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2019/10/12
SYSTEM
21:24:40
様が入室しました。
21:29:50
とある日、とある昼下がりの、とある通り。
21:30:50
街の何か所かに点在する、イルスファールが誇る市場のひとつだ。
21:32:00
来るものを拒まない、比較的広く開かれた国の性格を映し、各地から運ばれてきた、色とりどりの品々が並んでいる。
21:33:04
それを見に来た客たちも、さまざまだ。近所から来たらしき住人の顔もあれば、わざわざ旅をして此処を訪れたであろう、旅装姿の者もいる。
SYSTEM
21:33:44
様が入室しました。
ユウゴ
21:34:59
「………」 くあぁあぁ、と大欠伸をしたのは、ぼさぼさ頭の男だ。
21:37:00
背筋を曲げて、ポケットに手を突っ込んで歩く。人間のわりには比較的長身で、手足も長いので、ことさら姿勢が悪く見える。
21:38:01
屋台から漂ってくる匂いが鼻をくすぐる。肉の焼ける芳香と、香辛料のきいた香ばしい匂い。「………」 ぐーきゅるる、と腹時計が鳴った。
21:39:09
目力が強く、柄が悪く見られがちな顔を、いまは怠惰にどんよりさせて、腹を撫でる。「――腹減ったなァ」
ネフィー
21:41:31
何をしにきたかと言えば、何かを食べに。ついでに何か面白いものがあれば。そう思ってここへと足を運んできた者の一人だ。
21:42:29
「なんかないかなー。なんもないかなー?」 何もないことはないけど、見慣れたものも多い。
ユウゴ
21:43:43
「………」 頭の中で財布の中身を確認。くそ、と毒づいて、肉屋の前を通り過ぎた。
ネフィー
21:43:52
「まま何か制覇するとかしたことはーないけど……」 とぐるりと見渡したところで、見覚えあるような背丈の後ろ姿を見つける。
ユウゴ
21:44:37
視線には気づかず、そのままぶらぶらと歩いていく。すこし行ったところで、果物屋の、山と積まれた林檎が目に入る。
ネフィー
21:46:00
「おっあれは。時同じくして昼飯買う系? ありつけられそうか尾けちゃおっかな!」 そうして人混みに紛れ尾行を開始するのだ。
ユウゴ
21:46:11
――……」 ユウゴは速度を変えず、そのまま歩いていき―― 通り過ぎる。心得があり、注意深く見ていたなら、通り過ぎる瞬間に、果物の山から一つ掠め取ったことがわかるかもしれない。
ネフィー
21:46:57
盗ったどー!
21:47:38
「……あ、盗った。なんだお金ないのユウゴくんったら」 見てたわ。
ユウゴ
21:48:02
店員にも、店の客にも気づかれずに、何喰わぬ顔でしばらく歩いてから、いつの間にか手の陰に持っていた林檎を、当然のようにしゃくりと食んだ。
ネフィー
21:48:47
「これじゃたかれないなぁ」 頬がむくれる。
21:50:31
「でも林檎一つで満たされないっしょ。まだ何かするかな?」 期待して、尾行を続ける。足取りはとても軽やかだ。
ユウゴ
21:50:37
――ま、こんなじゃ腹は膨れねえが」 みずみずしい林檎を齧りつつ、なおも歩く。
21:51:01
しばらく行った所で、ふと、ユウゴの視線が下へ落ちた。
21:51:15
――……」
21:51:24
足も止まる。
21:51:44
いまのネフィーの位置からは、視線の先が物陰になって見えない。
ネフィー
21:53:39
「むむむ。ちょうど物陰で見えなくなった。何か見つけたかな」 何よ何よと、そーっと距離を詰めていく。
ユウゴ
21:56:46
みすぼらしい姿の痩せた少年と少女が、道脇に積まれた木箱の傍に座り込んでいた。
ネフィー
21:58:06
「……お、所謂ちっさいユウゴ的なやつ」
ユウゴ
22:00:48
ネフィーの位置からは、ユウゴの表情は見えない。「………」 ふたりの方へ、ぽい、と食べかけの林檎を放って寄越すのは見えた。
ネフィー
22:01:22
「ほぉ~う……?」
ユウゴ
22:04:33
子供と特に言葉や視線を交わすこともせず、何事も無かったかのように再び、歩いていく。
ネフィー
22:05:37
「(盗品だけどあげちゃうんだねぇ。……あ、先行っちゃうわ)」
22:07:25
ユウゴが少年と少女から大分離れたところで、走って近づいていった。
ユウゴ
22:08:05
――あー、腹減ったなクソ……」 と毒づく声が聞こえてくる。
22:08:25
と同時に、ユウゴの方も、背後から近づく足音に気づいた。「―――?」 肩越しに、ちらりと振り返る。
ネフィー
22:09:31
「どしたのユウゴく~ん、ここ何か隠された美味しいお店とかある感じ~?」 鬱陶しい笑顔が追いついてきた。
ユウゴ
22:11:39
「……げ」 と、いやそうな顔をした。
22:11:55
鬱陶しい笑顔が追いかけてきたのだ、自然な反応であろう。
ネフィー
22:13:10
「そぉーんなに嫌そうな顔してそれはまさか本当にある感じ!? どこよどこどこ」 軽々しく服を引っ張りにかかる。
ユウゴ
22:15:38
引っ張るネフィーの手をはたき落とし、「ねェよ。つーか知らねェよ」
ネフィー
22:16:20
「あーん空腹っぽいから機嫌悪げ~」
ユウゴ
22:16:29
「ったく、ただでさえ腹が減ってイライラしてるってのによ――あ、そーだ。ネフィー、お前奢ってくれよ」
22:16:57
「飯」 人にものを頼む態度ではない
ネフィー
22:17:25
「なんだーないんだ。外れに行くから目当てにできるものあるかと思った」
22:17:52
「え~私に頼んじゃうの? どっしよっかな~!」
ユウゴ
22:19:20
「美味い話でも転がってねーかと思ってな」
22:19:40
「おいおい。頼むよ、朝からマトモなもの喰ってねーんだ」
ネフィー
22:19:49
「奢ろうかな~、奢らないかなぁ~」 にたにた歯を見せて笑ってる。
22:20:15
「まー奢るんだけどね」
22:20:37
「ふ~ん? そうなんだ。まー腹が減っては依頼も出来ぬって感じ。保存食の一つもないのはユウゴらしいね~」
ユウゴ
22:20:49
「へへっ、話が分かるな!」
22:21:19
――いや、そこはこう…… 色々と、やむにやまれぬ事情がだな……」
ネフィー
22:21:44
「どんな事情か教えてよ~それで奢らないとかにしないからさぁ~~」
22:21:57
「ねぇねぇ今度は何で素寒貧になったの?」
22:22:17
「教えて教えて?」 わざと上目遣いで。
ユウゴ
22:23:39
――そこは、まあ、何だ」 わずかに目が泳ぐ。
22:23:47
「(賭場に)貸してた金を、ちょっくら引き出そうと思ったんだがよ――どうも日が悪かったみてーでな」
22:24:27
「気づいたら、昨日入った依頼料がなくなっててよ。不思議だよな」
ネフィー
22:25:13
「そっかー負けちゃったんだータイヘンダネ」
ユウゴ
22:25:45
「………」
ネフィー
22:25:57
「ウケる」
22:26:20
隠しもせずにうふふと笑う。
22:27:49
「不思議だねぇユウゴくん」
ユウゴ
22:27:57
「……オウ」
ネフィー
22:29:09
この男が誰かに貸すなんてことそもそもしないだろうし、そういう金もないだろうから、それとは違う話なのだろうと思ってそう言ったのだった。
ユウゴ
22:29:12
言うんじゃなかった、という顔をしたが、しかしそれくらいではめげない。「つーわけでよ、貸しにしといてくれ。頼むぜネフィー、いやネフィーさん」
ネフィー
22:29:46
「いーよいーよ、良きに計らえ! でもなんかユウゴが私にさん付けとかなんか気持ち悪いね?」
22:30:26
「うふふ。あと別に貸しじゃなくてもいーや」
ユウゴ
22:31:11
「そりゃ確かに」 と、からから笑って。 「――おい、何だよ、いやに優しいじゃねーか」 微妙に警戒の表情。
ネフィー
22:32:21
「そんな疑問に思うこともないっしょ。グラスランナーは気前もいいって話聞いたりしない? ないか。そうよねー!」 警戒をにじませたユウゴにけらけらと笑いかける。
ユウゴ
22:35:58
「残念ながら聞いた事ねぇな。っていうより、お前以外のヤツとそう付き合いもねェし」
22:36:40
「そんなコトより、なに喰いに行く? 肉か? 魚か? 遠慮するなよ、お前の金だし」
ネフィー
22:38:13
「そうねぇ~、林檎狩りには飽き飽きだろうし、やっぱ肉じゃない? こっからなら青果店抜けた先に、ふりかけるスパイス売りにしてるとこあったっしょ」
22:39:13
「てゆか魚で思ったけど、ユウゴ釣り覚えれば? なくなってもなんか釣って食べれるんじゃない?」
ユウゴ
22:40:32
――お前、見てたのかよ。……いや、尾けてたな? くそ……」
ネフィー
22:41:16
「え~?? 何を見てたのカナー」 わざとらしいすっとぼけた素振り。
ユウゴ
22:43:39
溜息、「釣りならたまにやるぜ。外をほっつき歩いてる時に、時間があれば時々な」
22:44:18
「ともかくだ、肉はいいな。がっつりしたものが喰いてぇと思ったところよ」
ネフィー
22:45:16
「空腹で時間がないからインスタントにイケる方をとったと」 うんうん頷いた。
22:47:51
「お、これは遠慮せずに喰う気のやつだ。そんじゃそっから市場に戻ろうよ、ここ引き返したくないでしょ?」
22:48:08
向こう向こう、と往く道指差して。
ユウゴ
22:50:13
「ああ」 と頷く。確かに、引き返すには少々抵抗がある、いろいろと。
22:50:54
歩きながら、ふと、「――そういや、お前は何やってたんだよ。何か用事でもあったのか?」
ネフィー
22:52:36
「私ー? 私は何か食べに。あと何か面白いのないかなーって」
ユウゴ
22:53:16
なんだ、腹を空かせてるのは同じか、と思いつつ、「面白いの?」
ネフィー
22:55:09
「うん。見世物とかなんかやったりしてる時あるでしょ。あと人が居るなら何か起こったりするとかそういう」
ユウゴ
22:56:48
ネフィーを横に見下ろしつつ、「なんだ。お前も暇なやつだな」 完全に、自分を棚に上げたコメントを述べた。
ネフィー
22:59:55
「ユウゴみたいに何も得られずにスってるよりマシかな~」
ユウゴ
23:01:33
「しらねーな~。証拠はねェし、ブツもない」 ポケットから両手を出して、ひらひら。 「それに、何も得られずって訳じゃねえだろ。現に、お前とばったり会ったしよ」
ネフィー
23:04:15
「完全に何もないの、潔い生き方してるよねユウゴ」
ユウゴ
23:05:46
「宵越しのガメルを持ってても、仕方ねェだろ」
ネフィー
23:07:30
「奢らなかったら得るものに入ってないけどね!」
23:08:14
「やっすい食い物食べるぐらいは残してみてもいんじゃない?」
ユウゴ
23:09:39
「………」 こいつ俺の事を馬鹿だと思ってる、だと、というような顔で、半目で見下ろした。
23:09:50
思ってるだろ
ネフィー
23:11:18
「おおっと、なんか視線が痛いぞ~」
ユウゴ
23:11:28
――お、い~い匂いがしてきたぜ。ほらよ、あそこだろ」 いつの間にか、ぐるりと市場を戻ってきた所。肉の串焼きを売る屋台を見つけて。
ネフィー
23:13:49
「そうそう、あそこあそこ。これだけ美味しいにおいしてるのに通り過ぎるんだもんね~」
屋台の店員
23:14:52
「やあ、いらっしゃい」
23:15:36
額に汗を浮かべ、次から次へと肉を焼きながら、慣れた笑顔で二人に声をかけてくる。
ネフィー
23:17:20
「今日のおすすめどれー?」 人当たりよく(見えそうな)人懐こい笑顔で店員に聞く。
屋台の店員
23:19:33
「どれも旨いよ。付き合いのある狩人から直接仕入れた肉さ」
23:20:05
鹿肉や、猪肉、鶏肉などが主だろうか。
ネフィー
23:21:45
「ほ~。そんじゃさー、一種ずつ食べたい! 串に一種ずつ刺して~」
屋台の店員
23:22:20
「はいよ」 とネフィーの注文に快活に応え、 「そっちのお兄さんは?」
ユウゴ
23:22:54
「おう。鹿と猪の串肉、一本ずつ頼むわ」
23:23:35
遠慮を見せずに注文する。
屋台の店員
23:25:31
「ほい。お嬢ちゃんにはこっち。一つサービスしておいたよ。ほら、お兄さんも」 と、ネフィーには、各種のお肉を一本にまとめたもの、ユウゴにいは、二本の串肉を手渡す。
ネフィー
23:29:33
「やーんおじ様ありがとう♥ はい、それじゃこうかな」 両手を合わせ、手の甲を自分の頬にやんわりとのせてかわいこぶったあとに、ガメルを提示した。
ユウゴ
23:30:13
脂ののった芳香。スパイスの香り。鼻を動かして、「へへっ、やっぱ肉はいいよなァ」 と、がぶり。
23:30:55
「………」 肉にかぶりつきながら、ぶりっこするネフィーを見つめた。
屋台の店員
23:31:10
「ははっ、毎度!」
23:32:29
ネフィーから代金を受け取り、「気に入ったら、またごひいきにしてくれよ」 と、笑った。
ネフィー
23:34:44
「ありがとねー」 機嫌良さそうに手をふりふり振ったところでユウゴに気づく。
ユウゴ
23:35:20
店を離れ、買ったものを食べ歩きしながら、「………」 もぐもぐ。
ネフィー
23:35:49
同じく離れたところで、かぶりついた。「おー、言うだけある~」 むぐむぐ。
23:36:02
「どしたのユウゴ。かわいかった?」 ウィンクした。
ユウゴ
23:36:53
「……莫迦。一体、どっから声出てるんだって呆れてたところだよ」
ネフィー
23:41:24
「え~そう? 割といい感じだと思うんだけど~」
ユウゴ
23:43:52
――ま、実際おまけついてるしな」 自分の容貌も計算に入れた、世渡りの仕方というわけだ。堂に入っている。
23:44:38
――とはいえ、普段の姿を知っている者としては、どこかぞわぞわするのもまた然り。
ネフィー
23:46:52
「ユウゴもやってみrぐふっ」 言ってて、即座に想像して自滅したのか咽る。
ユウゴ
23:47:18
「……おい」
23:47:35
「勝手に想像して、勝手にウケんな」
ネフィー
23:49:31
「うぐ、うふっふぅ……っげふ、えっふ」 ひとしきり咳き込んで
23:49:49
「やったらやばかったわ」
ユウゴ
23:50:17
「やらねェからな」 念押し。
ネフィー
23:50:39
「夜でならウケるかも」
ユウゴ
23:52:01
串から、猪肉を豪快に噛みちぎり、もぐもぐと咀嚼。「あん――夜?」
ネフィー
23:53:13
「ほら、そういう趣味の人の目にとまるだろうから……おー臭み少ない」 もぐもぐ。
ユウゴ
23:54:08
「やめろ、飯がまずくなる」 ネフィーの頭をぐりぐり。
ネフィー
23:56:53
「んおおおお」 食べながらぐりぐりされる。
ユウゴ
23:57:40
ひとしきりネフィーの頭をいじめた後、「ったく」と手を離して、
23:58:53
「……なあ、ネフィー」 不意に、マジな声。
ネフィー
23:59:21
「何どしたの、そんな声だしちゃって。変な肉混ざってた?」
ユウゴ
23:59:57
「逆だ。この肉は旨い。旨いが――だからこそ、何か足りない気がしねえか」
2019/10/13
ネフィー
00:01:03
「ん~~? 美味しすぎていつも感じてる雑味がないって言いたい感じ?」
ユウゴ
00:01:38
――酒だ」
00:01:57
「ここに酒があったら最高だと思わねーか、ネフィー!?」
ネフィー
00:03:00
「あ、なーんだそゆこと」 得心したように食べかけの肉の刺さった串をくるくると回した。
00:04:36
「ならいいとこあるよ、そこいこーよ」
00:04:53
「ちょうど(酔い潰すには)いいお酒あるんだよねー」
ユウゴ
00:06:13
「話が分かるじゃねェか――!」 ネフィーの背をぽんと叩き、悪童のようにからからと笑って。
ネフィー
00:06:38
「お酒が欲しくなる味ってあるよねーうんうん」
ユウゴ
00:06:48
ネフィーの思惑をよそに、機嫌良さそうにしている。
00:07:04
「よっしゃ、行こうぜネフィー。案内してくれ」
ネフィー
00:09:57
「うっふふ。こっちこっち! 肉の味が無くなる前に早くいこ!」 自分のを食べきると、足早く先導する。
ユウゴ
00:11:47
「オウ」 食い扶持だけでなく、ただ酒も頂くつもりなのか。しめしめ、という感じで、ネフィーの後ろをついて歩いていくのだ。
ネフィー
00:13:16
「(ふふふ。多くを求め過ぎたねぇユウゴ……ウフフフ)」
ユウゴ
00:13:40
不穏。
ネフィー
00:14:10
ソンナコトナイヨ
00:17:42
その後、ユウゴが酔いから覚ました時にはネフィーの姿は無く、自分が飲んだ分は支払われておらず、その店にツケを作ることになってしまったのだった。
ユウゴ
00:18:58
――ね、ネフィーの野郎ぉ……!」
00:19:15
おあとがよろしいようで
00:19:35
ユウゴがわるいよ
00:19:38
おつおつ
00:19:40
はい
00:19:52
ひとにたかってはいけない(戒め
00:20:08
たかろうとしましたがたかってはいけない
00:20:10
たかります
00:20:38
おつかれさま~
SYSTEM
00:20:40
様が退室しました。
00:20:40
ありがとうございまし撤退
SYSTEM
00:20:43
様が退室しました。
発言統計
その他(NPC)149回92.0%5579文字95.7%
13回8.0%250文字4.3%
合計162回5829文字