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20190616Z_0

2019/06/16
SYSTEM
16:03:36
様が入室しました。
SYSTEM
16:03:49
様が入室しました。
16:04:45
星の標でいいよね
16:05:24
いいヨ
16:05:58
ではえーと
16:06:15
この後になる想定です https://sw.tale.blue/session/?num=518
16:06:24
 
16:06:25
 
16:08:27
〈一握の砂〉と呼ばれる魔剣を巡る冒険が終わった、その少し後のこと。
16:10:13
星の標の上階にある、部屋の一つ。
ニルツェ
16:11:09
――……」
16:11:41
カーテンの隙間から差し込む光からして、もう昼間近い頃合いだろうか。
16:12:21
カーテンを閉め切り、他にランプの一つもつけていない部屋は、薄暗い。
ニルツェ
16:13:22
「………」 何となく起きるのが億劫で、寝巻代わりの下着姿のまま、ベッドの上で丸くなっていた。
16:15:21
廊下から、特に隠すことなく、一人分の控えめな足音が聞こえてくる。
16:16:16
歩を進めてくるのと一緒に、食器の音が小さく鳴る。
ニルツェ
16:16:26
ふと喉の渇きを覚えて、ベッドサイドに置いた水差しを手探りで取る。
16:17:04
それが、ニルツェの部屋の前で止まった。
ニルツェ
16:17:10
妙に軽い手ごたえ。水差しを揺らしてみればすぐ分かる。具合の悪いことに空だった。
16:17:55
「……ん」 しょうがない、そろそろ起きるか――と思った所で、ふと足音と気配に気づいて。
16:20:53
ゆっくりと扉がノックされる。
ニルツェ
16:24:46
――そういえば服を脱ぎっぱなしだった。体に掛けていた薄手の毛布を外套がわりに使って、自然と足音を消して扉に近づく。
ゾール
16:25:14
「……居る?」 もしかして居ないだろうか。
ニルツェ
16:25:24
さっきの足音の癖とリズムは……。
SYSTEM
16:25:35
様が入室しました。
ニルツェ
16:25:40
鍵を開けて、がちゃりと扉を開いた。
16:26:05
扉の隙間から顔を覗かせて、「……やっぱり」
ゾール
16:26:43
居ることを確認すると、少し眉が上がる。 「おはよう。……遅いけど」
16:27:52
片手に持ったお盆の上には、サンドイッチと水差し、コップ。
ニルツェ
16:28:31
「おはよ」 扉を大きく開いた。薄暗い部屋の中。 「――あっ、朝ごはん? 持ってきてくれたの」
ゾール
16:29:58
とりあえず、今起き上がったばかりなのだろう、とは思った。
16:30:27
「朝というか……とりあえず軽食をと。下に降りてきたということ、聞いてなかったから」
ニルツェ
16:32:33
「あはは、ごめん。お金入って来たばっかりだし、今日はもう休みにしちゃおうって思ってた所――とりあえず、入って」 立ち話もなんだし。
ゾール
16:34:26
「そう。……では、お邪魔します」 入れば、静かに扉を閉めました。
16:35:05
薄暗いが暗視の自分にはあまり関係ない。開いたところにお盆を置こうと中を見やる。
16:35:14
空いた。
ニルツェ
16:35:33
部屋に招き入れる。他の多くの部屋と同じ間取り。いまの彼女の稼ぎと立場を考えれば、別の場所に自分だけの家なり部屋を持っていてもおかしくないのだが、ニルツェは〈星の標〉へ来た時からずっとこの部屋だ。
16:37:03
それなりに長く住んでいるから、借り物の部屋という殺風景な所は全くなく、部屋のそこここに、彼女らしい生活感が滲んでいた。
ゾール
16:37:42
「……」 放りっぱなしの衣服を見たが、見なかったことにした。ここは彼女の部屋なのだから、とやかく言う必要もない。
ニルツェ
16:37:47
「あっ……ととと」 脱ぎっぱなしになっていた服をベッドの下へ蹴り込んで 「あはは……」
ゾール
16:38:13
「別にいい。急だったでしょう」
ニルツェ
16:39:32
「ううん。いやあ、普段はもうちょっと片付いてるんだけどねー」 もそもそと、シャツと、ショートパンツだけは身に着けた。
ゾール
16:40:25
「それだけの余裕がなかった?」 それぞれのコップに、持ってきた水差しから水を注ぎ入れていく。
ニルツェ
16:40:25
窓際に元からあったテーブルと、椅子。それに彼女自身の趣味で買ったもう一脚の椅子が置いてある。「まあ座って座って」
16:40:49
「ん。まあそんな感じ……」
ゾール
16:41:03
ええ、と短く答えると、元からあった方の椅子に座った。
16:42:56
「そう」 サンドイッチを手に取る。表面には軽く火が入り、色がついている。
ニルツェ
16:43:49
カーテンを開け、窓を開けば、部屋は明るく、外の清々しい風が入ってくる。
ゾール
16:44:25
窓が開いた拍子に、髪が風に揺れた。
ニルツェ
16:45:03
注いでもらった水を一息に飲み干し、ゾールの向かいに座って、「んじゃ、いっただっきまーす」 とサンドイッチを手に取ってぱくついた。
ゾール
16:45:03
食べているところに髪がかかったので、顔の外へとすぐさま払った。
16:45:16
「ええ、どうぞ」
16:45:32
ベーコンとレタスとトマト。BLTサンドイッチだ!
16:46:30
「……」 違うな、と一瞬の間を置いて 「いただきます」
ニルツェ
16:50:02
「うん、おいひぃ」 さも美味しそうに頬張る。
ゾール
16:51:46
「一応、ここのよ。今度頼めばキャロラインも喜ぶわ」
ニルツェ
16:53:15
「うん、そうじゃないかって思った。――うんうん、美味しい。ニル、お腹空いてたんだなー」
ゾール
16:54:57
「多分……朝から起きてて、朝抜きだったんでしょう」
ニルツェ
16:57:33
「……ちょっと、昨日うまく眠れなくてさ。うだうだしてたの」
ゾール
16:59:42
「昨日の飲みだけでは晴れなかった、ということね」
ニルツェ
16:59:59
「……うん……」
17:01:07
かつて、ある魔域で出逢ったジャンヌと、姿も名前も瓜二つの娘との邂逅。そして、かつての彼女を違った形でなぞるような魔剣との遭遇。
17:02:43
――あれで良かったのかな、って。やっぱり、何とかしてでも止めたほうが良かったんじゃないか、って…… どうしてもそう考えちゃって」
ゾール
17:04:21
「そうね。正直に言えば、私も止めたくはあった。由来も知ればなおのこと」
ニルツェ
17:06:25
「だよね。――だって、ジャンヌそのものだもん。確かに、話していると、似ているけど本人じゃないんだな、っていうのは分かる」
ゾール
17:07:26
「本当に巡って戻ってきたのだと、思わなくないわよね」
ニルツェ
17:08:15
「けど…… 土壇場になった時の決断は、ああやっぱりジャンヌなんだな、って、そう感じて」
ゾール
17:08:59
「そう、思った。あの“魔剣”を救おうと、思うだなんてね」
ニルツェ
17:09:29
「魔剣を、救う…… か」
17:10:00
「確かに、そうだね。あの魔剣に、違う可能性を見せるために」
ゾール
17:11:37
「そんなこと……思いもしなかった」
ニルツェ
17:12:01
サンドイッチを食べきって、指についたトマトの瑞々しい汁をぺろり、舐めとって。
17:12:11
「可能性、か……」
ゾール
17:13:09
最後の一口を水で流した。
ニルツェ
17:13:30
「ねえ、ゾールん。あのジャンヌは、ニルたちが知っているジャンヌの、生まれ変わりなのかな」
ゾール
17:15:03
「……どうかしら。そう思えてもおかしくはないくらい、似ているとは思ってる」
17:17:57
「そのように輪廻は出来ているだとか、そういう話を耳にしたことはないから」
ニルツェ
17:20:12
「ニルは、ふとした時に、昔の記憶を取り戻すひとたちがいるっていうのは聞いた事あるな……」 ハイマン、などと呼ばれる人々のことだ。
17:22:30
「それと、すっごく高位の神官だと、転生の魔法が使えるっていう話も聞いた事ある」
17:23:08
「でも、自然とそういうことが起こるっていうのは――」 聞いたことない。
17:23:38
――いや、どういう理由で生まれたのかなんて、分からないだけかな」
ゾール
17:24:12
「……」
ニルツェ
17:25:35
水差しから新しい水を、お互いのグラスに注ぐ。まだきちんと冷えている水が、喉を心地よく潤してくれる。
ゾール
17:26:02
「……考えてもわからないことね。仮に、生まれ変わりだとして」
ニルツェ
17:26:41
「あはは……そだね。考えても、分からない。――だけど」
ゾール
17:26:44
「あの“魔剣”を手に取って、前と同じように、運命を左右されてしまうなんてこと」
17:26:57
「止めたかったわよね」
ニルツェ
17:27:14
――うん。せっかく生まれ変わったのなら…… ジャンヌには、普通に暮らしていて欲しかったな」
17:28:00
「戦ったりする事なくて…… 平和な町の中とか、田舎の村で―― 普通の女の子として暮らしていて欲しかった」
ゾール
17:28:58
「……それが運命だったとしても、彼女が決めたこと」
ニルツェ
17:31:27
「それは、そう、なんだけど~~……」 椅子の背に体重をあずけ、がたんがたんとさせながら、顔をしかめた。
ゾール
17:32:22
「いいわよはっきり言っても」
ニルツェ
17:35:19
分かっていたって――やっぱり、止めたかったし、重いものを背負わず普通に暮らしてほしかった。「……同じコトぐるぐる言っちゃうだけだから、いいよー」
17:36:04
「……あのね。さっき、違う可能性、っていう話をしたじゃん?」
ゾール
17:36:50
「ええ」
ニルツェ
17:38:45
「ジャンヌも、そうなのかなって」
ゾール
17:39:44
「魔域にいたジャンヌとは違う、可能性だと?」
ニルツェ
17:40:11
――うん」
17:40:29
「今のジャンヌが、ここに来るまで、どうやって生きてきたのかは、ニルたちは知らない」
17:41:16
「でも、魂、みたいなものが、変わっていないとして――
17:45:32
「あの魔剣のあり方を知った後、あんなにこだわったのって……  違うところへたどり着ける可能性、みたいなものを信じたいと、ジャンヌの魂が思っているからなのかな、って」
ゾール
17:50:02
「……」 あの遺跡の中に居た時に語ったジャンヌの言葉を思い返している。
17:51:31
――……『誰かを救う力と破滅を手にしても』」
17:51:56
「『それに縋るのではなく、違う道を選べる』」
ニルツェ
17:52:16
「……そう。昔のことなんて覚えていない筈なのに、ジャンヌはそう言ってた」
ゾール
17:53:08
破滅の誘惑でした。
17:53:53
「……そうなのかもね」
ニルツェ
17:56:20
窓から吹き込むそよ風に誘われて、外を見やりながら、「……ゾールんは、たどり着けると思う?」
ゾール
17:57:56
「歩き続けることをやめなければ、或いは」
ニルツェ
17:59:21
ゾールの言葉に、彼女を見やって、少し冗談めかすような口調で、「……駄目だった時、ニルたちもイチレンタクジョーだけど」
ゾール
18:00:56
水を飲んで少しの間を置いてから、 「常に隣に居てやれるわけではない。けど今度は、全くの孤独ではない」
18:01:05
「辿り着かせるのよ」
18:02:15
「……」 言っといてなんだが、 「流石に、烏滸がましかったろうか」
ニルツェ
18:04:52
「んーん」 にっ、と歯を見せて笑って、「ゾールん、いつになく強気じゃん」
18:07:06
「ニルなんてさー、不安で不安で色々考えちゃって。ゾールんが来なかったら、きっとずっと引きこもってたよ」
ゾール
18:07:06
自分の顎に指を滑らす。 「……多分……私の希望も、入ってしまった、かな」
ニルツェ
18:07:30
あはは、と笑いながら椅子をがったんがったんさせた。
18:07:48
「希望、…か」
ゾール
18:07:50
「そう……珍しい。落ち着くまで居てもいい」
ニルツェ
18:09:44
「なにそれー。ニルだって繊細な所もあるんですよ?」
ゾール
18:10:18
「笑って隠そうとするけどね」
ニルツェ
18:11:05
「そうそう。だって暗い顔してるよりはいいじゃん? 笑う門には福来る、ってね」
ゾール
18:11:50
「じゃあ、別に居る必要もないわね」
ニルツェ
18:12:26
「あ、ちょちょちょ、待ってよ! 意地悪しないで一緒にいて!」
ゾール
18:13:14
「意地悪のつもりはなかったな」 口元が笑む。
18:14:23
片付けかけたが中断し、空のコップに水を注ぐ。
ニルツェ
18:15:26
「えー…… ほんとかなー……」 意地悪のつもりじゃない、という彼女の言葉に、こちらも笑いながら返して
ゾール
18:17:08
「まあ、心配でなかったらそもそもここへ来ることもない」
18:17:36
「私がこれからも貴女を頼るように、貴女も頼ってくれていいだけのこと」
ニルツェ
18:18:40
「……ん」 笑みの中に、照れたような色が混ざって、 「ありがと、心配してくれて」
ゾール
18:19:47
「……」 言葉を探すように一時の間。
18:21:07
「友人として当然」 「……いえ、どういたしまして」
ニルツェ
18:23:47
ふふ、と笑って、 「――でも、よく気が付いたねえ」 まだ降りてきていないと人に聞いたとは言っていたけれど。自分は友人が起きているか、いちいち確認したりはしないし、ゾールだって普段はそうだろう、と。
18:24:55
「……あ。でもさ、2人して部屋に一日こもってるっていうのも勿体ないし…… このあとは、少しその辺をぶらぶらしない?」
ゾール
18:25:23
「……昨夜飲んだけど。なんとなく、引っかかったから」 目線をそらして言う。
18:25:46
「私が来なければそのつもりのようにも思えたけどね」
18:26:25
「なら、そうしよう。外の空気を吸おう」
ニルツェ
18:27:48
[]
18:28:18
「うん。たぶんゾールんが来なかったら、そのまま死んでた」 目線をそらすゾールに、あはは、と笑って
18:28:34
「よーし、決まり! ちゃちゃっと準備するから、少し待ってて」
18:29:01
グラスから最後に水を一口飲むと、着替えを引っ張りだして身支度をはじめた。
18:29:29
折しも外はいい天気、吹く風はさわやかだ。今日は、いい休日になるかもしれない。
ゾール
18:30:40
身支度を済ませる間、窓の外をずっと見ていたかも知れないし、なんか声がかかったらごめんと一言言って、お盆とか片付けて外へ出たかもしれない。
ニルツェ
18:31:30
こんなところかな…?
ゾール
18:31:50
せやね
18:31:54
おつかれさま、ありがとう
ニルツェ
18:33:06
こちらこそさんきゅう!
ゾール
18:33:20
じゃあ撤退
SYSTEM
18:33:24
様が退室しました。
ニルツェ
18:33:25
じゃあ〆て、おちておきましょう
SYSTEM
18:33:28
様が退室しました。
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