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2019/11/27
SYSTEM
00:35:49
 様が入室しました。
SYSTEM
00:36:24
 様が入室しました。
 
00:37:00
夜遅いと姉様が心配するので午後にでも
 
00:37:15
夜更かしは美容の天敵ですからねぇ
TOPIC
00:37:26
星の標、午後 by  
 
00:37:38
 
00:37:39
 
00:38:22
《星の標》、イルスファール王国にその名を知られる冒険者の店である。
00:39:32
その名に惹かれてか、その名が示す通りにか、綺羅星の如き優秀な冒険者が数多く集まり、各地で活躍している。
00:41:01
そんな中、あまり冒険者らしからぬ者もある程度はいるわけで…
00:41:43
依頼があらかた掃けてしまった昼下がり、店内は活気に欠ける。
00:42:34
仕事にあぶれた冒険者はと言えば、日雇いの仕事に向かったり訓練に勤しんだり、あるいは昼間から安酒を煽って我が身の不運を嘆くのが関の山
00:43:22
そんな中、場違いな空気に包まれたテーブルがある。
00:44:14
その男の場違いぶりについては最早語るまでもない、冒険者にして作家、イルシオンその人が陣取っている席だ。
イルシオン
00:45:51
「懐は温かく、そして凝り固まっていた執筆作業も進み、いやぁ順風満帆ですね。とはいえ奢ればまた唸る日々が来てしまいますが」
00:48:16
「気分転換に何か軽い短編でも執筆しましょうかね。おやおやこれでは私執筆から逃れられないじゃないですかハハハハ」 独り言。しかしそれは誰かに語りけるかの様な。聞かれなくても気にしない。こういう男なのだ
 
00:49:05
彼は周囲の人々からおおよそ変人・変態の類と思われている。間違ってはいない。
イルシオン
00:50:10
「チェインソー、イルスファールへ… やめておきましょう。…いよいよ列車でDの続きを…?天啓が降りるまで保留しましょう」
 
00:50:38
だから、基本的に仕事の無い状況で好き好んで彼に近付くものは居ない。下手に話しかけると怪しげな本の登場人物(ネタ)にされるというのが専らの噂だ。 間違ってはいない。
00:51:30
したがって、そんな席に自分から近づいて行くその少女もまた、大いに場違いと言えるだろう。
イルシオン
00:52:23
「ふーむ、いざ考えるとなると悩みますねぇ。アレコレと書けるネタはあるのですが、選択するという贅沢な悩み!余裕があるときにしか味わえませんが」
ミレイユ
00:52:56
「……」サラリと流れる長い銀の髪の少女が胸に一冊の本をしっかりと抱えて店に姿を現した。きょろきょろと何かを捜して…
イルシオン
00:54:36
「いっそ花占いで決めてしましょうか。花はー…あ、ありませんでした。店主、花を下さい。え?ない?」 
ミレイユ
00:54:49
「……」いつもの席に目当ての人物を見つけると、パッと表情が華やいだ。思わず小走りに近付こうとして、ハッと思い留まってゆっくりと歩いて行く
00:56:11
「せ……、…先生、こ、こんにち、は」 本を抱えたままお辞儀をした。題名や表紙の飾り絵の類は無い、日記帳や帳面の類だろう。
イルシオン
00:57:02
「はてさて、どう過ごす――おや」 聞きなれた声に見慣れた姿が視界に留まる。
00:57:26
「こんにちはミレイユさん。お久しぶりですね」
ミレイユ
00:58:38
「……」とても嬉しそうな笑みを浮かべて頷いた。この少女は言葉を話す事に少々不自由がある。その代わり、普段からこうして表情や態度で補おうとしている。
イルシオン
01:00:04
「ふふ、上機嫌ですね。何かいい事でもありましたか?…と、宜しければ向い側にどうぞ」
ミレイユ
01:00:05
「せ……、…先生も、お元気、そうで…よかった、です」
イルシオン
01:02:28
「ええ、お陰様で。難航していた問題が解決致しましたので」
ミレイユ
01:02:54
大きく頷いて向かいの席に座り、手にしていた本をテーブルの上に置いた。やはり、刊行物ではない。いわゆる〈白紙の本〉として売られているものだ。
イルシオン
01:04:10
「今日は――…レティシアさんとご一緒ではないのですね。最近お見掛けしていませんが、彼女も息災ですか?」 フム、と本をみつつ
ミレイユ
01:04:25
「……」イルシオンの近況に良かった、と頷きつつ、しばし、テーブルに置いた本を見つめ、すこし緊張した面持ちでごくりと息を呑み
01:06:27
「あ……、……あの…、こ、これ……よ、読んで、ください、ませんか……?」姉の事を聞かれたのとほぼ同時に、ずい、と本をイルシオンの方へと押しやった。白皙がみるみる紅く染まって行く
 
01:06:56
遠巻きに様子を眺めていた誰かが「事案」と呟いた
イルシオン
01:08:59
「おや、私にですか?では読ませて頂きましょう」 本を受け取り、ミレイユの分の紅茶を注文
ミレイユ
01:10:04
「……」カチコチと身を強張らせ、真っ赤な顔でじっとイルシオンの手元、自分の渡した本を見つめている。一体何なのかと言えば――
 
01:11:16
それはある種の雑記帳のようで、最初にはまずイルシオンが手掛けた作品である『銀色少女』の続編についての細やかな感想が書かれていた。いつものファンレターだ。
01:13:36
そして、その続きに、どうやら冒険者としての仕事、ある依頼の顛末について要点が書かれていた。 https://sw.tale.blue/log/20191109B_0.html
01:14:25
とある村に蛮族の襲撃が予想され、村外れの砦に一時避難する必要があり、砦の調査に向かった事。
01:15:35
一緒に依頼に赴いた仲間の中に、自分と同じでダイアウルフを連れている女性がいた事。
01:16:49
目的地の砦に1人の少女が暮らしていて、彼女もまたダイアウルフに強い縁があって、それを通じて和解して、村人も交えて一致団結して蛮族を撃退した事。
イルシオン
01:17:37
――ほう。これは、これは」 
 
01:18:10
ファンレタとは異なり、報告書の写しか練習であろう飾り気のない文章だった。
01:18:32
だが、ページを捲ってみると、まだ続きがあった。
01:19:17
そこにはひとつの物語が書かれていた。
イルシオン
01:21:32
「…おや」
 
01:23:05
 
隠し砦の山犬姫 とある場所のとある村の出来事です。

その村の外れの山には古い砦がありました。
砦には人間嫌いの山犬のお姫様が住んでいて、村人が近づくとすぐに追い返してしまいます。

そんなある日、村に鬼がやってきました。
鬼は宝物を差し出さないとお前達を食ってやると脅かしてきましたが、村には宝物なんてありません。
困った村人は次の満月までに用意しますと約束して鬼に帰って貰いました。
でも、本当は宝物なんてどこにもありません。
村人は困って困って、山犬のお姫様に助けを 求めましたが、人間嫌いのお姫様は話を聞いてくれません。

そして、満月の晩、鬼が来るよりも前に村にやって来た者がいました。
旅人です。
なんと大きな白い山犬をつれた旅人でした。

旅人はどうしてあなた達は泣いているのかと尋ねました。
村人はこれから鬼に食べられてしまうこと、山犬のお姫様のことを話しました。
山犬を連れたあなたの話ならお姫様も聞いてくれるでしょうが、今から行っても間に合いません、と。

旅人は笑って言いました。それならまだ間に合います、と。
白い山犬が山の砦に向かって、るーるーるーと歌をうたいました。
すると、砦の方から、ろーろーろーと歌声が返ってきました。
るーるー、ろーろーと歌は森をこえ、小川をこえ、丘をこえて何度も響きました。

今のは何ですか、と村人は尋ねました。
すると旅人は言いました。山犬のお姫様は人間の言葉が分からないだけで、本当は仲良く なりたかったのだ、と。
自分は山犬の言葉が分かるので、山犬の歌に言葉を乗せてもらい、たった今、お姫様と話し合ったのだ、と。

村人はとてもびっくりしました。
旅人は白い山犬と村人たちを連れ、森をこえ、小川をこえ、丘をこえて、砦に向かいます。
後ろにはあの恐ろしい鬼が迫っています。
鬼が近づいてくると、山犬の歌が響きあっては 近道やハチの巣、深い谷の場所を教え、鬼が追い付けないように助けてくれます。
01:23:55
それは、先に書かれていた依頼を下敷きにした童話のような物語だった。
01:25:31
山犬の姫と村人が、旅人と白い山犬を通じて絆を結び、共に大きな脅威(鬼)を退ける事で、その絆が後にも続いてゆくという流れの話だ。
01:25:53
物語の最後は、『こうして、山犬のお姫様は村人たちと仲良くなる事が出来ました。 そこに生れた絆は村にとって何よりも大きな宝物になりました。 めでたしめでたし』と締めくくられている。
01:27:07
人族同士の協調の大切さを謳った、よくある話と言えよう。
ミレイユ
01:28:44
「…………」本を手渡してからずっと、なんだかぷるぷるしている。
イルシオン
01:29:13
―――」 ミレイユはイルシオンのもう一つの「顔」を今日初めて知ったかもしれない。余裕ぶり飄々としたいつもの表情は無く、目を細め終始無言。真摯に「作品」と向き合っている。彼の作家としての顔だ。
ミレイユ
01:31:57
「…………」段々不安になって来たのか、羞恥の赤は波のように引いていき、青ざめてきた。ああ、やっぱり止せばいいのに、と自分でも思ったのだが
イルシオン
01:32:19
「…」 読み終えたのか、パタリと本を閉じる。そして視線はミレイユへと向けられた。
ミレイユ
01:33:16
彼の作品を読んでいるうちに、自分も何かを形にしたくなったのだ。この喋る事のままならない舌の代わりに、文章で
イルシオン
01:33:28
「ミレイユさん。仮の話で良ければ、お話しても?」
ミレイユ
01:34:24
「っ……、……は、はい…‥‥」
イルシオン
01:35:47
「もし、ミレイユさんが冒険者を止める時が来たのならば」
01:36:05
「童話作家になってみませんか?」
ミレイユ
01:36:41
「……?」 冒険者を止める話、どうしてそんな事を、小首を傾げ
01:37:24
「……え、……え? あ、あの、わ、わた……?  え?」
イルシオン
01:38:10
「まぁ、私のように現役で兼業をするというのも良いですが。何、将来の選択肢を増やすのも悪くはないと思いましてね」
01:39:55
「いやはやミレイユさんにこのような才能があるとは。解りやすく、そして惹かれる物語でした。よくある話と言ってしまえばそれまでですが――それを表現するのはとても難しいモノです」
ミレイユ
01:39:57
「わ……、……私が……、………」考えたことも無かったという顔で、イルシオンの提案を聞いた。先の事、将来の事、実のところ、考えた事は無かった
イルシオン
01:42:56
「目に入る情報というのは直接的です。文字であれ絵であれ、見た者の心を揺さぶるモノです」
ミレイユ
01:44:00
「そ……、…そんな、私…せ、先生、みたいには……た、ただ……」 ただ……そう、思った事、感じた事を、誰かに伝えたくて
イルシオン
01:46:20
「貴女はソレを見事に綴った。胸を張って誇りなさい。…というか、正直にいいますとですね」
01:47:12
「ミレイユさん、貴女の作品が読みたくなりました
ミレイユ
01:48:00
「……」パチクリと瞬きをして、ポカンと口を開けて
01:49:10
「……っ」 それがはしたない仕草だと気付いて慌てて両手で口を覆い隠す。顔に熱が集まるのはそのせいばかりではないけれど
イルシオン
01:50:54
「まあ、私個人の我儘です。どうするかはミレイユさんがお決めになりなさい。物語を書き綴るというのは楽しいものですが、私のように経験した物を綴るとなると、血生臭い事のほうが多くなるでしょう」
ミレイユ
01:53:07
「……」口を隠していた手に火照った顔を沈めていく。取り留めもなく書き綴った物語を作品として評価された事、それが嬉しい。恥ずかしい。
イルシオン
01:54:24
「それでも尚、この山犬のお姫様と村人達のように――幸せな結末を望み。暖かな物を書きたい、書いていきたいと望むならば」
ミレイユ
01:55:08
「……」同時に、自分が先の事を考えたことなんてなかったのだと気付かされた。姉と共に復讐の旅をしてきた。自分にとっては残された家族である姉の方が大切で、復讐を諦めて欲しいと、そればかりを考えていて、自分がこうありたいなんて考えていなかった。
イルシオン
01:56:08
「助力は惜しみませんよ。作家仲間として、同じ冒険者同士として」
ミレイユ
02:02:08
「あ……、……あの……、…ま、また……」 恐る恐る顔を上げ、伺うように問うた。 また物語を書き綴ったら、読んで貰えますか、と
イルシオン
02:03:27
「ええ、是非。私も楽しみが増えましたねぇ」
02:04:51
「…ふむ、となるとアレですかね。私もミレイユさんにファンレター綴ったほうがいいんですかね?我ながら妙案では?ミレイユさんに自信がつけば知己の方達に読んでもらうという手も」
ミレイユ
02:05:53
「………」やっと笑みを浮かべる余裕が出来たと思ったら、ファンレタなんて! 「!?」 そんな、とんでもない、と首を横に振り振り
02:07:24
そう、まだ、恥ずかしくて姉にも見せる事が出来ていないのだ。 それならどうして赤の他人であり、作家業を営む本職の彼に見せようなどと思ってしまったのか
イルシオン
02:08:06
「まぁまぁ、誰かから感想を貰える事は励みにもなりますよ。そうですねぇ…そう大層な事と捉えずに、同好会のようなモノと思えばいいのですよ」
ミレイユ
02:09:51
「そ……、……それ、なら……、あの、そ、その本、に……」 今渡した本に感想か添削を書いて貰って、あとで返して貰うというのはどうか
イルシオン
02:11:22
「ふむ。そうですね、最初はソレでいきましょうか。…いやしかし、フフフ。ミレイユさんに出会えた事には本当に感謝しなくてはなりませんねぇ」
ミレイユ
02:13:26
「わ……、…わた、わ、私、も…‥、せ、先生、に……」
イルシオン
02:15:11
「ええ、互いに出会えた事に感謝しましょう」 本を携え、立ち上がり
ミレイユ
02:17:28
「……」さっきからみっともないところばかりなので、深呼吸をして気持ちを落ち着け
イルシオン
02:17:53
「ああ、そうだミレイユさん。銀色少女の新刊は読まれたんですよね?」 童話物語の前にファンレターを貰ったのを思い出し
ミレイユ
02:19:38
「……」こくりこくりと何度も頷いた。頷いた回数だけ読み返した。
イルシオン
02:21:33
「ふふ、察しているとは思いますが――少女の前に現れた男のモデル。お解りですよね?」 少し意地悪気な笑みを浮かべた。
ミレイユ
02:26:32
「そ……、…それは、……はい」 読んですぐに気づいた。がよく承諾したものだなと思ったけれど、途端に物語に新たな起伏が生まれたと感じた。この先どうなるのだろうか
02:27:45
「………」そのうち姉に似た人も出てくるのではなかろうか、もしかしたら、イルシオン自身も……?
02:28:04
思わず、相手の顔をまじまじと見つめてしまった。
イルシオン
02:28:40
「あ、先に行っておきますが私は出ませんよ。作家のジンクスというヤツがありましてね?」
02:29:19
「作者自身を登場させるとどんなに壮大で良い作品でもダメになるというジンクスがですね」
ミレイユ
02:30:06
「……」それを聞いて、すこしだけがっかりして、ただ、自分自身を出すと駄目になるという部分については分かる気がする。
イルシオン
02:30:49
「フフフ、それにしても」
02:31:09
「まさか彼から承諾を得れるとは思いませんでしたよ。これだから人との繋がりというのは面白い。ミレイユさんも物語を書いていくうちに、以外な出会いと付き合いが生まれるかもしれませんよ」
ミレイユ
02:31:34
あの物語を書いた時、旅人役に自分を当てはめると、実際にその役回りに居たにも拘らず妙に気恥ずかしくて筆が進まなかった。
イルシオン
02:32:18
「さて、私はそろそろ部屋に戻るとしましょう。外野もそろそろ騒がしくなってきましたし」
ミレイユ
02:32:49
だから、あの旅人役は、それと書いてはいないけれど、自分が尊敬するある人をモデルにしたのだ。
02:33:34
「え……?」 外野という言葉に周りを見た。 ものすごい勢いでそっぽを向く人たちがいた
イルシオン
02:35:01
「全く、見世物ではありませんよ。(そういうプレイは好きですが)」  「では、ミレイユさん。後ほど感想をしたためてお渡ししますので」
02:35:28
軽く一礼し、男は二階へと上がっていった。
ミレイユ
02:35:59
「わ……、…わ、私も……、し、……失礼、しま…す……っ」 カクカクと頷きつつ、慌ただしくその場を離れたのだった。
02:37:18
後になって、まるで交換日記のようだと気付いて部屋で身悶えする事になるのは先のお話……
 
02:39:14
 
02:39:18
 
02:39:30
こんなところかな!
 
02:39:36
ですねぇ
 
02:40:06
どうしよう、漠然としたあこがれや尊敬から一歩進んでしまいそう
 
02:40:12
会うたびに事案発生してしまいます。こんなに健全なお付き合いだというのに
02:40:38
そろそろお姉さんにシバかれそうで戦々恐々ですねぇフフフ
 
02:41:05
先生が叩かれて喜ぶって言うなら…(サンダーウェポン
 
02:41:21
あーすっごくいいですねぇ(絶頂)
02:41:34
さて、いきますかね。お付き合いありがとうございました
 
02:41:37
へ、へんたい!へんたい!
02:41:42
おつきあいありがとうございましたー
SYSTEM
02:41:45
 様が退室しました。
SYSTEM
02:41:51
 様が退室しました。
発言統計
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