と扉鈴の音が鳴り響く。扉の方を見やれば、胸元が開いた清楚な神官風のミニドレスを纏った少女がひとり。
- ルシア◥
- 01:30:35
- 「始祖神の教えに従い、人々を導いていくことで、自分の道も開かれれば――と……」 ドアベルの音に、そちらを一瞥した。
- ゾール◥
- 01:30:42
- 「かくあるべし……か」
- 01:31:05
- 同じタイミングで見やると、いつしか共にしたことのある女性の姿。
- アプリル◥
- 01:31:08
- オフなので鎧は身に着けていない。店内を見やると、見知った顔―――ゾールソモーンが視界にIN。
- ゾール◥
- 01:31:28
- 「ああ、アプリル」 緩やかに手元で手を振る。
- アプリル◥
- 01:32:38
- 「あら、ゾルソモさん! こないだぶりです!」底抜けに明るい表情でぶんぶん、と手を振った。
- ゾール◥
- 01:32:50
- 「……そうね。こちらも、今やってることで、自分の道が開いてるといいわね……」 ふう、と小さくため息しつつ。
- ルシア◥
- 01:32:55
- 「お知り合いでしたか」 私も見たことはあるような気はするが、きっとあれは冬の過ちだ。
- ゾール◥
- 01:33:01
- ?
- ルシア◥
- 01:33:25
- 「何かお悩みの事があれば、相談には乗りましょう」
- アプリル◥
- 01:33:31
- 「……と、そちらの方は…」あれ?なんだか見覚えがあるような……
- ルシア◥
- 01:33:51
- 「どうも」 小さく会釈を返した。>アプリル
- ゾール◥
- 01:33:51
- 「相変わらずね。この間はお疲れ様、帰りに色々やれて良かったわね」 控えめに微笑む。>アプリル
- 01:35:34
- 「……悪い気がする。私の話を聞いて何をというよりも、ルシアが何かあるなら……」
- 01:36:27
- 「結果、相談までとは言わずとも、話を聞くぐらいなら。」 できないだろうか、とルシアへ。
- アプリル◥
- 01:36:29
- そのへんにいた店員さんに注文を済ませると、ずんずんとゾールソモーンとルシアの座るテーブルに近付きつつ。「そうですね! また皆さんとご一緒出来るといいですね! 今度はお鍋を囲んでみるのもいいかもしれません!」良い店見付けたんですよ、とかいいつつ。
- ルシア◥
- 01:36:49
- 「悪いも何も、神官とは悩める方の相談に乗る事も務めのひとつなのです。普段から、神殿を訪れる方の相談に乗ってもいるのですよ」
- 01:37:49
- 「私の方は別に、悩みなど……。取り留めのない考え事はしていましたけれど」
- アプリル◥
- 01:37:54
- 「―――あ、ご一緒してもいいですか?」ルシアに(本人なりに)控えめに問い掛けつつ。耳には天候神の聖印が揺れている。
- ゾール◥
- 01:38:15
- 「ああ……結局鍋を皆で、という感じではなかったわね。また、そういう事ができたらいいと、私も思ってる」 アプリルにそう頷いた。
- ルシア◥
- 01:38:17
- 「構いません。彼女のお知り合いのようですしね」
- ゾール◥
- 01:38:27
- 頷く。
- アプリル◥
- 01:38:35
- 座る。
- ルシア◥
- 01:38:59
- 「始祖神ライフォスに仕える神官ルシア・ビスカイノです。以後お見知りおきを」 胸元に身に着けた始祖神の聖印を示しながら、軽く微笑んで名乗った。
- ゾール◥
- 01:39:34
- 「ま、まあ……ええ。ずっと聞いている側もどうなのだろうと、なんとなく思ったから……」 それに、ここへ来る時になんとなく気になったから、とは言わずに。
- アプリル◥
- 01:40:40
- 「あ、ええっと…… 風と雨の女神フルシルさんの神官をやっています、アプリルです! よろしくお願いしますね!」小首を傾げながら、満面のスマイル。
- ゾール◥
- 01:40:42
- 「悩みに似たような感じもしなくはない、それは」 取り留めのない考え事ときいて。
- ルシア◥
- 01:41:22
- 「人の悩みに応える際には、自戒も込めて回答する事も多いですから、案外“聞いているだけ”という事もないのですが……」
- 01:41:58
- 「そう、ですね。悩みではないにせよ、答えの出ない堂々巡りの思考を繰り返していたのは確かかもしれません」
- 01:43:19
- 「フルシルですか。確か、起源はアルフレイム大陸の小神でしたね」
- アプリル◥
- 01:43:22
- 「―――ン、ありがとうございます!」注文した紅茶を受け取ると、店員さんにぺこりと頭をさげ。空色の髪がさらりと舞う。
- ゾール◥
- 01:44:17
- 「……」 それなら、こちらの何かを口にして、ルシアに言いづらいことを言わさず、密かな助けになれればよかったのだろうかと、そう思いつつルシアを見て。
- アプリル◥
- 01:44:38
- 「はい、そんな感じです! お詳しいですね、ルシアさん!」「……ライフォスさんは、とても有名ですからみんなご存じですけど、フルシルさんは結構マイナーで…… いえ、実際にマイナーゴッドなんですけど」
- ゾール◥
- 01:45:13
- 「無理に、とは言ってないから」 そう緩やかにルシアに頷く。
- アプリル◥
- 01:45:27
- 「っと、お話の邪魔をしてしまった……ような?」神妙そうな二人の顔を見比べつつ。
- ルシア◥
- 01:45:28
- 「そう難しい顔をなさらずに。珍しく人恋しいと思っていた所に話しかけてくださっただけでも、十分な助けになりましたから」
- 01:46:09
- 「深刻な話をしているわけではありませんよ。きっと、彼女と私の性格のせいでしょう」 ついつい神妙な空気が漂ってしまうのは。
- ゾール◥
- 01:46:34
- 「フルシルは確かに、少なくともこの辺りではメジャーな神様ではなかったような……あ、と。私は大丈夫……そう、私は、その、大体……こんな感じだから」
- ルシア◥
- 01:47:14
- 「神に仕える立場として、広く神々の事を知っている必要がありますから」
- 01:48:20
- 「特に私は、ライフォスの教えを広めるためにこの大陸を訪れた身……。他神の教義も十分に理解していなければ、始祖神の教えを広める事はできません」
- アプリル◥
- 01:48:23
- 「あ、そ、そうなんですか…? ご、ごめんなさいわたしこそ、こういう性格でして……」所在無さげに頬をぽりぽりと掻いて。」
- ゾール◥
- 01:48:49
- 「なんとなく、気苦労というか……簡単に言えば、浮かない感じだったから、気になってしまって」 そう白状しつつ、 「僅かな助けにでもなっていたなら、何より」 >ルシア
- ルシア◥
- 01:49:57
- 「良いのではないですか。私たちだけでは、あまりに静かになってしまうでしょうし」 あまり騒がしくしないなら、多少賑やかしがいる事そのものは悪くはない。
- アプリル◥
- 01:49:58
- 「な、なるほど……! わ、わたしと違ってちゃんとした神官さんだ……」
- ゾール◥
- 01:50:24
- 「し、神官にも色んな方がいるわ」 ここへ来てよく思うことだ。
- ルシア◥
- 01:50:35
- 「……ああ、少し疲れていたのかもしれませんね。郷里より、お世話になった方が見えるということで、その歓待の準備に追われていましたから」
- アプリル◥
- 01:51:39
- 「あ、あはは…… よく言われるんですよわたし、空気読めないとか無駄に口数が多いとか…… どうしてもわたし、お喋り好きな性分なもので…!」
- ルシア◥
- 01:51:40
- 「ちゃんとした神官……、私はそう見えますか」
- ゾール◥
- 01:52:16
- 「きょうり……故郷。そう……それは、大変なことね」
- アプリル◥
- 01:52:25
- 「少なくとも、わたしよりは全然! なんだかビシっとしてるし、年もそんなに変わらないように見えるのに、しっかりしてそうだなーって……」
- ルシア◥
- 01:53:32
- 「神官とはかくあるべし、そしてそう在ろうとしている――あるいは演じているからでしょう」
- ゾール◥
- 01:53:32
- 「かくあるべし……そうね。そういったイメージには、則ってると思う」
- アプリル◥
- 01:54:32
- 「演じて――るんですか? でもそれって、誰に対してですか?」
- ルシア◥
- 01:54:35
- 「昔……それこそ故郷に居た頃は、私も空気が読めない、余計な言葉が多いと言われたものです」
- ゾール◥
- 01:54:38
- 「……本当は、不本意……いや」 そのように踏み込んではいけない、と首を横に奮って。
- 01:54:49
- ふるう!
- アプリル◥
- 01:55:24
- 紅茶を一口。特に他意もなく物怖じもせず、純粋に疑問が口からついてでる性分である。
- ルシア◥
- 01:55:48
- 「誰に対して……ですか? ……あまり考えた事がありませんでしたね。ただそうすべきだと思っているのは確かなのですけれど」
- 01:56:18
- アプリルに答えると同時に、ゾールソモーンに対しても不本意ではないはずだという意味を込めて返した。
- ゾール◥
- 01:56:33
- 「………」 全く同じ、というわけではないが、なぜだか自分の昔をどうしても思い出してしまって、言葉を詰まらせた。
- ルシア◥
- 01:58:11
- 「……ゾールソモーンさん、どうかされましたか?」
- ゾール◥
- 01:58:39
- その言葉を聞いて、妙な思い過ごしなのだろうと、脳裏にあったイメージを消すように紅茶を一息に飲み干す。
- アプリル◥
- 01:58:55
- 「うーん、確かにわたしみたいなおバカだと、神官っていうイメージも落としちゃいそうで―――ライフォスさんの神官なら、なおさらなんでしょうけど…… でも、ずっとそうだと疲れちゃいません? って、いけないわたし、また余計なお世話しちゃってる……!」ぽか、と自分の頭を軽く叩いて。
- ゾール◥
- 02:00:22
- 「大丈夫。嫌な思い出が不意に過ぎっただけだから」 些細なことだと言って。>ルシア
- ルシア◥
- 02:00:54
- 「確かに、神官――特に古代神のそれともなれば、それに相応しい立ち振舞が求められるものではあります。……私の場合は、特にそうし続けているからと、疲労を感じた事はない――はずです」
- 02:01:34
- 「……そうですか。すぐに流せるようなことであるのなら、それで構わないのですが」
- ゾール◥
- 02:02:54
- 「……特別神官らしくない、とはやはり思えない」 とアプリルを見て言う。
- アプリル◥
- 02:03:44
- 「むむむ…」ルシアのまるで自分に言い聞かせるような語調に。「本当ですか…? 疲れてないならいいんですけど…… あ、そうだ! 疲れにはハーブティーとかオススメですよ! 例えば……ジンジャーとか、ハイビスカスとか……」
- ゾール◥
- 02:04:05
- 「まあ……私は、ドワーフらしくあるべきことを求められていたし、そうあろうとしたかった、だけだから。」 多少でも聞いて、自分のことを話さないのもなんだと思って、ルシアにそう返した。
- アプリル◥
- 02:04:41
- 「そ、そうですか? 何だかそういう風に認められると……ちょっと照れちゃいますね」ポジティブな言葉をかけられると嬉しいようで、笑みがこぼれた。
- ゾール◥
- 02:05:54
- 「少なくとも私はそう思ってる」 小さいながらも確かに頷いて、 「そういった紅茶はリラックスしやすい。ここで取り扱っているかは……実はよくは知らないけれど」
- ルシア◥
- 02:06:14
- 「大丈夫、休息はきちんと……」 と答えようとした所で、ゾールの言葉が耳に入る。 「らしくあることを、求められた……」 不意に表情を微かに歪ませ、口元を手で押さえた。
- アプリル◥
- 02:06:43
- 「でも、ゾルソモさんもすごいじゃないですか! ほら、この間の……ゾルソモさんの魔法の、すごい炎といったら!」
- ゾール◥
- 02:07:06
- 「……ルシア?」 そういった変化を見て、小さく名を呼ぶ。
- アプリル◥
- 02:07:23
- 「―――ルシアさん?」
- ルシア◥
- 02:07:47
- 「……ああ、すみません。私も少し、嫌な事を思い出してしまって」
- ゾール◥
- 02:08:31
- 「……ご、ごめんなさい」 気のせい、ではなかったのだろうか。
- ルシア◥
- 02:09:18
- 「やはり郷里の……それもそれなりにお世話になった方にお会いしたせいでしょうか。どうも神経質になってしまっているようです」 表情をリセットするように小さく頭を振った。
- アプリル◥
- 02:09:23
- 「ま、まあそんなコトもありますよね! で、では、楽しいお話をしましょう! そうすれば、嫌な思い出なんてすぐにどこかへ行ってしまうってなもんです!」
- ゾール◥
- 02:10:44
- 「大きく気を使う人物相手なら、そう、でしょうね……神官の上下というものはよくわからないけれど。」
- ルシア◥
- 02:11:08
- 「楽しい、話……」 アプリルの言葉を反芻して、自分の胸にある“楽しい話”を思い起こそうとした。
- ゾール◥
- 02:11:41
- 「む、無理に思い起こそうとしなくていい」
- アプリル◥
- 02:12:20
- 「ル、ルシアさん…?」ただならぬ様子に、さすがにちょっと心配になって、顔を覗き込んだ。
- ゾール◥
- 02:13:15
- 飲んでいた紅茶とは別で、手付かずだった、水の入ったコップをルシアの前に差し出す。
- ルシア◥
- 02:14:00
- 「……難しい、ですね」 口元を再び手で覆って、何かを吐き出しそうになったのを抑えた。
- 02:14:48
- 「……大丈夫。余計な事まで思い出してしまっただけです」 ゾールには空いた方の手のひらで制して、大丈夫だと示した。
- ゾール◥
- 02:15:21
- 「……そう」 おずおずとコップを掴んで、ゆっくりと引き戻した。
- アプリル◥
- 02:15:53
- 「……ええっと… その、大丈夫ですよ。此処に居る方はみんな優しいですから、不安に思うようなことは何も……」ちょっとおろおろしつつ。
- ルシア◥
- 02:17:10
- 「……不安に思っているわけではないのです。ただ、嫌な事を思い出した。それだけなんです、本当に」
- アプリル◥
- 02:17:15
- 「ほ、ほら、イケメンの男性も多いですし! 女子としては実に眼福ですよね! あ、美人さんも可愛らしい方も、です!」
- ゾール◥
- 02:17:44
- 軽率だったと、心の中で苦い顔をしている。
- ルシア◥
- 02:19:49
- 「……ふふ、そうですね。顔立ちの整った方が多くて――……」 此処の冒険者たちを始めとして、それに該当する人物の顔を次々に思い浮かべていって……一瞬酷く顔を顰めると、目を伏せてそれを振り払った。
- アプリル◥
- 02:19:58
- 「ルシアさんもすっごい美人さんですし! ゾルソモさんも実に可愛らしいですし!」必死に話題逸らし。
- ゾール◥
- 02:20:12
- 「アプリル、その気分転換方法は、タイプにあってない、というか」 妙にうろたえて。
- ルシア◥
- 02:20:29
- 「……すみません。どうやら自分で思っている以上に、疲労が溜まってしまっているようです」
- アプリル◥
- 02:20:57
- 「あ、あの…… 本当に、無理しないでくださいね! わたしで出来ることなら、何でも力になりますし……」
- ゾール◥
- 02:21:58
- 「いえ……私程度で推し量れるものではないぐらい、背負っているのだと思った」
- ルシア◥
- 02:22:13
- 「ありがとうございます。でも、大丈夫ですよ。今までだって、上手くやってきたんですから」
- ゾール◥
- 02:22:22
- 背負ってるとは違うかなと思いつつ、該当する言葉はそうとしかでてこなくて。
- ルシア◥
- 02:22:59
- 「……折角の会話の空気を壊してしまってすみません。このお詫びは、いつか必ず」
- ゾール◥
- 02:23:17
- 「誰にも……頼れない?」 呟くようにルシアに。
- 02:23:33
- 気にしないで欲しいと、首を横にふる。
- アプリル◥
- 02:24:57
- 「……わたしはルシアさんとは今日が初対面(?)ですけど、これでも神官の端くれですから! 力になれることなら、いつだって……声を掛けてくださいね!」
- ルシア◥
- 02:25:26
- 「……調和を尊ぶ始祖神の神官が誰にも頼れない、では笑い話にもなりませんよ」
- 02:25:41
- 小さくゾールに返して、アプリルには礼を述べるように頭を下げておいた。
- 02:26:10
- 「……まだ職務も残っていますし、今日はこれで失礼します」
- アプリル◥
- 02:26:35
- 「大丈夫ですか? 送りましょうか…?」
- ルシア◥
- 02:26:52
- 「またお会いしましょう。その時は、もう少し神官らしい振る舞いを見せられるようにしておきます」
- 02:27:05
- 「大丈夫ですよ。歩き慣れた道ですから」
- アプリル◥
- 02:27:26
- 「あ、あはは…… わたしも、ルシアさんを見習ってちょっとは神官らしくしないとですね……!」
- ゾール◥
- 02:28:15
- 「……どうか、……無理しないで」 適切な言葉が浮かばない。つきなみの言葉を、立ち上がるルシアへとかけた。
- ルシア◥
- 02:28:53
- 2人へ会釈すると、背を向けて店を後にする。
- ◥
- 02:29:21
- テーブルに残された食器には、まだ半分以上の食事が残っていた。
- SYSTEM◥
- 02:29:23
- 様が退室しました。
- アプリル◥
- 02:29:24
- 「う、ううん…… ちょっと心配、ですね」
- ゾール◥
- 02:30:00
- 「…………はあ。やはり余計なことを言った」 こめかみを指でおさえ、ため息。
- アプリル◥
- 02:30:24
- 「ええっと…… ゾルソモさんは何かご存じなんですか?」
- ゾール◥
- 02:30:27
- 「心配だけど、ちょっと、適切に干渉できそうにないから……」
- 02:30:45
- 「いいえ。私、彼女に出会うのはこれで二度目」
- 02:31:31
- 「でも、なんだか……その。こういうのもなんだけど、少し、自分と似たような部分を見たような気がして」
- アプリル◥
- 02:32:02
- 「むむむ……」心の傷、ってやつでしょうか。二の句が紡げず押し黙ってしまう。
- 02:32:54
- 「似た部分……というと?」恐る恐る問い掛ける。
- ゾール◥
- 02:33:00
- 「自分の悩みというか、生来というか……ね。言おうか、言わまいか、判断しかねてて。……迂闊に言ってしまったなと」
- 02:33:53
- 「うーん……あまり、やすやすと言うべきではないかなと、思ったけれど」
- 02:35:02
- 差し出していたコップの水を飲み干して、
- アプリル◥
- 02:35:03
- 「あ、言いにくいなら全然…! わたしに言ったところで、何の解決もできないとおもいますし……!」
- ゾール◥
- 02:35:43
- 「いい。解決してほしいと、思っているわけじゃないから。頼りにしていない、という意味でもないから……」
- 02:37:30
- 「彼女の言っていた、かくあるべき、というのがね。私も、そのように求められていたことがあったな、と勝手な事を思った程度のことよ」
- アプリル◥
- 02:37:34
- 「そ、そういうのはもっと、大事なひと、というか親密なひとのほうがいい、とおもいますし……」「でも、話すことでちょっとは楽になるなら、助けになりたい、というのも本当でして……」
- 02:38:14
- 「求められていた…… それはつまり、誰かの偶像として、ということでしょうか…?」
- ゾール◥
- 02:38:44
- 「どう、かしらね。その辺りは、私と彼女とでは違うかもしれない」
- 02:38:56
- そう言っている間にも、自分の分は食べ終わっている。
- 02:39:40
- 先にと、ルシアの食べ残したそれぞれを、カウンターへと片し始める。
- アプリル◥
- 02:40:03
- 「まあ、わたしだって神官として『かくあるべき』像ってのはあるんですけど…… そういうのって、他の人から求められるものじゃなくて……自分が納得できれば、それでいい―――なんて、そういう考え方、ダメでしょうか?」
- ゾール◥
- 02:42:24
- 「…………」 アプリルの言葉を聞いてゆっくりと手を止め、ああ、最近似たような言葉を……と思いを馳せ。
- 02:43:39
- 「……ごめん。頭の中に、入ってこない」 小さく首を横にふり、残る自分の食器も片していく。
- アプリル◥
- 02:45:04
- 「だって、どう演じ取り繕ったって、自分は自分でしょう? 本当の意味で誰かのための『誰か』になんて、なれないと思うんです。『自分』のままで、誰かを救えばいい―――って…… あ、ごめんなさい…」やっぱりずけずけとモノを言ってしまう。自分の悪いくせだ。
- ゾール◥
- 02:45:07
- 「ありがとう、アプリル」 そうして一段落がついて、アプリルに向き直って言った。
- アプリル◥
- 02:46:11
- 「あ、ええっと…… その、別にゾルソモさんにお礼を言われるようなことは……」
- ゾール◥
- 02:46:27
- 「……」 ちょっと、違うの、とは言わずに。細やかに笑んだ。
- アプリル◥
- 02:47:04
- 「あ、あはは……」微笑みを向けられると、ちょっと照れくさそうな笑みを返した。
- ゾール◥
- 02:48:03
- 「気遣ってくれているだけでも。話を聞いていてくれるだけでも。程度の差というのはあってもね、向けられた気持ちに対して感謝していないわけじゃない……少なくとも、私は。」
- 02:49:34
- 「……柄にも無いことを言ったような気がする。アプリル、また……落ち着いた時に、お話しよう」
- 02:50:02
- ふい、とアプリルから顔を背け、階段へと向かっていく。
- アプリル◥
- 02:50:25
- 「そんな、感謝なんて…… 神官としては、当たり前のことですから」「ええ、またお話しましょうね!」ぶんぶんとゾールソモーンの背に手を振った。
- ゾール◥
- 02:51:37
- 「じゃあね、アプリル」 ひら、と一度手元で手を揺らして、自分の部屋へと戻っていった。
- SYSTEM◥
- 02:51:46
- 様が退室しました。
- アプリル◥
- 02:53:08
- 「うーん…… こういうとき、何の力にもなれないのは歯痒いものですね…」ふう、と溜息をつき。
- 02:54:35
- 「力で物事を解決するのは得意なんですけど、心の問題となれば、ことはそう単純ではありませんからね……」
- 02:55:58
- 「わたしに出来ることは……… ……」
- 02:56:54
- そして夜は更けていった。
- 02:56:57
- 完
- SYSTEM◥
- 02:57:00
- 様が退室しました。
- ◥
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発言統計 |
その他(NPC) | 207回 | 98.1% | 9823文字 | 98.6% |
| 4回 | 1.9% | 142文字 | 1.4% |
合計 | 211回 | 9965文字 |