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20190301Y_0

2019/03/01
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様が入室しました。
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 様が入室しました。
 
00:15:39
開幕はお任せしました
00:15:48
はーい
TOPIC
00:16:03
<星の標> 昼 by
00:16:55
ある日の午後──
00:17:53
少しご飯時からズレた時間に食事を取るものがいた。
シータ
00:18:54
「…………」
00:19:40
フォークとナイフを進めるも、どこか止まってしまう。
ジャンヌ
00:21:22
そんなやや静かな店に、乾いたドアベルの音が響く。
シータ
00:21:23
前回の魔域調査から数日。暫く冒険には出ていない。
00:21:57
しかし今でも、思考を止めればあの悲鳴が聞こえてくる。
00:22:56
絶望と恐怖に怯える悲鳴。助けを求める声。それに頭を支配されていく。
00:23:33
「……っ…」カラン、とナイフを落としてしまい。
ジャンヌ
00:23:45
いつもの堅牢な鎧ではなく、シックな色合いの平服に身を包んだ娘が、大きな荷物を抱えて店へと入ってきた。
00:24:26
「ふう――」 とても普通の女性には持てないような大荷物をカウンターのそばまで持っていくと、ようやく視界が明瞭になり、改めて辺りを見回した。
00:24:46
「……あら?」 と、そこで丁度食器が落ちた乾いた音が聞こえて、そちらを見やる。
シータ
00:24:56
落としたナイフを拾うこともせず、頭を抱える。
ジャンヌ
00:25:37
その様子を見て、カウンターのガルバに何か話しかけてから、シータの方へ近付いていって。
00:26:12
「シータさん、こんにちは」 す、と横からガルバから受け取った新しいナイフをお皿の端に置いた。
シータ
00:26:12
やがて悲鳴はどんどん大きくなっていき──
00:26:21
「──っ!」
ジャンヌ
00:26:36
「あ、ご、ごめんなさい……。もしかして、驚かせてしまいましたか……?」
シータ
00:26:40
何処か怯えた表情でジャンヌを見やる。
ジャンヌ
00:27:46
「……?」 その表情を見ると、心配そうに少ししゃがんで。 「大丈夫ですか? 体調がお悪いのでしたら、神殿にお連れしますが……」
シータ
00:28:14
「ジャ、ジャンヌ……?いえ、大丈夫……よ」
00:28:29
と言っても信じてはもらえなさそうだ。
ジャンヌ
00:29:12
「その割には、随分と顔色も悪く見えます。食事もあまり進んでいないようですし……」 しゃがんだついでに、落ちたナイフを拾って、布を敷いてからテーブルに置いた。 「隣、失礼してもよろしいですか?」
シータ
00:30:40
「え、ええ。いいわよ」
ジャンヌ
00:31:40
「ありがとうございます」 微笑んで返してから、同じテーブルに着席して。 「ううん、ご病気ではなさそうですが……」 じーっとシータの顔を覗き込む。
シータ
00:33:25
「な、なにかしら」顔を見れば落ち着きがないのが分かるだろう。瞳孔も開いている。
ジャンヌ
00:34:44
「病気でないとなると、何かにお悩みでしょうか」
シータ
00:37:55
「……いいえ、そんな……」暫く黙り込んで「……いえ、その通りね」
ジャンヌ
00:38:59
「普段のシータさんの様子とは、全然違いますから。いくら私が鈍感だからといって、流石に見逃しませんよ」 少しでも緊張感を解すようにと、冗談っぽさを交えて。 「私でよければ、お話を聞かせていただきますが……」
シータ
00:39:15
「……話、聞いてくれるかしら」少しでも楽になりたい一心でジャンヌにもちかける。
ジャンヌ
00:39:28
「ええ、聞かせてください」
シータ
00:40:53
「この前、依頼で魔域に行ったのだけれど──」
ジャンヌ
00:41:39
「…………」 姿勢を正し、しっかりと耳を傾ける。
シータ
00:42:38
「中を進む度に人の悲鳴が聞こえてきて……私、慣れてないから、怖くって……」
00:42:57
「作り物だと分かっていても……頭から離れてくれないの……」
ジャンヌ
00:43:31
「人の悲鳴……。魔域ならば、それは凄惨な光景だったのでしょうね」
シータ
00:43:45
頷く。
ジャンヌ
00:44:25
「魔域の中の光景というのは、誰かの意志や心を反映させたものになるという話を聞いた事があります」
00:45:18
「作り物、偽物だと割り切って感情と切り離して考えるのは……なかなか難しそうですね。私にも、ちょっと自信がありません」
シータ
00:46:28
「あんな事を、望んでいるのが──」顔色が悪ければより悪くなるだろう。
ジャンヌ
00:47:32
「魔域の中に居る何者かが、それを望んでいるかどうかは分かりません。……心に強く残ったものは、必ずしも良い思い出や、その者が望んでいる事でもないでしょうから」
00:47:54
「ともあれ……シータさんにとっては、とても辛い経験となってしまったのですね」
シータ
00:49:04
「こういう時、どうすればいいの……?私、わからないの……。ずっと、頭に残ってるから……」
00:50:04
縋るようにジャンヌを見る。夜も悩まされていたのだろう、若干くまが出来ているのがわかる。
ジャンヌ
00:51:02
「……ううん、そうですね……」 その様子を見ながら、口元に手を当てて考え込む。 「きっと、一番スマートなのはそういう事もあるのだと割り切ってしまう事なのでしょうけど」
00:51:32
「……それは、私たちには少し難しいですよね」 自分もそれは無理だ、と言うようにちょっと困ったように笑って見せた。
シータ
00:53:23
「……」ああ、彼女は笑えるだけ強いんだな、と。
ジャンヌ
00:53:56
「そういう時は――そうですね……シータさんは、どうして冒険者になったのか、聞かせていただいてもいいですか?」
シータ
00:55:37
「理由……」これだけはハッキリしていた。「……この世界を、見る為よ」
ジャンヌ
00:55:46
「世界を見るため、ですか?」
シータ
00:56:35
「……生まれた頃の話になるんだけどね、私。本当はいいトコ育ちだったのよ」
ジャンヌ
00:57:12
「ああ。それはなんとなく。私とは違って、どことなく立ち居振る舞いがしっかりしていらっしゃいますから」
シータ
00:57:39
「でも親の躾で、外で遊ぶことも出来なくて、部屋でずっと一人きり。友達もいなかった」
00:58:28
「別に習いたくない事も習わされて……。だから……"外"に憧れたの」
ジャンヌ
00:58:49
「…………」 自分とは逆といってもいいくらいだ。光景を想像しながら話に耳を傾ける。 「見たことのないものを見たかったのですね」
シータ
00:59:41
そう。と頷き。「それから成人になって、家を飛び出したの」
ジャンヌ
01:00:22
「飛び出した……家出、ですか」
シータ
01:01:58
「……そうなるわ。でも、"外"がこんなに辛いなんて……知らなかった……」
ジャンヌ
01:02:51
「そうですね。私も事情は異なるとはいえ、自分の故郷を出て此処へやってきたという点では同じです」
01:03:22
「覚悟はしていたつもりですが、思っていた以上に、外の世界には色々な事に悩まされている方々がいらっしゃいます」
シータ
01:05:30
「……今じゃ、私もその内の1人になっちゃうわね」
ジャンヌ
01:07:10
「私は騎士神の啓示を受けて、そういう方々の助けになりたいと思って、村を出て此処へやってきたのですが――その意志と力が何処まで通じるのか、不安になる事があります」
シータ
01:07:52
「……」
ジャンヌ
01:08:01
「今も、どうすればシータさんの心を軽くして差し上げられるか、丁度いい答えが見つからなくて力不足を痛感している所です……」
シータ
01:08:26
「ジャンヌ……」
ジャンヌ
01:09:34
「もしかすると、そう悩んだ時に私たちがどうすべきかに対する絶対的な答えなど、ないのかも知れません」
シータ
01:11:18
「……そう、よね…」
ジャンヌ
01:11:28
「多分、冒険者稼業を続けている限り、辛い事を乗り越えた先に、またそれ以上に辛く、心を痛める光景に出会ってしまうでしょう」
01:11:37
「だから、そういう時は……そうですね」
シータ
01:11:51
分かってはいる。自分で乗り越えることでしか解決できないのだと。
ジャンヌ
01:11:59
「私だったら、出来る事をします」
シータ
01:12:27
「出来る事……?」
ジャンヌ
01:12:44
「辛い事、悲しい事を一人で乗り越えるのは難しいものです。だったら、“友達”と一緒に乗り越えましょう」
01:13:15
「その先にまた辛い事があれば、もっと多くの人たちにも頼って、乗り越えましょう」
01:14:36
「その手助け役が私では、ちょっと物足りなく思われるかもしれませんが……」 申し訳なさそうに苦笑して。 「辛ければ、気が済むまで泣いても大丈夫です。私の胸をお貸ししますから」
シータ
01:14:37
「頼って、乗り越える……」
01:15:44
ああ、やっぱり──、この人は──
01:16:40
「少しだけ……貸して頂戴……」
ジャンヌ
01:17:12
「ええ。少しと言わず、お好きなだけどうぞ。代わりに、私も悩んだ時は頼らせていただきますから」
01:17:35
「騎士神ザイアの使徒としてそれはどうかという意見は、ちょっと横に置いておきましょう」
シータ
01:18:47
「……ええ」言われる通り、ジャンヌの胸を借りる──
ジャンヌ
01:19:51
「ふふ、いらっしゃいませ」 ぽふっと、陽の光をたっぷり浴びた温かい匂いのする胸元へと抱き寄せて、優しく背中に腕を回した。
シータ
01:20:53
「……正直ね、ずっと怖いの。いつか私も冒険で死ぬんじゃないかって」
01:21:24
「皆の前ではあんな風でも……心の中ではずっと……そういう事を思っちゃって……」
ジャンヌ
01:22:16
「……大丈夫。私も同じです。ううん、きっと多くの人は、同じ恐怖心と戦いながら身を投じているのだと思います」
シータ
01:22:27
「我慢しなきゃ、我慢しなきゃってしているうちに……弱くなっちゃったのかな……」
ジャンヌ
01:22:57
「……我慢なんてしなくていいですよ。辛ければ辛い、悲しければ悲しい。ちゃんと口にしていいんです」
01:23:31
「それはきっと、弱さだけではありませんから。そうして認める事で、初めて見えてくるその先があるのだと思います」
シータ
01:25:02
「……間違って、ないのよね。弱くても……いいのよね……」
ジャンヌ
01:26:44
「ええ。少しずつ、一歩ずつで構いません。ゆっくり進んでいきましょう。時々立ち止まったり、後ろを振り返ったりしても、それは誰にも咎められる事ではありませんよ」
シータ
01:28:19
ジャンヌに抱きつく力が強くなる。それは、彼女が今まで我慢してきた分の恐怖だろう。
01:28:55
ぎりぎり、ぎりぎり、とジャンヌを締め付けた。
ジャンヌ
01:29:41
「…………」 キツく締め付けるようにしがみつかれても、表情は優しげなそれから少しも変えずに、ぎゅ、と安心させるように少しばかり抱きしめる手に力を込める。
シータ
01:30:26
暫くそのまま、時は流れ──
01:31:35
「──すぅ……」安心出来たのであろう。こんな時間にも関わらず寝てしまっている。
ジャンヌ
01:33:47
「あ、あら……ふふ、よっぽど気を張り詰めていたんですね」 寝息を耳にすると、ぽんぽんと一定のリズムで背中を叩いて。 「シータさんはどちらに宿を取っていらっしゃるのでしたか……。ガルバさんに聞けば分かるかしら」 彼女を起こさないよう、慎重に手を回してその体を抱きかかえる。
01:34:48
「今はゆっくりお休みください。おやすみなさい、シータさん」 そうして、すっかり寝入ってしまったシータを抱えて、彼女を部屋に送り届けたのだった。
 
01:34:55
 
01:34:56
 
01:35:02
とりあえずはこんなところでしょう!
01:35:05
ありがとうございました
 
01:35:15
お疲れ様でした( ˘ω˘)
01:35:26
これが噂のジャンヌセラピー
 
01:35:43
噂になったことは一度もないのでは……?
01:36:02
ともあれこちらは撤退しておきましょう。
01:36:03
初めてを……貰ってしまった……?
01:36:08
はい。
 
01:36:09
そうですよ。
01:36:15
お疲れ様でした。
 
01:36:17
お付き合いありがとうございました。
01:36:19
)))
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01:36:22
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