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20190315X_0
- 2019/03/15◥
- SYSTEM◥
- 00:46:54
- 様が入室しました。
- TOPIC◥
- 00:50:05
- 〈星の標〉 夜 by
- ◥
- 00:51:34
- 夜も深くなり、店内に客の姿も殆ど無くなった頃合い。
- 00:52:34
- 店内の厨房に立つひとつの小柄な影があった。既に明日の仕込みは終わっているらしく、それに影響がなければ自由に使っていいということで借り受けたのだ。
- 00:54:07
- 先日見たものを頼りに適当に用意した調理器具や食材などは、意外にもきちんと揃えられている。
- シア◥
- 00:55:50
- 「……」 この間此処で別の人間がやっていた動作を、覚えている限りでトレースする。淀み無く、正確に、精確に――
- 00:56:50
- 他人から見れば料理達者に見える程――もし本人が見れば気味が悪い程に――完璧な動作で、てきぱきと菓子作りを模倣し、こなしていった。
- 00:58:27
- 「――……」 無事にクッキーの生地を作り終えると、綺麗な円形に形を整えたそれを油紙の上に並べ、竈へと入れた。
- 00:59:40
- 確か、11分と言っていた。近くに持ってきていたスツールに腰掛けると、そのまま眠たげな目を閉じた。
- 01:01:28
- そのまま眠りに落ちるかと思いきや、時間が迫るとゆっくりと目を開き、無造作に竈から油紙を引き抜く。
- 01:03:01
- 取り出した油紙の上では、丁度良い具合にクッキーが焼き上がっていた。
- 01:03:38
- 「…………」 冷ますこともなく、それを一枚摘み上げるとすぐに口へと放り込んだ。
- 01:06:05
- 「うん」 まあこんなものだろうと頷く。何処かこの前のものより味気なく感じるのは、自分で作ったが故だろう。
- 01:07:12
- 動きを真似るだけでは満足の行くものは出来ない。調薬なら自分の作ったものでもあれだけ満足の行くものが出来るのに。
- 01:08:12
- 菓子作りというのも、奥が深いものなのかもしれない。そんな感想を抱きつつ、クッキーを小さな皿へと移して、カウンター席へ移動した。
- 01:09:49
- 「……」 一枚を摘み上げ、かじる。ガルバも休んで、店内には自分以外誰もいなくなっている。
- 01:11:59
- 「ん……」 味だけは悪くないクッキーを咀嚼しながら、腕を枕にだらけると、ぴくりと耳が動いた。
- 01:14:02
- 「……悪いわね、タイミング」 まあ、誰に聞かれているでもない。誰もいない耳元から聞こえてきた声に返事をした。
- 01:15:30
- 「いいわ。誰もいない。……わざと? ……そう」
- 01:16:46
- 「……また? 多いのね、最近」
- 01:18:32
- 「……いい。好きにして。従うわ」
- 01:19:43
- 「……いいのよ、別に。私が行っても」
- SYSTEM◥
- 01:20:18
- 名無し様が入室しました。
- SYSTEM◥
- 01:20:25
- 名無し様が退室しました。
- シア◥
- 01:20:31
- 「つまらない? ……そう。まあ、分かるけど」
- SYSTEM◥
- 01:20:38
- 様が入室しました。
- シア◥
- 01:21:25
- 「……分かった。見繕っておくわ、貸し出す葉」
- ジャック◥
- 01:22:59
- 「おーい、おやっさんいるかー、なんか食うモンねぇ?」静謐な店内を乱す者、それはこのオレだ。入って来るなり厨房に声をかける
- シア◥
- 01:23:40
- 「うん。……アレで――」 途中で言葉を止めた。
- 01:24:38
- 「……」 耳元を軽く弄り、腕を枕にしたままだらりとした状態に戻った。
- ジャック◥
- 01:24:56
- 「んあ? 店員さんか? おやっさんはいねぇのか、なんか食うもんねぇ? (すんすん) この匂い……ひょっとしてクッキーか!?」
- シア◥
- 01:25:17
- 「……見える? 店員に。私が」
- ジャック◥
- 01:27:52
- 「えっ、厨房ん中にいるんだし…違ぇの?」その背には斬撃に特化した片手半剣を背負ってる。先端の尖っていないその形状は見る人が見れば処刑用のそれだと分かるかもしれない。
- シア◥
- 01:28:47
- 「……借りていただけ」 す、とクッキーの乗った小皿を差し出した。 「あげるわ、欲しいなら」
- 01:29:44
- 「……変わった剣ね」
- ジャック◥
- 01:30:03
- 「うお!?マジで!悪ぃな、へへへ。ありがとよ!」裏表の欠片も無い笑みを浮かべて来皿を受け取り遠慮容赦なく貪り始める
- シア◥
- 01:30:18
- 「斬首のためのもの。向かないわ、冒険者には」
- 01:30:55
- 腕の上に顎を乗せる姿勢に変え、伏し目がちな瞳で無表情にジャックの食べっぷりを眺めつつ呟く。
- ジャック◥
- 01:31:18
- 「うめぇうめぇ…も゛? ごほっ、こほ、なんだって? ああ、この剣な!ルシェンカって街で見つけてよぉ、丁度良く強化するなんとかいう奴を手に入れたからくっつけて貰ったオレだけの魔剣だぜ!」
- シア◥
- 01:32:11
- 「……美味しい? それが? ……そう」 まあ、味だけならば確かにそうかもしれない。
- ジャック◥
- 01:32:40
- 「〈正義の剣〉っていうらしいぜ。英雄に相応しい名前だよなぁ、へへへ、とうとうオレも魔剣持ちかぁ」
- シア◥
- 01:32:53
- 「ふぅん……」 話に耳を傾けながら、ジャックの背中へと視線を注ぐ。 「……正義?」
- ジャック◥
- 01:34:04
- 「お、オレがつけたんじゃねぇぞ? 剣にそう書いてあるんだって話だよ」クッキーもりもり食いながら
- シア◥
- 01:35:15
- 「……正義の処刑人、っていう事かしら」
- 01:35:37
- 「斬首刑用の剣よ、それ」
- ジャック◥
- 01:35:49
- 「しょ、処刑ってなんだよ? は……? え、マジ?」
- シア◥
- 01:36:21
- 「……無いでしょ、切っ先」
- 01:36:46
- 「突かないから、ないの」
- ジャック◥
- 01:38:12
- 「お、おう…」
- シア◥
- 01:38:51
- 「……いい趣味だわ」
- ジャック◥
- 01:38:55
- 「い、良いんだよ! 突きとか外し易いし!オレぁぶった斬る方が性にあってんだから!」
- シア◥
- 01:40:01
- 「言わないわ、悪いなんて。どういうものか、理解していればいい」
- ジャック◥
- 01:40:18
- 「それに元が処刑用だからって、今は俺の、この未来の大英雄、ジャン=ジャック・カモミーユの剣なんだから、コイツは将来、英雄の剣って呼ばれるようになるんだってばよ!」ダンッ(空になった皿を置いた音だ
- シア◥
- 01:41:28
- 「英雄」
- 01:41:43
- 「……武器は、武器よ」
- 01:42:10
- 「殺す物。英雄でも、悪人でも。誰が使っても」
- ジャック◥
- 01:42:10
- 「おうともよ」無駄にふんぞり返って 「あ、ごっそさん。美味かったぜ」思い出したかのようにごちそうさまを言った
- シア◥
- 01:42:45
- 「そう。上手くいったのね、初めて作った割に」
- ジャック◥
- 01:44:40
- 「確かに剣は殺しの道具だけどよ、何を何のためにぶった斬るかはオレが決めるんだぜ」
- シア◥
- 01:45:26
- 「……理由があれば、何を斬っても正義?」
- ジャック◥
- 01:46:48
- 「オレが正義だ!なんていう気は流石にねぇってば。ただ、カッコいいじゃねぇか〈正義の剣〉ってよ」
- シア◥
- 01:47:30
- 「一緒だわ、正義も悪も」
- ジャック◥
- 01:48:46
- 「一緒?」
- シア◥
- 01:49:35
- 「自分の好きに生きているだけ。どちらも」
- ジャック◥
- 01:51:11
- 「? ハハハ、そっか、確かにそりゃそうだわ、ゴブリン退治の勇者もゴブリンからすりゃ忌々しい殺し屋だもんな」
- シア◥
- 01:52:12
- 「……そうね」 それだけという話しでもないけれど。それも間違いではない。
- 01:52:59
- 「……好きに生きればいい。それが理解っているなら」
- 01:53:13
- 「それなら、きっとあなたの正義も輝くわ」
- ジャック◥
- 01:53:58
- 「おう!オレぁはいつだって自分の好きに生きてるぜ!んでもって、オレのなりてぇ英雄になるんだ」
- シア◥
- 01:55:21
- 「……そう。素敵ね」
- ジャック◥
- 01:55:46
- 「良い事言うじゃねぇか、ありがとよ。 あ、そういや名前聞いてなかったな、悪ぃ悪い。」
- シア◥
- 01:56:15
- 「良いことよ。命を、大切にするのは」
- 01:56:27
- 「名前……」
- 01:56:38
- 「…………」 数秒間を置いてから。 「シアよ」
- ジャック◥
- 01:58:40
- 「命? 勿論、大切だぜ、いっぺん落としそうになっちまったけどよ。そん時のオレも諦めなかったらしいぜ」きたねぇマントを広げると裏地にきたねぇ落書きがある。赤黒いそれはこう読める『ぜってぇまけねェ』
- 01:59:30
- 「シアな、クッキー、あんがとよ! 美味かったぜ、ええっと…幾らだ?」
- シア◥
- 01:59:46
- 「……」 ふるふると首を横に振った。 「要らないわ、お金なんて」
- 02:00:09
- 「プレゼント。命を大事にしているあなたに」
- ジャック◥
- 02:00:52
- 「マジか!? 良い奴だなぁ、お前! なんか困った事があったらオレに声かけてくれよな、力になるぜ!」
- シア◥
- 02:01:27
- 「よく言われるわ。いい子だって」
- ジャック◥
- 02:02:15
- 「だろうな、へへへ」疑いなど欠片も無い 「よし、食うモン食ったし今日は寝るか、じゃあな!」
- シア◥
- 02:02:28
- 「おやすみなさい。良い夢を」
- ジャック◥
- 02:02:50
- 「~♪」口笛を吹きながら去って行った
- シア◥
- 02:03:27
- 「…………」 その背中を静かに見送って。
- 02:04:23
- 「……いい子ね。貴重だわ。ちゃんと命を大事にしている子」
- 02:06:20
- 「……ああ。殺り方も、工夫が必要ね」 する時が来るかどうかはまた別の話なのだが。 「……あ」 その辺りでふと会話を無理やり切っていた事を思い出した。
- 02:06:42
- 「……まあ、いいか」 タイミングの悪い時に掛けて来たのはあちらだ。
- 02:08:23
- 「……」 借りた皿をさっと洗うと、店を出ていった。 「良い葉、何処かにあったかしら……」
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- 02:08:28
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- 02:08:29
-
- 02:08:34
- ( ˘ω˘)スヤァ
- SYSTEM◥
- 02:08:37
- 様が退室しました。
- ◥
- 02:08:49
- ( ˘ω˘ )
- SYSTEM◥
- 02:08:55
- 様が退室しました。
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発言統計 |
その他(NPC) | 80回 | 92.0% | 3006文字 | 95.0% |
| 7回 | 8.0% | 159文字 | 5.0% |
合計 | 87回 | 3165文字 |