文字:

20190227X_0

2019/02/27
SYSTEM
01:08:10
 様が入室しました。
SYSTEM
01:08:28
 様が入室しました。
 
01:08:38
何処なんですかここ、私一体何のために呼ばれたんですか
 
01:09:16
すぐにわかる(わかるとはいっていない)
 
01:10:17
うむ
TOPIC
01:11:02
王都イルスファール商業区 王城前広場 by  
 
01:13:15
ここは王都イルスファールの中心。目の前には王城が聳え建ち、周辺には各省庁の建物が並ぶ紛れもない一等地だ。
01:15:45
北側には大店が軒を連ねる王城前の広場には噴水が設けられ、市民たちの憩いの場になっている。
01:17:58
あちこちに屋台が出ているが、一般住宅街に出店しているものとは一回りも二回りも質が違う。
01:21:07
軽食を扱う店、飲み物を扱う店、切り花を売る店、様々な店が並ぶ。どの店も声高に呼び込みなどせずとも人が集まってくるような知る人ぞ知る店揃いだ。
01:22:23
そんな人気の屋台の隙間にぽつんと小さなカートで店を出す飴売りの老人が一人。
01:24:12
扱っているのは花の蜜から作ったという飴が一種だけ。見た目も地味で客足は遠い。
01:27:39
店主の老人は愛想良く応対するものの、肝心の飴も花の香こそ芳しいもののいかにも野暮ったい味をしているというのもその一端を担っているだろう。
01:28:39
にぎわう周囲から切り離されたような空間がそこに生まれていた。
01:30:22
太陽は中天にあり、省庁の役人たちが昼休みの食事などを求めて屋台に群がるそんな中、《君》が向かった先は――
01:30:41
 
老人
01:32:11
「いらっしゃい、花の蜜で作った飴はいかがかな。とろけるように甘く、幸せな香りに包まれる飴だよ」老人は気の良い笑みを浮かべて客を出迎える。
シア
01:34:07
よく手入れされた銀灰色のロングヘアを靡かせた、人形のような美しさの少女が、人の合間を縫ってそこへと辿り着く。
01:34:52
行き交う人々に負けじと質の良い衣装に身を包んだ少女は、傍目から見れば良家の令嬢にも見えるだろう。
01:35:24
「……一杯。これに」 屋台を挟んで店主と向き合うと、空の瓶を差し出した。
老人
01:39:06
「おや、瓶を持ってきてくれるとは用意が良いお嬢さんだ。ははは、参ったな、瓶代で儲け損ねてしまった。」老人は朗らかに笑いながら差し出された空の瓶を受け取ると、とろりとした花蜜の飴を柄杓で掬って流しいれた。
01:39:46
この老人は『』の一人だ。(サイス)と呼ばれている。
01:42:19
麻薬・人身売買を扱う非合法の組織の幹部の一人。その中でも暗殺者を育て、使役する事に長けた一派を束ねている。
シア
01:42:37
「……」 こくりと頷いて、飴に満たされた瓶を受け取り、代わりに銀貨などが入った袋を差し出した。 「ん……」 受け渡しを終えると、屋台に軽くもたれ掛かりながら、指で飴を掬い取って口に含んだ。
老人
01:44:32
「これはオマケだよ。皆には内緒だよ?」固形の飴が入った小瓶がコトリと台の上に置かれた。飴の内部にはとある薬が埋め込まれている。
シア
01:46:35
「それ、美味しいから好きよ」 薄い表情の口元を微かに動かして、笑みとも言い難い笑みを浮かべると、その小瓶を手に取って上機嫌に透かして見た。
老人
01:48:07
「あまり食べ過ぎてはいけないよ。を悪くしてしまうからね」
シア
01:50:26
「私の葉は丈夫よ」 早速ひとつ、小瓶から飴をひとつ取り出し、口に含んだ。
01:50:49
「余分な枝を折るくらいに」
老人
01:51:09
「最近はゴブリンがどうこうって随分と騒がしかったけど、うちの婆さんの騒がしさに比べたらどうって事も無いと思うんだ。」
01:53:27
老人は同じ幹部である『根』の一人と対立関係にある。ニルンと呼ばれているその老婆はここイルスファール王国内で暗躍している。
シア
01:53:40
「……」 小さな口をむぐむぐと動かし、飴を頬張る姿は周囲の人間には微笑ましく映るだろう。 「……っは、あ……」 その見た目とは裏腹に、恍惚とした吐息にはただ美味に感激しているだけではない妖しさがあるのだが。
01:54:55
「お婆さんが、枝を折ったのね」 そういう風に見せかけておけばいい。事実そうした。この国の人間たちが把握している“庭”は、主にそちらなのだから。
老人
01:58:06
「ああ、困ったものだよ。癇癪持ちでね、長年連れ添っているから慣れてはいるんだけれどねぇ」老人は好々爺の笑みで連れ合いの事を語る。その目の奥底に宿る冷徹な光は常人では読み取る事すら出来ないだろう。
02:00:50
「あれももう歳だ。庭いじりもそろそろ止めさせないと、いつか大けがをしてしまいそうだ」
シア
02:01:06
「……そう。でも、ダメよ。大事にしてあげないと。もう長くはないんだから」 口の中で飴を転がしながら、老人とはまったく別の方向を見たまま言葉を紡ぐ。視線は行き交う人々を漫然と見ているようで、その一人ひとりを具に値踏みしている。
02:03:00
「ダメになった葉は、根を腐らせるわ。お婆さんが、それを何処まで理解しているかは、分からないけど」
老人
02:05:49
「お嬢さんは賢いねぇ、うちのあれと違って聞き分けも良い。良かったらうちの庭の掃除を少しばかり手伝ってはくれないかね」
02:07:05
「もちろん、お駄賃は弾むよ。といっても、私があげられるのは特製の飴くらいだがね」
シア
02:08:27
「……飴のお礼。いいわよ」 すっかり小さくなった飴を噛み砕いてごくんと呑み込んで。 「王都(ここ)には、パトロン(優しいおじ様)も沢山いるわ」
老人
02:11:19
「それは何よりだ。人付き合いは大切にするといい。いざという時にきっと助けになってくれるだろうからね」にっこりと微笑んで
02:12:11
「その人たちにもうちの(くすり)を宣伝してくれたら私も嬉しいね」
シア
02:13:42
「……しておくわ、しっかり。私のお金が浮くもの」
02:14:43
「……ああ。お手伝いは、いいけれど」
02:15:02
「落ち葉掃きなんかがいいわ、偶には」
老人
02:15:22
「うん?なにかな?必要な道具があればこちらで用意しよう」
02:17:09
「ああ、良いとも。丁度、落ち葉の溜まっている場所があってね、そのうち掃除をしようと思っていたんだ」
シア
02:17:13
「乾いてしまいそうなの。私の葉にも、(みず)をあげないと」
02:17:20
「……そう」
老人
02:21:03
「私はね、丹精込めて育てた枝葉が瑞々しく輝く様を見るのが好きでね」
シア
02:22:06
「……そう。私は、枝を手折る時、落ち葉を掃く時の方が好き」
02:22:31
「……でも、葉も落ち葉も、声を出さないから、そこは少し」 物足りないわ。
老人
02:26:39
「はっはっは、葉っぱが声をあげ、ものを思うようになったら庭が騒がしくてたまらないよ」
02:27:27
「枝葉は瑞々しく輝くことで庭師に応えてくれればそれでいい。」
シア
02:29:10
「……そうね。ごめんなさい、我儘を言ったわ」
老人
02:30:28
「賢く綺麗好きのお嬢さん、うちの婆さんのようになってはいけないよ。」
シア
02:31:32
「……草で、葉で、花よ、私は。根にはならないわ」
老人
02:37:46
「そうかね。根も面白いものだよ。土の中でみんなを支える大事な役割だ。」
シア
02:39:56
「合わないわ、私には。今の方が、楽」 そう言うと、凭れていた背を離して、人混みの中の一人に視線を向けた。 「行くわ。迎えが来た」
老人
02:40:27
「掃除の件は後で手紙を送らせてもらおう。もちろん、君の大好きな飴も一緒に」
02:41:27
「さようなら、良い休日を」
シア
02:41:42
こくりと頷いて。 「さようなら。またね」
02:42:15
振り返る事なく屋台から離れ、”おじ様”と共に人混みの中へと溶けるように消えていった。
SYSTEM
02:43:20
 様が退室しました。
老人
02:43:42
「……」老人は穏やかな笑みを貼り付けたままその背中を見送った。
02:44:56
「いらっしゃい、花の蜜で作った飴はいかがかな。とろけるように甘く、幸せな香りに包まれる飴だよ」そして再び日常(虚構)に戻るのだった
 
02:45:35
 
02:47:29
後日、イルスファール王国より西、ルスルリアン王国のとある施設で暮らしていた少年少女の一部が何者かの手によって殺害された。
02:48:02
遠く離れた地での出来事ゆえ、その話が王都に届く事は無かった
SYSTEM
02:48:07
 様が退室しました。
発言統計
その他(NPC)49回75.4%2662文字81.7%
 16回24.6%598文字18.3%
合計65回3260文字