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2019/05/24
SYSTEM
01:02:20
 様が入室しました。
 
01:03:43
──ライフォス神殿前──
01:04:14
時刻としては午後を少し過ぎたころ合いであろうか。1人の青年が、祭祀に向かって何やら挨拶を述べていた。
01:04:51
大剣のランクの冒険者。ルシウス・グレイザー。しかしながら、実力不足が甚だしく、未熟の一言につきる冒険者だ。
01:04:58
そのことは本人が一番自覚しているだろう。
01:06:05
こう、神殿で入院する羽目になったのも多くの理由がある。
01:06:30
一つは自分が奇妙なめぐり合わせに生きていること。それも魔神に目をつけられたという厄介な体質であること。
01:06:37
そして2つ目は実力不足。
01:06:43
そして、最後は──
ルシウス
01:07:31
「──すみません。お世話になりました」と、深々と頭を下げる。祭祀は優しく見守ってくれているようだ。おそらくはルシア何かとも少し何か話したかもしれない。
01:08:09
「いろいろと頭が冷えました……。といっても彼らに合わす顔はないんですが……。とにかく一度、自分の宿に帰ろうと思います」
01:09:04
「それでは……」と、荷物を袋にまとめ。魔剣2本と、兄から譲り受けた剣1本を腰に携えその場を離れていく。
01:09:53
「……久しぶりの外は……何だか新鮮な気分だな」と、日の光を受け、まぶしそうな顔をする。
01:10:13
「……とりあえず帰ろう。何をするにしてもそれから──だよな」と、とぼとぼと歩き始めた。
SYSTEM
01:10:26
名無し様が入室しました。
ルシウス
01:10:31
彼が借りている宿は星の標の中ではなくその周辺にある。
01:11:20
「同じ町でいただけのはずなのに……懐かしいな」と、街並みを眺めながら宿まで進んでいく。
01:11:44
「ガメルはまだある。だけど、いずれ仕事はしないといけない……それに」
01:12:32
「……いや。だめだ。また格好をつけてまた醜態を晒してしまうんだろうな……いつだってそうだ」とため息をつく
フレデリク
01:13:06
――よぉ、探したぞ」 そんなルシウスの背に、そんな声が投げ掛けられる。先の依頼で同行した斧使いの声だ。
ルシウス
01:13:37
「──え?」聞いたことがある声に思わず振り返る彼は──
01:14:00
と思った矢先だったかもしれない。自宅まではもう近い。
フレデリク
01:14:07
見れば、その格好は鎧姿でも無く、彼としては普段通りの――私服のままの姿だ。
ルシウス
01:15:04
「貴方はフレデリクさん……どうしてこんなところに……? というか、僕を探してた? 何の為に?」
フレデリク
01:15:24
「久し振りだな、ルシ……」 言いかけて、やや大袈裟なほどにかぶりを振って見せる。 「久し振りだな、”剣だらけ”」
ルシウス
01:16:15
「1本増えてしまいましたからね……。彼女が言っていた呼称だけど、あながち間違いじゃないと思いますよ」
フレデリク
01:16:22
「お前がぶっ飛ばされたって話はおっさん(ガルバ)から聞いた。どこに担ぎ込まれたかは知らなかったから、適当に王都ん中探して……まあ、何日目かも覚えてねえけど。やっと見つけたんでな」
01:16:36
「身体は?」
ルシウス
01:17:08
「──ん。何とかですね。流石にライフォス神殿で看病されたんで、もう動けますよ」
01:17:59
「多分、以前通りの仕事はできるは図とは思いますけどね」
フレデリク
01:18:04
「なるほど。……んで、どこ行くつもりだったんだ?」 言いながら傍まで歩いて来る。
ルシウス
01:18:15
「……すみません。心配かけたみたいで」
01:18:38
「一旦自宅に帰ろうかと。借りている宿屋ですけど」
01:18:47
と、特に拒絶もせず語り始める
01:19:14
「もう何日間も空けてるもんで……流石に掃除とか……あと荷物とか、色々整理するものもあると思いますしね」
フレデリク
01:19:23
「……整理?」
ルシウス
01:20:06
「前の依頼受けた時から多分散らかしっぱなしなんで、それの掃除みたいなものですよ」
フレデリク
01:20:16
「ふうん。……で、その次は?」
ルシウス
01:20:29
「その次は……」と、言葉に詰まる
フレデリク
01:20:39
す、っと目が細められる。
ルシウス
01:21:06
「ガメルがなくなったら考えます……しばらくは生活していけるんで」
フレデリク
01:21:30
細められた黒の目が、静かに怒りを湛えている事はルシウスにも理解出来るだろう。
01:21:40
「はあん。……成程な?」
ルシウス
01:22:20
「……あの、どうされました?」特に気に障ることは言ってないはずだ。いや、経緯を勘がればばかでもわかるはずなのだが
フレデリク
01:22:28
「俺は別にいいが、あいつらにも何か言うつもりもねえ、って事か?」
ルシウス
01:22:31
ルシウスは全く気づく様子もない
01:23:13
「……そうですね……。確かに謝るべきですね……」
フレデリク
01:23:28
「そうかよ。……最後だ、その傷は誰にやられた?」
ルシウス
01:23:38
「迷惑をかけたことは確かだ。その清算はするべきでしょうね」
フレデリク
01:24:06
――”清算”?」
ルシウス
01:24:56
「……ちょっとばかり僕も厄介な因縁を持ってるようで……。説明するのは難しいですが街に紛れ込んで魔神にやられたというべき……なのかな、あれは」>嘘をついている様子はない
01:25:45
「……謝罪と……。後は……何ができるかな」清算について
フレデリク
01:26:20
「魔神? ――そいつは”師匠”、じゃないのか?」 
ルシウス
01:26:59
「……鋭いですね。フレデリクさん。……まさかこの街で遭遇するとは思いませんでしたけどね」
フレデリク
01:27:30
「仕事ん時話してたろう、蟲がどうの、って」 「まあいいや、”冒険者”として聞きてえことは聞いたから」 ぽす、と肩を掴み
ルシウス
01:27:30
「まあ……。彼は僕を見限ったくらいですし。これで終わりですよ。これで」
01:27:48
「……」肩を掴まれ
01:27:57
見限ったみたいですし
フレデリク
01:28:46
「だからな、こっからは」 左手で掴んだ肩を強く握って、右手を硬く握って振り被る。 「ここからは、”友人”としての話だ」 振り被った拳を、その頬へと向けて振り下ろす。避けても構わない。
ルシウス
01:29:31
「は──」感覚も鈍っているんだろう。この大振りの一撃は、普段なら避けられるはずだが
01:29:41
思い切り頬へ直撃を食らった
フレデリク
01:30:23
頬へと一撃を入れた後、その胸倉を掴んで吠える。 「――ッの馬鹿が! テメエは人をッ! あいつらをッ! 何だと思ってやがるッ!!」
ルシウス
01:31:22
「がはっ──ッ!」抵抗する様子はない。というより、あまりにも弱い。操られた兄に対して見せた剣の鋭さ。それを見せた張本人とは思えない。
01:32:11
「……な、なにを……め、迷惑をかけたとはおもってる……けど……」胸蔵を掴まれているのでとぎれとぎれの声で
フレデリク
01:33:17
「思ってる? 思ってる奴の態度じゃあねえだろ……」 呆れた様に胸倉を離して 
ルシウス
01:33:40
「僕の……実力不足で………しかも……負担をかけてしまったともおもって……うぐ」だが、当然。フレデリクの力は、ミカサほどではないが、それに追随するほどだ。あの奇妙な得物をもつくらいである。
フレデリク
01:34:03
「……~~……」 「それが何で、あいつらから離れる事になるんだよ」
ルシウス
01:34:30
「はぁはぁ……確かに、こうやって殴られて……胸倉をつかまれても仕方ないことはしたとは思ってるけど……え……?」予想外の答えに目を丸くする
フレデリク
01:35:00
「お、お前――」 ぽかん、と毒気が抜かれた様な顔をして 「――……あのなあ」
01:35:10
「お前、友達いねえだろ」 もしかして
ルシウス
01:35:53
「……そう……だね」
01:36:18
「少なくとも村にはいなかったし……知り合いはいたけど……もういないしね」ベリス村
01:36:53
「──今ある関係は、冒険者としてのあれそれだけですよ」ようやく息を整えて
フレデリク
01:37:06
「呆れた」 はあ、と溜息を吐いて、村の話を出させてしまった事には下手くそめ、と自身に向けて内心で毒づき
01:37:25
「ちょっと来いよ。宿まで」
ルシウス
01:37:54
「…………分かりました。というより……」>フレディの指示に従いなら
フレデリク
01:38:06
「ん?」
ルシウス
01:38:29
「……入院して考えてたことがあります。多分、この僕の在り方とか……考え方とか……それが間違ってるんでしょうね。上手く言えないけど」
フレデリク
01:38:50
「……」 「……べつに」 「お前の全部を、俺は知ってる訳じゃねえから」
01:39:03
「だから、お前の全部がおかしい、なんて言わねえし、言えねえ」
ルシウス
01:39:06
「……もう少しあなた方を頼るべきだったじゃないかとは考えてました……上手く言えませんが」と、言いつつ。フレデリクの横に来る
フレデリク
01:39:30
――そこに気付けてんなら、まあ……いーんじゃねえの」 そのまま宿へと向かって、屋上行きましょう。
 
01:39:44
 
01:39:54
──屋上──
ルシウス
01:40:08
「……ここは?」と、尋ね
フレデリク
01:40:37
「よ、っと」 屋上にひそかに置いていた椅子を陰から二つ引き摺って来ると、ルシウスに一つ示して見せる。
ルシウス
01:40:56
「すみません。ありがとうございます」と、座り
フレデリク
01:40:59
「立ち話にしたかねえし、宿ん中でも聞かれるとめんどくせえし。……ここならまあ、いいだろってな」
01:41:07
――で、だ」
01:41:47
「悪いが、お前がやられて――っつう話は、俺も小耳に挟んだくらいだ。あいつらも知ってておかしくはない」
ルシウス
01:42:33
「そうですね……ランクというものを考えてませんでした。流石に耳には入っていますか」
フレデリク
01:42:44
「でな。……ああくそ、話がまとまらねえや」 がしがしっと頭を掻いて 「そうそう」
01:42:57
「何でお前、俺達と宿に戻らなかったんだ?」
ルシウス
01:43:20
「……………」長い沈黙の後
01:43:58
「申し訳なかったんです……自分の不甲斐なさが。弱さが……ッ」
フレデリク
01:44:24
――……」 「ああ」 その吐露には、怒りも不快感も示さない。やや目を伏せて、続きを待つ。
ルシウス
01:44:35
「皆が周りで傷ついていくのに……僕は急所を当てるどころか、攻撃を当てることすらできない……。兄さんから貰ったあの剣まで使いこなせない……」
01:45:07
「縁で得たこの剣も……十分な力も発揮しているのに……、僕がつかいこなせない」
01:46:01
「……フレデリクさんも、アクアマリンさんも……兄さんも……そしてミカサも……道を切り開いてくれているのに……掴めない……」
01:46:21
「そんな僕が許せなかった……弱かった……だから。逃げたんです……向き合うとせずに」
01:46:42
「そして……師匠にやられた。興ざめだと……ね」
01:47:09
「……ははっ、その通り過ぎて笑ってしまうよ」と、自嘲気味に
フレデリク
01:47:30
「……」 「お前さあ」
01:48:05
「自分が得たものの事、考えた事あるか?」
ルシウス
01:48:20
「──得たもの……?」
フレデリク
01:48:48
「ああ。兄貴にしたって、ミカサにしたって、アクアマリンにしたってそう。魔剣だってそうだろ」
01:49:05
「お前がここにきて、見付けた縁。そういうの、考えた事あるか?」
ルシウス
01:49:31
「……ぁ……」
フレデリク
01:49:44
「一人で突っ走り過ぎなんだよ、この馬鹿」 
ルシウス
01:49:55
フレデリクの答えは当たり前すぎるものだろう。しかし、その当たり前に彼は気づけていなかったのだ。
フレデリク
01:50:01
「何個も得たものがあるってのに、一個失敗しただけで全部忘れやがる」
01:50:41
「お前、――覚えてんだろ? イフリートの髭!」
ルシウス
01:50:58
「……それは……」気まずそうな顔をして
フレデリク
01:51:14
「あん時やらかして、あの依頼の前に謝ったろう?」
ルシウス
01:51:41
「ずっと謝れなかったけどね……そう……ですね」
フレデリク
01:52:05
「でもできた事だ」 「そういうもんを忘れるなよ」
01:52:34
「おんなじだ。自分が不甲斐ねえ、負担かけた、それが申し訳ない」
ルシウス
01:52:57
「…………」じっとフレデリクの紡ぐ言葉を聞いている
フレデリク
01:52:58
「ってんなら、お前がまずすべきは一人になって特訓するんじゃなくて、別にあるんじゃねーの」
01:53:13
「それに」
01:54:11
「負担を掛けられた側にしたって、その後一人で消えられる方が気にするに決まってんだろうに」
ルシウス
01:55:11
「………すみません……でした」と、振り絞るように出た言葉。それは最初ものとは質が違うものだ。
フレデリク
01:55:35
困った様に笑って 「ちゃんと、その、なんだ」
01:55:50
「お前が今持ってるもの、見落とすには惜しいものばっかりなんじゃねえの」
01:56:17
「……手放したいものか?」 ここで得たものは。
ルシウス
01:56:26
「……ははっ……フレデリクさ、……いや、先輩は何でもお見通しなんですね……」
01:56:54
「僕はこれからここを消えるつもりでいました。山の奥にでもいって……1人で修行するつもりでいました。でも──」
フレデリク
01:57:02
「んな柄じゃねえよ」 「――……でも?」
ルシウス
01:57:36
「そう……兄さんがいなくなって……師匠に狂わされて……そんな狂った中でも……そうか……」
01:58:59
星の標に来た時のことから思い出す。彼女との出会い。記憶の再生。かの黄昏の話。イフリートの髭。水底の冒険。そして──あの魔域の話だ。
01:59:38
それらは空っぽだった自分。人を斬る、殺す、血を流す。それにしか自身に価値を見出せなかったものに、彩を加えてくれたものだ。
02:00:02
「空っぽな状態からでも積み上げられるものがある……そういうことか」と、はっきりと口にした。
フレデリク
02:00:50
――……」 一つ口にしたルシウスに、どこか満足そうに、それでいて照れ臭そうに笑いながら、屋上から見える空を眺める。
ルシウス
02:01:02
「なんて単純な……でもこんな簡単なことに何で気づけなかったのか……本当に本当に遠い回り道だ」
02:01:34
「──フレデリク。と呼んでいいかな」と、他人行儀の口調から変わり
02:01:41
と同時に立ち上がる
フレデリク
02:02:09
――当然だろ、俺達は友達なんだから、よ!」 それに次いで立ち上がり
ルシウス
02:02:35
「ああ……今度こそよろしく頼む」と、手を差し出す。
フレデリク
02:03:25
「あいよ。――ま、その前に」 手を取って、握り返し 「まずはアクアマリンとミカサにどやされるとっからだけどなー」
ルシウス
02:04:13
「ははっ……そうだね。アクアマリンさんは小言は言われるだろうし……ミカサには……うん。足を向けて眠れないかな」
02:04:33
「……ただ、少しやることができた。これは話しておきたい」と、改めてフレデリクに
フレデリク
02:04:46
「もっと、頼ってみろよ。お前はもう、空っぽなんかじゃないんだから」 とん、とルシウスの左胸に拳を当てて
02:04:48
「うん?」
ルシウス
02:05:15
「あの戦いの中で僕は自分の剣の課題を感じたことがある……君とはちがって僕の一撃は軽い」
02:05:52
「それが持ち味なのかもしれない。暗殺向けの能力なんだとは思う。けれども……それだけじゃ足りない。君やミカサの戦いを見て。そして兄の戦いを見て、そう痛感したよ」
02:06:54
「技ではなく、力で押し通す。その二つが揃ってこそ……僕は、次の段階へ行けるんだと思う」
フレデリク
02:07:53
――どっちも、ねえ。それで?」
ルシウス
02:08:18
「少し買い物に行ってくるよ。ああ、もちろん。この街の工房さ。剣を見る自信はあるんでね」
02:08:23
「最後のパーツだ」
フレデリク
02:09:11
「あいよ。んじゃ気を付けて行って来いよ、ミカサやアクアマリンに怒られる時はついててやるから呼べよ」 くつくつ笑い
ルシウス
02:09:31
「ああ、行ってくるよ。ちなみにこれで一文無しさ」
フレデリク
02:09:48
「おいおい、マジかよ……部屋来るか? 床くらいは貸してやるぞ」
ルシウス
02:09:54
「多分、明日には星の標で仕事を探してるんじゃないかな?」と、冗談めかして言って
02:10:15
「大丈夫。さすがに貯蓄してるあれこれはあるから。ただ」
フレデリク
02:10:26
「そりゃ重畳だ。……その前に謝りには行っとけよ? また見えなくなる前に」 意地悪く言って、ルシウスの続く言葉を待って
ルシウス
02:10:26
「どうにもならなくなったら頼りにさせてもらうよ」
フレデリク
02:10:40
「いつでも来いよ、”ルシウス”」
ルシウス
02:10:51
「……ああ」
02:11:20
「それじゃあ、次は冒険者として会おう」と、手を振って屋上から出ていった。
フレデリク
02:11:36
「ああ、またな」 去って行く背中を、屋上に残ったまま見送る。
 
02:12:02
一陣の風が吹いていく。それが何を意味するかはいまだに分からない。
02:12:05
しかし少なくとも
02:12:43
青年は一つの答えを得たのだろう。もっとも人間が一日で性格ごと変われるなんてことはありえない。しかし。
02:12:51
進むべきが見えた。それだけで今は
02:13:01
十分なのかもしれない──
02:13:04
 
02:13:05
 
02:13:10
おつかれさまでした!
02:13:22
めっちゃ濃い内容だった
02:13:24
おつかれさまでした!ありがとうございましたー
 
02:13:35
ぼこぼこ
 
02:13:38
とりまラウンジに戻って寝よう。ありがとうね!
02:13:44
撤収
 
02:13:50
こちらこそー、では撤収!
SYSTEM
02:13:52
 様が退室しました。
SYSTEM
02:13:52
名無し様が退室しました。
発言統計
その他(NPC)151回87.8%5872文字93.5%
 21回12.2%406文字6.5%
合計172回6278文字