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2019/03/09
SYSTEM
15:10:16
 様が入室しました。
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15:10:34
 様が入室しました。
 
15:10:59
ではでは。
15:11:00
 
15:11:00
 
15:11:52
王都イルスファール、〈星の標〉。現在時刻は17時頃で、冬が終わり、陽が長くなってきたことを実感できる程度には、まだ明るい。
15:12:46
店内には人はそう多くはない。空いているテーブル席もカウンター席もいくつかあり、店内はやや静か、というくらいか。
シルヴェ
15:13:31
「……」 そんな店内で、窓際の席に座り、ぼうっとしながら窓から見える風景を見ている青年がいる。机の上にあるのはミルクが大量に含まれた紅茶だ。
15:14:04
牛乳入り紅茶というよりは紅茶入り牛乳と言った方が適切かもしれないが、ぽつんと置かれているのはそれだけだ。
15:14:46
特に何をするでもなく、何を言うでもなく。ただぼうっと、窓から空を眺め続けている。
クリスティナ
15:15:03
「今帰ったぞ」 ちょっとした仕事を片づけて、宿へと戻ってきた甲冑姿のドワーフ
シルヴェ
15:15:47
普段なら反応する、のだが。今日はその限りではない。いくつか聞こえて来る他者が発する音が、ただ一つ増えただけだ。
クリスティナ
15:16:24
「何だ、シルヴェストロか。――全く、また呆けおって。女に振られでもしたか?」 姿を見かけたなら、シルヴェの元まで寄って行き、近くに荷物を置いて隣の椅子に腰を下ろした。
シルヴェ
15:17:17
――……」 きょとん、とその様子を見る。驚いているというよりは、呆けている。シルヴェストロという言葉にもやや反応が遅れて、困ったように口を開く。
クリスティナ
15:17:50
「……なんだなんだ。本当にフラれでもしたのか?」 当たり前のように隣に居座ると、酒の注文を
シルヴェ
15:18:00
「……あ、えっと。……どちら様、でしたっけ」 店主のおっさんには知り合いに会ったら何と言えと言われていたのだったか。
15:18:11
ぐるぐる回る頭から絞り出されたのはそんな言葉だ。
クリスティナ
15:19:03
「はぁ? ……ん? はあ?」 一度目を丸くし、まあ聞き間違いか、と思って他所を向いた後、再びシルヴェに目をやって声を上げた
 
15:19:21
そんな時、クリスティナは一つ、こんなうわさを小耳に挟んでいてもいい。
15:19:49
曰く、星の標の大剣級冒険者の一人が、通り魔に襲われて記憶を失くしている、という眉唾物の噂だ。
クリスティナ
15:20:47
「……」 目頭を揉み、どうしたものかな、と考える
シルヴェ
15:21:05
「え、えーっと……シルヴェストロって僕、であってますよね?」 混乱は留まるところを知らない。喋る最中もずっと視線はあちらこちらへと向いている。
クリスティナ
15:21:44
「ああ、それに間違いはない。――何も覚えておらんのか?」
シルヴェ
15:22:08
「う、うん……」 そうして困惑していると、ガルバがカウンターから歩いて来る。
ガルバ
15:23:21
「……訳ありでな。手前の名前すら忘れてる様だ、原因は不明。怪我のせいだろうが……頭を打ったかと思ったが、傷は腹にしかない」 近付いてきて、そっとクリスに耳打ちする。
クリスティナ
15:23:57
「……なんとまあ」 呆れた表情でガルバへ"分かった"と返し、椅子に座りなおす
ガルバ
15:24:15
「仕事柄詳しくは話せんが――魔剣絡みの可能性もある。手を借りる事になるかもしれんな」 頷いて、そのままカウンターに戻る。
シルヴェ
15:24:51
「……だ、大丈夫かな」 去って行ったガルバの背中を見ながら、目の前に座る少女に視線を向ける。
クリスティナ
15:24:54
「分かった分かった。こやつについては他人事ではないしな。その時は付き合うとも」 ガルバへ言葉を返し、座りなおした。
15:25:19
「ぁあ? 大丈夫じゃないからああやってそなたのフォローに店主がやってくるのであろう」 苦笑ぎみに、シルヴェへ
シルヴェ
15:26:12
「……そう、ですよね」 一瞬だけ歯噛みしながら、その言に頷く。 「……ええと、お知り合い……だったとか……?」 恐る恐る。普段と比べて幾分か腰が低い様な、もしくは怯えている様な様子だ。
クリスティナ
15:26:52
「そうさな……んー」 困った。こういう相手はどうしたものか。少し考えて
15:27:17
「まあ、少なくとも他人ではなかった。が、記憶が無いなら、そなたにとってはもう他人であろう」
シルヴェ
15:27:58
「……、そう、なっちゃいますね」 小さく頷いて、その髪が揺れる。
クリスティナ
15:28:46
「ならば名乗ろう。私はクリスティナ。――盾の戦士、クリスティナだ」 トン、と自分の胸に手を当て、不敵に笑って名乗り上げる。
シルヴェ
15:29:38
「あ、えっと。……宜しく。クリスティナさん」 自分から名乗り返そうとして、それをやめる。この人達にとってのこの名前(シルヴェストロ)は、間違っても僕ではない。
クリスティナ
15:30:16
「ああ全く、まるで変りやしない。むしろ悪化しているのではないか?」 クック、と小さく笑い、
シルヴェ
15:30:54
「えっ」 悪化、と言われて表情が強張る。 「な、なにが……?」
クリスティナ
15:30:58
「そら、名乗れ赤子。そなたの名だと、いろんな人間から教わったであろう、自分の名を。名乗られたなら名乗り返すのは礼儀であろう」
シルヴェ
15:31:37
「……嫌です。それは、嫌だ」 かぶりを振って、それには応えない。
クリスティナ
15:32:10
「何故だ?」 不満そうに、ではなく、面白そうに聞き返す。
シルヴェ
15:32:14
「それは、僕の名前じゃない。……貴女達が僕を通して見ている”彼”の名前です」 少しだけ考えた結果がこれだ。僕なのか、誰なのか。
15:33:16
「……」 やや俯いて、その視線から逃れる。視線の先にあるカップから反射するのは、(かれ)の顔だ。
クリスティナ
15:33:44
「やれやれ……私が"彼"とやらに語り掛けているなら、私は自分の名など名乗り上げぬぞ」
シルヴェ
15:34:25
「……知り合いだったから、ですか?」 顔は俯いたまま。
クリスティナ
15:35:07
「そりゃあ、そうであろう。よく見知った顔が窓際で辛気臭そうにしていたら、そなたも声をかけるであろう?」
シルヴェ
15:35:51
「それは、知り合い、なら」 拗ねた様な声色で、ぎこちなく、顔を伏せたまま頷く。
クリスティナ
15:35:52
「だが、実際にはよく似た人違いであったのだろう。そなたは"シルヴェストロ"ではない、という。だから名乗ったし――そなたの名を聞いている」
15:36:31
「友人によく似た他人よ。その名が気に食わないなら、新しく名を名乗るか? そなたと私で考えようでは無いか、"新しい友人"よ」
シルヴェ
15:36:38
「名前、ですか。……ありませんよ、皆”そう”呼びますが」 あの人も、そこのおじさんも。
15:37:29
「……」 ゆっくりと上げられた目は、呆気に取られたようなそれだった。先程、声をかけられたときの様な。
15:37:59
「……あたらしく?」 きょとん、と。何を言っているのだろう、とでも言いたげな目でクリスを見る。
クリスティナ
15:38:22
「そりゃそうであろう。"彼"じゃないなら、違う名が必要だ」
シルヴェ
15:39:09
「い、今そんな事言われても、名前なんてありませんよ!」 ぶんぶんと左手を振り否定する。
クリスティナ
15:39:12
「私だって、よく似た誰かの名を私の事として違う名で呼ばれては不愉快だ。――そなたが言っているのは、そういうことであろう」
シルヴェ
15:40:28
「……、そう、ですね」 こくり、と頷いて 「……心配じゃ、ないんですか? ”彼”のこと」 今まで会話した人……といっても2名だが、そのどちらもは酷く不安そうだったが。
クリスティナ
15:40:49
「ん? 何故だ」
15:42:19
「腹をやられたといったが、手の施しようがない状態――というわけではないのだろう?」
シルヴェ
15:42:32
「だって、……少なくとも、今はここにはいない、訳ですし」 この体には僕がいるから。
15:42:59
「ええ、怪我自体はもう少し休めば平気ですよ」 びろーっとシャツを持ち上げて、腹部に巻かれた包帯を見せる。
15:43:18
同時に、明らかに古いものではあるものの、数多の傷がある事も確認できるかな。
クリスティナ
15:43:44
「なら、とりあえずは大丈夫であろう。少なくとも、そなたが心配するような"彼"が今すぐ死ぬようなことはない」
シルヴェ
15:44:30
「……死ぬことはない、か。何て言うのがいいんだろう、眠っている……?」
クリスティナ
15:44:59
「そうかもしれぬし、もうおらぬかもしれぬ。或いは、余人はそれを心配しているのであろうな」
シルヴェ
15:45:52
「……そりゃあ、しますよ。親しい人が、腹を刺されてたら」
クリスティナ
15:46:39
「だがなあ、"名無し"よ。実はその"彼"とやらは記憶喪失が日課らしくてな。前にも同じような話をしたよ」
シルヴェ
15:47:10
「に、日課!? そんなにですか!?」 オーバーなくらいその話に驚いて、膝を机にぶつける。
クリスティナ
15:47:50
「少なくとも、ひとつ前の"彼"自身前の記憶が無いらしいからな。実はもっと前もそうだったのではないか、と私は思っている」
シルヴェ
15:48:33
「……そ、そんなに? 原因は……解らないんですよね、きっと。それか、防げないのか。クリスティーナさんは何か聞いて……」
15:48:46
「……クリスティナさん」 すみません、と頭を下げて
クリスティナ
15:48:54
「おい。おい、クリスティナだ。なんだか伸ばすな。――全く」 苦笑し、
15:49:28
「原因なんて知らぬよ。さっき腹をみたが、そなたも自分で見たろう? 似たように刺されてポーンと飛んだのではないか?」
シルヴェ
15:49:33
「す、すいません……」 苦笑しながら頭を下げて
15:49:55
「刺されると飛ぶ……でも、冒険者って危険な職業なんですよね? そんな身体なのに続けてたのかなあ……」
クリスティナ
15:50:04
「えらくワラワラと古傷があったからな。あんなアクセサリーを体中に遺していて、訳ありじゃないわけはない」
15:50:44
「さてな。適切に手当てを施せば、傷は残らぬことが多い。だいたいあれは、戦傷というより――
シルヴェ
15:50:54
「あ、アクセサリー……」 言葉遣いが独特だ。 「……というより?」
クリスティナ
15:51:18
――いや。記憶のないそなたにあることないこと吹き込んで信じられても困る。原因が分かったらその時に伝えよう」
シルヴェ
15:52:06
「あ、はい! じゃあ、解ったらその時に!」 大きく頷く。 「クリスティナさんは、こう……長いんですか? 知り合ってから」
クリスティナ
15:52:48
「ん……いや、どうだかな。濃い付き合いはいくつかしたが、長い――とはいわない、なんとも言えない付き合いだな。だが、少なくとも2,3話したことがある程度の間柄ではなかったよ」
15:53:10
「いやしかしな。"名無し"よ。そなたが聞くのはそういうことじゃないのではないか?」
シルヴェ
15:53:35
「こ、濃い付き合い。……」 続いた言葉には口を閉ざし、やはり困ったように笑う。
クリスティナ
15:54:47
「おい、おい。変な勘違いをするではないぞ。命を懸けた仕事の付きあいや、面倒な恋の相談っていうだけだ」 カラカラと酒の入ったグラスを転がして咎めておく
シルヴェ
15:55:50
「仕事、ですか。……ああ、そうですよね。ここに来るって事は、クリスティナさんも冒険者さんだ」 頷いて 「恋……の相談ですか。確かに濃い、なあ……」 恋だけに。
クリスティナ
15:56:20
「そう、恋の話だ。――一応聞くが、そなたその辺の話で困ってはおらんか?」
シルヴェ
15:57:13
「う、ううん……困っては……」 うーん、と頭を抱え
15:57:37
「目を醒ました時に会った人が、凄く、こう……寂しそうだったな、とは」
クリスティナ
15:58:17
「そりゃあ、自分の事を忘れられたらショックだろう。そやつがそなたの番かどうかは知らんが」
シルヴェ
15:59:46
「忘れられたら、か。……確かに嫌、だろうなあ」 どこか他人事の様に返して、紅茶牛乳を一口
クリスティナ
16:00:31
「まあ、そりゃ"彼"の都合でそなたの都合じゃあない。むしろそなたは大丈夫か? 知らん女が連れ合ってる彼女だと言われても、ピンとこんのではないか」
シルヴェ
16:01:18
「それは、……まあ。少し混乱はしますけど」
16:01:51
「それでも、忘れられた側は、もっと混乱しているでしょうし、もっと辛いでしょうから。……僕がどう、何て言っていられませんよ」
クリスティナ
16:02:15
「……あのなあ」 がりがり、と頭をかいて
シルヴェ
16:02:44
「うっ」 クリスのこれは怒られる流れだ、と一瞬脳裏に浮かんで、そう思った事にまた少し混乱し
クリスティナ
16:03:25
「"彼"は"彼"、そなたは、そなただ。前にも似たような事を云ったが――"今、ここにいるそなたは、どうしたのだ"?」
16:04:25
「正直言って、しれっと忘れ去られた側は辛かろう。だがな、何もかも忘れて、ぽつんと渦中に置いてきぼりにされたそなたは――とても寂しかろうよ。だれも"そなた"を見てなんていないんだから」
シルヴェ
16:04:56
「……僕は」 眼を伏せ、可能な限り自然に笑顔を繕う。 「僕は、”彼”を起こしてあげたい。そう思っていますよ」
16:05:44
「それは、誰かの言われたからじゃなく、僕の……僕の、願いです」
クリスティナ
16:05:58
「……」 苦笑して、ため息を漏らす。
シルヴェ
16:07:25
「ど、どうかしました……?」
クリスティナ
16:07:50
「いや。なんというか――」 カラカラと酒を転がす。言葉に悩み
シルヴェ
16:08:05
「……」 な、なんだろう。そわそわしながらまた一口
クリスティナ
16:08:32
――まあ良かろう。それもまた、"生き方"だ」
シルヴェ
16:09:03
「変だって、思いました?」 おそるおそる。
クリスティナ
16:09:55
「ああ? そりゃそうであろう。あまりにおかしい。いや、そなたの決意を笑っているわけではなくてな?」
シルヴェ
16:10:36
「そこまで言うほどですかね……」 困ったように頭を掻いて
クリスティナ
16:10:57
「"前の彼"も、同じように"ひとつ前の自分に、体を返してやるべきだ"と。そのように思っていたようだからな。――ああ、結局その"シルヴェストロ"とは、一体だれが受け取るべきなんだ、とね」
シルヴェ
16:12:27
――……、え」 身体を強張らせる。ぞっとした、というのはこういう時に使うのかもしれない、と心中でやはりどこか他人事の様に思う。
16:12:37
「”彼”も、同じことを……ですか」
クリスティナ
16:13:32
「そうとも。――だから、あまりにおかしいと言ったであろう? "はじまりが、どこにもない"んだよ。そなたにはな」
16:14:12
「もし――もし、そなたが、"彼"を目覚めさせてやるのなら。それは、"はじまり"を探す旅にすべきだ。私はそう思う」
シルヴェ
16:14:35
「……”はじまり”を探す、旅。……でも、それじゃあ」
16:14:59
「”はじまり”が”彼”じゃないのなら、……皆さんは、”彼”に会えないままになってしまう」
クリスティナ
16:15:27
「馬鹿を言え」 コツン、と軽く拳を額に当てる
シルヴェ
16:15:37
「あだっ」
16:16:07
小突かれた額を左手で抑えつつ、抗議の目線――ではなく、混乱に満ちた目を向ける。
クリスティナ
16:16:21
「確かに、"彼"をひとつ前の"シルヴェストロ"と定義するなら、それは真実かもしれない」
16:17:07
「しかし、今こうなっている以上――ひとつ前の"シルヴェストロ"だって、継ぎ接ぎのハリボテだ。そこに居て、どこにもいない陽炎さ」
シルヴェ
16:17:45
「それは」 少したじろいだような、けれど確かな怒気をもって、口を開く。
クリスティナ
16:17:52
「なら、"はじまり"にたどり着いて、"はじまり"直さなければ何もスタート出来ないだろう」
シルヴェ
16:18:18
「それは、……違いますよ。だって、少なくとも、彼にはここでの生活があったんです」
クリスティナ
16:18:51
「では、そなたは?」
シルヴェ
16:19:10
「確かにここで生きていたんでしょう。それを貴女も見ていたと言ったじゃないですか。それを、……はりぼてとか、……そう、いうのは」 徐々に尻すぼみになりながら吐き出していく。
16:19:18
「……ぼ、僕ですか?」
クリスティナ
16:19:35
「今ここにいて、"シルヴェストロ"と呼ばれて困った顔になるそなたは、どうなのだ」
シルヴェ
16:20:14
「それこそ、僕がそのはりぼてです。”そこにいて、どこにもいない”、はりぼての」
クリスティナ
16:20:27
「過去の"彼"が陽炎ではない、しっかりと存在していた物ならば――ここに在る"そなた"だって、ここにいる」 肩に手を置き
16:22:31
「君が自分を蔑ろにするということは、"前の彼"すら蔑ろにする行為だということを忘れてはならない」
シルヴェ
16:22:52
「……彼と僕とじゃ、違いますよ。失うものがあった彼と、僕とじゃ」
クリスティナ
16:23:33
「何だ。――今目の前に居る友人のことを、もう忘れたのか"名無し"よ」
シルヴェ
16:24:25
「む、……それは」 言い淀み、視線がそらされる。 「それは、狡いですよ。まるで人質だ」
クリスティナ
16:26:07
「そうとも。私はな、"名無し"よ。その継ぎ接ぎめいたズタボロのそなたを放っておけるような、器の小さい女ではないんだよ」
シルヴェ
16:28:47
「……狡いひとだ」 もう一度繰り返して、困ったように微笑む。 「それでも、”はじまり”を見つけたら……僕はいなくなっちゃうかもしれませんが」
クリスティナ
16:29:50
「それもまた、一つの結末であろう。だが、人はいつか死ぬから人なのだ。そして、死ぬまでの間、生き続けるから輝くのだ。明日死ぬ身なら、明日まで輝くべきだろう。違うか?」 そんな風に言って、しかし――と続ける。
シルヴェ
16:30:50
――……違いません、けど」 幼子が諭され、拗ねた様な。そんな様子で、言葉の続きを待つ。
クリスティナ
16:30:59
「それにな。何かを取り戻したら消えてなくなるとも、決まったわけでは無い。――これまでその"シルヴェストロ"という身体が歩んできた全ての想いが、一つに溶け合って生き続ける事だって――あるかもしれないじゃないか」
シルヴェ
16:31:40
「それは、……それは、僕だって、彼だって言えるんでしょうか。ひとつになったら、また別のものになっちゃうような」
クリスティナ
16:32:16
「だから言ったであろう。"ちゃんとはじめるため"に、はじまりを探せばいい。曖昧に始まってしまった人生を、きちんと始めればいいんだ」
16:33:20
「別のモノになってしまったって、本当に好き合う女であれば、また好き合えるとも。本当の意味で、そいつに"好きだ"と言えないのは――それこそ、不誠実というものだろう?」 と、不敵な笑みを浮かべる
シルヴェ
16:33:49
「……」 浮かぶのは、目が覚めた時に視た人の顔だ。それを知っていたかのように続いたクリスの言葉に、やや目を見開いて驚愕する。
クリスティナ
16:34:56
「困ったなら私を呼ぶがいい、友よ。このドワーフ、盾の戦士クリスティナが、お前の障害全てから護ってやろう。――そなたが選びたい道を選べるようにな」 酒を全て飲み干すと、立ち上がる。
シルヴェ
16:35:07
「……あの人が、笑ってくれるなら。僕は、そうしたい……です」 クリスの言葉に強く頷いて、先程までの様子とは違った、クリスとしては見た事のある瞳を向ける。
16:35:45
「有難うございます、クリスティナさん。どうしたらいいか、解った気がします」 頷いて、席を立ったクリスに自分も次いで立つ。
クリスティナ
16:35:48
「ああ。その願いなら、私は喜んで引き受けよう」 穏やかに微笑み、シルヴェストロの背を叩く
16:36:06
「それで、どうする? 私はそなたを、"シルヴェストロ"と呼んでもいいのかな、友よ」
シルヴェ
16:36:08
「あだっ」 傷口を抑えながらやや丸まる。
16:36:26
「う。……名前は、まだ浮かんでない、というか」
16:36:54
「でも、……友だと言ってくれた貴方に呼んでもらうのなら、”彼”の名ではない方がいいかなって」
クリスティナ
16:37:33
「そうか。であるなら、名を決めねばな」
シルヴェ
16:38:01
「名を」 「……名を」 「……」 
16:38:10
「……ぱっと浮かびませんね」 まがお。
クリスティナ
16:38:28
「ハハハ、私もだ。しかし"名無し"と呼ぶには少々失礼が過ぎる」
シルヴェ
16:39:41
「ええっと……じゃあ、次に会う時までに、考えておきます。自分の名前だから、大事にしてあげたい」
クリスティナ
16:40:44
「そうだな。適当に決めるものではない。大事に決めると良い――とか言って、何か月も悩むのではないぞ? そなた、そういうところで決めかねてグダグダと時間を使うのでな」
シルヴェ
16:41:19
「つっ」 「使いませんよ! 次会う頃にはしっかり決めてますって……!」
クリスティナ
16:41:24
「それとだ」 ずずい、と顔をちかづけて鼻先に指を突きつける
シルヴェ
16:41:39
「うえっ……、ど、どれ……?」
クリスティナ
16:41:56
「突然そなたが"シルヴェストロ"以外の名を名乗りだしたら、きっとそなたの連れ合いは凄まじく悲しい顔をするであろう」
16:42:16
「きちんと、そなたが思ったこと、考えたこと――決めたこと。全部説明してから、名乗るんだ。いいな?」
シルヴェ
16:42:42
「それは嫌です」 きっぱりと答える。 「……解り、ました。しっかり、ちゃんと話します」 しっかりと頷いて約束です、と続ける。
クリスティナ
16:43:10
「うむ。そなたそういうところの気遣いが全くないのでな。言っておかねば、と思った。余計な世話で在ったらすまぬな」
シルヴェ
16:43:45
「……ちょっとだけ、どういう人か解ったような気がします。……苦労してそうな気がするなあ」 くしゃっと微笑んで 
クリスティナ
16:44:21
「うむ。――ではな、友よ。私はもう行くが、暫くは宿で時を待とう。いつでも呼ぶがいい」
シルヴェ
16:44:46
「ええ、また会いましょう、クリスティーナさ……」 「クリスティナさん!」
クリスティナ
16:45:18
「クリスと呼べ、このすっとこどっこい」 名を間違えたことを、笑いながら咎めてドつき
16:45:42
「ではな!」 自分と、すっとこどっこいの代金を払って宿の自室へと戻って行った
シルヴェ
16:45:58
「だっ、すいません」 歳相応――にしても、やや幼い様な様子でそれを嗤って受け止め、上階へ上がるクリスティナに手を振って見送った。
SYSTEM
16:46:10
 様が退室しました。
シルヴェ
16:46:45
――……よしっ」 ぐっ、と頷いて、席を立ち――
16:47:14
「あの、僕が今まで受けた仕事って――」 ガルバに”彼”の話を聞きに行った。
SYSTEM
16:47:18
 様が退室しました。
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