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2019/06/20
SYSTEM
00:35:18
 様が入室しました。
SYSTEM
00:36:15
様が入室しました。
 
00:36:21
出たわね。
00:36:33
絶対に負けない…!
 
00:36:42
最初のアレは受け持とう。
00:36:58
 
00:37:00
 
00:38:01
偽りと真実の魔剣を求めた者たちの迷宮から帰還し、事後処理を済ませた君は、ようやっと借り受けている部屋へ戻る時間を得た。
00:38:26
同居人に関する連絡はまだない。もしかしたら、実はもう帰ってきていて、何食わぬ顔で部屋で出迎えてくれるかもしれない。
00:39:04
そんなあり得ない期待を抱きながら、君は自室の扉の前までやってきて、ドアノブに手を掛けた所で、違和感を覚えるだろう。
00:39:18
そこには、掛かっているはずの鍵が掛かっていなかった。
フローラ
00:40:27
―――」咄嗟に手をかけたのは使い慣れたミスリル製のレイピア――ではなく、迷宮に手えた魔剣(キズナ)
00:41:41
ドアノブをマント越しに握って、ドアを開ける
 
00:42:05
軋む音を立てて、扉が開かれる。
00:42:28
部屋の中に乱れた様子はなく、見回せば、すぐにひとつの人影が目に入るだろう。
フローラ
00:43:34
そう、あの子が帰ってきたなら、こんな私を許してくれたというのなら……鍵を開けておくなんて不用心をする筈がない
 
00:43:39
“葉”たちに共通するといってもいい銀色の髪を揺らした、伏し目がちな少女。
00:44:19
本来此処に住まう少女とよく似た風貌の――けれどそれとはまったく異質の雰囲気を纏う少女が、ベッドの端に腰掛けていた。
シア
00:44:33
――おかえりなさい」
フローラ
00:45:51
「……」あの子は賢いから、大事な言いつけはしっかりと守ってくれた。だから、ここに帰って来ていない事は、分かっていた。 ただいま、という相手ではない
00:46:44
「招待した覚えはないのだけれど」
シア
00:47:16
「された覚えもないわ」 髪を一房摘み、くるくると指先で弄ぶ。
フローラ
00:48:58
「そう、でも覚えのある事があって訪ねてきた……違う?」 此処で事を構える様子が無いのを見てとって、ドアを閉め、鍵をかけると手近な椅子へと歩み寄り、テーブルに二本の剣を置いて腰かけた
シア
00:49:26
「……あら、冷静みたいね。あの時よりは、ずっと」
フローラ
00:51:54
「ええ、貴女には関係ないけれど、頭と肝の冷える経験を一度にしたから。」
シア
00:52:39
「そうね。関係ないわ、私には」
00:53:03
「興味もないし」 ふ、と嘲るような息を吐いて。
フローラ
00:54:12
「そう」あからさまな挑発には乗らず 「でも、わざわざ待っていてくれたわけよね? 用件は?」
シア
00:55:04
「教えてあげようと思って。あなたの人形の居所」
フローラ
00:56:31
「ラルカ、よ」 その答えは予測で来ていた事。彼女は”庭”の人間なのだとすれば、自分にそれ以外の話を持ち掛ける筈がない。
00:57:15
だが、その呼び名だけは許容できない。あの子はラルカだ。葉でも人形でもない。
シア
00:57:43
「同じでしょ。あの子から聞いてない? それ、“葉”にもなれない役立たずの共通の呼び名だって」
フローラ
01:00:17
「同じかもしれないけれど、違うわ。私にとって、ラルカはあの子。あなた達の言うソレとは全くの別人よ」
01:00:21
そう、”銘”は”銘”、それに縛られる必要はない。あの日、私はあの子を知らずにラルカと呼んでしまった。
01:01:24
その呼び名は彼女にとって忌むべきもので、相応しくなかったかもしれないけれど、”ラルカ”と過ごした日々は決して過ちでは無かった。
シア
01:01:42
「……そう」 その答えには無感情な頷きを返して、懐から取り出した琥珀色の飴をひとつ口に含んだ。
フローラ
01:03:36
「あの子は、無事なのね? 今、どうしているの?」 何処にいるの、よりも先に聞くべき事だ
シア
01:03:46
「あの子がまだ保護される前、出来損ない――ラルカというと怒られそうだし、腐葉とでも呼びましょうか。あの子たちは、使い道が本当になくてね」
01:04:17
フローラの問には答えず、ぼんやりと何処かを眺めながら語り始める。
フローラ
01:04:45
「ラルカでいいわ。あなた達がどう思おうと、私にとってはあの子の事だから」
01:05:22
腐葉(フヨウ)などという呼び名よりはずっとマシだ
シア
01:05:32
「訓練の案山子代わりに使われるか、新しい薬の実験台に使われるか、そのくらいしかなかったの」
01:06:10
この挑発にも乗らない様子を見て、つまらないと肩を竦める。 「仕方ないわね。人形とでもしておくわ」
フローラ
01:06:59
「……今は違うとでも? まさか、奈落の剣を……」”庭”がソレを使った活動をしているという情報は得ている。
シア
01:07:20
「出荷されるとしても、精々“花”として何処かの娼館に送られるくらい」
01:07:29
――あら、聡いのね」
01:07:55
「あの子は、出荷されたわ。“庭”から、《教団》に」
フローラ
01:09:29
「《教団》……《奈落の剣》の卸元、という認識で良かったかしら…」 ”根”のニルンの一件の後始末で僅かに得られた情報だ
シア
01:10:59
「ええ。“庭”の一部と取引している、狂神を信仰……でいいのかしら、あれは。まあ、そういう邪教集団よ。あなたの言う通り、〈奈落の剣〉を何らかの手段で生み出す、あるいはばら撒いているのも彼ら」
01:12:16
「彼らが丁度、忠実な実験体を欲しがっていてね。あの子は、その内の一人として提供されたわ」
フローラ
01:12:20
「……あなたの属する”庭”にとっては不都合、というわけ?」 こうしてその情報を寄越すというのは
シア
01:12:37
「いいえ、違うわ」
01:13:54
「あの子をそこへ出荷したのは、私の直接の上役。私は、彼女たちの身柄の教団への引き渡しを命じられたわ」
フローラ
01:14:07
「なら、これはあなた個人の思惑?」 それこそ、ナンセンスだ、という思いつきだが
シア
01:15:01
「……そうね、そうかも。別になかったと思うわ、来る必要は」
フローラ
01:16:41
「……あなた」 目を瞠る。纏う雰囲気は多きくは変わらない。だというのに、どうしてだろうか…以前とは違う、そんな風に感じた
シア
01:18:29
「あら、そんな目で見るのは違うわ。私は命令に従って、あの子を出荷した。あなたに仇なす事をしたのは、間違いないんだもの」
フローラ
01:20:27
「そうね、そうかもしれない。あなた達は私の敵、それは間違いないし、これだって罠かもしれない」
01:21:43
「でも…‥ありがとう、シア。あの子の事を教えてくれて」 席から立ち、頭を下げた。みすみす首を差し出すような姿勢だ。愚かな行為だろう。
シア
01:23:42
「……」 がり、と口の中で小さくなった飴を噛み砕く。 「私はね、命を大事にしているの」
01:25:14
「感情を持つ者には希望を与えて、感情のない者には感情を与えた上で、絶望させて、殺す。その瞬間の顔を見るのが好きだった」
フローラ
01:25:43
「それは、命を大事にしているのとは違うわ」
シア
01:26:48
「いいえ、私にとっては間違いなくそうだった。何よりも私の望みを優先する。これを、自分の命を大事にしていると言わずして、何と言うの」
01:27:40
「今は、少しだけ変わったわ。その望みが」
フローラ
01:27:59
「そう、でもあなた自身がそれに気付いたんでしょう? だって、あなたは”好きだった”と言ったわ」
シア
01:29:04
「気付いたんじゃないわ。殺されたのよ、そう思っていた私を」
フローラ
01:29:35
「そう、あなたを生かした人がいるのね」
シア
01:29:53
「……とはいっても、今もそういう事をしたくないわけじゃないし、簡単な切欠で、私はその愉悦を求めるでしょう」
フローラ
01:30:19
「己惚れでなければ…私も、あの子にとってのそうだったわ」
シア
01:31:05
「でも今は、それを壊す前に……最後にどうするのだとしても、まずは、見たい。あり得ないはずの可能性を」
01:31:43
「あの子、言ってたわ」
フローラ
01:32:04
「人は簡単なきっかけで変わるのよ。でも、中々、そのきっかけに気付けない…」
01:32:20
「ラルカが? なんて…?」
シア
01:32:56
「認めてくれた、褒めてくれた、そこに居ていいのだと生かしてくれたと」
フローラ
01:34:16
「………」 嗚呼、胸が詰まるような想いが込み上げてくる。どこまで温かく、切なく、苦い
シア
01:36:18
「その上で、あの子は抵抗もせずに出荷されていったわ」
フローラ
01:36:43
「……そう、なら迎えに行かなくちゃ」
シア
01:38:25
「実験台にされて、〈奈落の剣〉に喰われる事を知りながらも、ただ、大人しく」
フローラ
01:38:57
「私が、あの子に与えたそれを奪ってしまったから――
01:39:30
「なら、返してあげなきゃ……それはもう、あなたのものだからって」
シア
01:39:43
「……何だ、やっぱり馬鹿なのね、あなた」
フローラ
01:40:22
「ええ、そうよ。昔からよく言われたわお前の頭はお花畑(フローラ)だって」
シア
01:40:56
「今日わざわざ来てあげたのは、伝言を頼まれたから。あの子からね」
フローラ
01:41:20
「放っておいて、なんて言葉なら受け取るつもりは無いわ」
シア
01:41:58
「そんな言葉なら伝えないわ。意味がないもの」
フローラ
01:42:20
「なら、なんて……?」
シア
01:42:53
「『絶対に負けない』――真似なんですって、あなたの」
フローラ
01:45:32
―――…っ、ッふ、く……ふ、ふふ…っ」 完全に虚を突かれた。今度を抑えきれない、言葉に言い表せない感情の昂り。嗚咽が漏れる。それを無理やり笑みで上書きする
01:46:04
「ああ、もう……本当に、馬鹿ね…」」
01:48:02
「ありがとう、その言葉なら受け取らない訳にはいかない。伝えてくれて、本当にありがとう」
シア
01:48:35
「そう」 自分には真意は推し量りかねる言葉だが、伝わるものはあったのだろう。
01:48:50
「詳しい場所は、今は教えない。先走りそうだもの、あなた」
フローラ
01:49:15
「否定はしないわ、聞けば今にも飛び出してしまいそう」
01:49:40
「でも、ここでそれを知ればあなたにも累が及びかねない、だからしないわ」
シア
01:50:04
「そうね。それは困ってしまうわ」
01:50:27
「だから、店を通して、依頼として、あなたの元に届くようにしておくわ」
フローラ
01:50:38
「……偶発的に遭遇するように仕向ける事は出来る? 偶々冒険者がそこを発見してしまうような」
シア
01:52:02
「大丈夫。丁度いい駒がいるの。“庭”に恨みを持っていて、〈奈落の剣〉にも通じている、裏の世界に生きる知人が、ね」
01:52:55
「どういう形かはともかく、上手く伝わるように仕向けておくわ」
フローラ
01:52:58
「あら、それはとても理想的な協力者だわ」
01:53:45
「ええ、覚えておくわ」
シア
01:54:10
「私がするのはそこまで。助けはしないわ。罪滅ぼしなんてするつもりはないし、私はただあなたたちの末路を見たいだけだから」
フローラ
01:55:27
「……」
01:55:42
「あつかましいついでに、もう一つ、お願いしたい事があるんだけれど」
シア
01:55:56
「あなた次第よ、その後は」 そう言って、立ち上がる。 「……何?」
フローラ
01:56:31
私に薬を頂戴」 真っ直ぐにその目を見据えてそう告げた
シア
01:57:15
微かに目を見開いて。 「……何の薬?」
フローラ
01:59:49
「〈ダンス・マカブル〉に〈エンジェル・ダスト〉……私はどんなことをしてでも、あの子を助ける。その為に(くすり)が必要なら、使うわ」
シア
02:01:07
「個人的には、あげてもいいのだけれど」
02:01:55
「今のあなたに、ぴったりの言葉があるわ」
フローラ
02:02:42
「聞かせて貰える?」
シア
02:03:11
「馬鹿に付ける薬はない、よ」
フローラ
02:04:46
「ふふっ…確かにお似合い化も」
シア
02:05:48
「だから、あげないわ。今私が持ってるのは、私が使う分だけ。あなたにあげるなんて勿体無いこと、したくないの」
フローラ
02:05:49
「でも、薬になんて負けないわ……」
シア
02:07:15
「説得力のない言葉ね」
フローラ
02:07:52
「全くね。一度は負けて、この有り様で、また頼ろうとして」
02:08:49
「でも、無いなら無いで別の手を尽くすまでよ。自力に他力、何でも」
シア
02:09:38
足音もなく扉まで歩いていって、ノブに手を掛けて、動きを止める。 「ついでだし、最後に教えておいてあげるわ」
02:10:14
「あの子は、飲まなかったわ、薬」
02:10:45
微かに振り向いてそう告げると、扉を開いて部屋を後にした。
フローラ
02:10:59
「……そう、やっぱり、私よりもずっと賢いわ」
02:13:41
一人残された部屋の中で、ラルカが置いて行った荷物…騎獣の彫像を手に取り、胸に抱く
02:14:12
「必ず、迎えに行くから……待っていて」
02:16:26
あの日、別れ際にラルカは薬が飲みたいと……楽になりたいのだと言っていた。
02:17:13
あの子は薬を飲まなかった、そして負けないという言葉を贈ってくれた。
02:19:02
まだ”(つな)”がっている……か細い糸のようなものだけれど、ラルカが残してくれたそれを、今度こそ手放すまい。
02:21:21
そう、”ココロ”を"改"たに、魔剣の”鞘”を握り締めた――
02:21:34
 
02:21:37
 
 
02:21:48
また分からせてしまった( ˘ω˘ )
02:21:52
絶対に負けない…!
 
02:22:00
絶対に泣かせる
02:22:02
( ˘ω˘)スヤァ
SYSTEM
02:22:06
 様が退室しました。
02:22:19
もう泣いたさ…ムネぁいっぱいだ
SYSTEM
02:22:23
様が退室しました。
発言統計
その他(NPC)113回85.0%4641文字91.0%
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