星の標

ワールド/リアン地方

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作成者:雪斎 使用サイト:Inkarnate
※上記地図はあくまで大まかなイメージです。

概要

 ケルディオン大陸中央よりやや北側(リアン地方は北半球に位置します)に存在する、蛇頭海と呼ばれる内海を中心とした地方です。
 気候は一年を通して温暖で、豊かな四季を持ちます。平野部は極端な寒暖差がなく、過ごしやすい環境にあると言えます。
 リアン地方の名は蛇頭海東部から大きく突き出した半島であるリアン島に由来します。
 リアン島にはかつてリアン帝国という大国が存在し、この地方の盟主となっていましたが、〈大破局〉時に滅亡しました。
 他の地方と比べると〈大破局〉時の大地震等の被害は少なかったとはいえ、その影響は図り知れず、さらに最大の軍事力を有するリアン帝国の崩壊もあって地方は大混乱に陥り、それに乗じた蛮族の強襲により、数多の都市や国が滅ぼされています。
 〈大破局〉から300年後の現在、蛮族勢力を南方のル・ガウ平原まで後退させることに成功していますが、蛇頭海南部は失陥したままです。
 また、北部地域も完全に蛮族を駆逐できた訳ではなく、必ずしも安全という訳ではありません。

蛇頭海(サーペント・ヘッド)

 碧蛇海の東方に位置し、サーペントネック海峡により碧蛇海と繋がっている巨大な内海です。
 西方の碧蛇海を大蛇の胴体に見立てた際、頭部に位置することからその名が付きました。
 基本的には温暖で穏やかな海ですが、嵐などの天候によっては大荒れすることもあります。
 蛇島海には大小の島々が存在し、人族の拠点も多く存在します。
 水産資源は豊富で、北部沿岸には漁村が多く見られますが、断崖や極端な浅瀬が多いため、大型船の入港できる港は限られています。
 リアン島近海は、〈大破局〉以降は頻繁に霧に覆われ、多くの船が行方不明となる危険海域となっています。

蛇頭海を渡る船

 かつて蛇頭海、碧蛇海は数多くの魔動船が就航し、自在に行き来をしていました。
 しかしながら〈大破局〉によりそれらの多くは破壊され、また維持をすることが困難となり、現存するものは稀です。
 飛空船よりはコストも低いため、ある程度はコアを流用するなどして新造されていますが、大型船となると沿岸部のいくつかの国家が多くて数隻を有する程度です。
 それ以外は多くが帆船であり、また、凪の多い海であるため、風に左右されないガレー船も多く採用されています。

リアン島

 蛇頭海東部から大きく突き出した半島です。
 かつてこの半島にはリアン帝国という国家が存在しました。
 魔動機文明にしては珍しく帝政を敷くこの国は、強大な国力と安定した統治により大いに栄え、地域一帯の覇権を握っていましたが、それゆえに〈大破局〉時には蛮族勢力の第一の標的となり猛攻撃を受けました。
 帝国側も総力を挙げて応戦し、半島全域で激戦が繰り広げられましたが、ある日を境に不可解な霧が半島各地に発生し、霧に覆われた地域とは連絡が途絶する様になりました。
 帝国は霧に対処出来ず、数日を置かずして半島全体が霧に覆われ、周辺国との連絡は断絶、調査に向かったものも帰還しませんでした。
 これを受けて、周辺国は帝国が陥落したと判断、自国の防衛もあり、半島は〈大破局〉の混乱が落ち着くまで放置されることとなりました。
 近年、霧も薄まり、上陸も可能となったことで数度に渡り調査隊が派遣されましたが、彼らから報告されたのは、崩壊した都市、頻繁に遭遇するアンデッド、暴走した魔動機、そして魔神の存在であり、調査隊の未帰還も頻発しました。
 蛮族との遭遇例も報告されましたが、この時は強力なアンデッドや魔神を前にやむを得ず共闘したといい、この接触によって、霧の発生は蛮族にとっても災厄と伝わっており、人族と同様に調査や発掘に上陸するのを除き、蛮族勢力は島に存在しないことが判明しました。
 この半島は人族、蛮族問わず災いをなす、呪いの島なのです。
 とはいえ、この地は魔動機文明の遺産が多数眠る、宝の山であることも確かです。
 現在、リスクの高さから国家規模の調査隊が派遣されることは少なくなりましたが、冒険者の活躍の場としては事欠きません。

サーペントネック海峡

 リアン地方南北を隔てる海峡で、西方の碧蛇海と東方の蛇頭海を繋ぐ出入り口です。
 ディニス大鋼国の拠点であり、南北両岸に城塞都市が存在します。
 特筆すべきは海峡の最狭部を繋ぐ鋼鉄製の大橋“大鋼橋”です。
 大鋼橋は魔動機文明時代に作られた跳ね上げ式の可動橋で、これを動作させる事により陸海の交通の流れを操っています。
 これにより、ディニス大鋼国は周辺地域の海運において非常に大きな権利を有しています。

ラーグ平原

 リアン地方東部に広がる広大な平原です。
 主に西はエシオラ川から東はユス川にかけての地域を指します。
 かつては数多くの国や都市が存在しましたが、その大多数が〈大破局〉の際に破壊され、現在は緑に飲まれてしまっています。
 長らく蛮族勢力の支配下に置かれていましたが、〈ユスの戦い〉と呼ばれる人族の反撃戦で蛮族軍は惨敗を喫し、現在その勢力は遥か南方へと追いやられています。
 農地に適した土壌のため開発が進んでおり、イルスファール王国周辺では大規模な田園風景を見ることが出来ます。
 とはいえ蛮族も完全に駆逐されているわけではなく、人族の拠点もまだまばらなため、この地を旅するには冒険者等の護衛が必要になるでしょう。

逢魔の森(デーモン・ウッズ)

 逢魔の森は、リアン地方南東部に広がる大森林です。
 外縁部は至って普通の森ですが、中心部に向かうにつれ木々は大きくなりその密度も増し、さらに危険な動植物や幻獣が出現する様になります。
 魔動機文明時代には別の名前で呼ばれており、危険性ばかりが高く旨味の無い土地とされ、開発は行われませんでした。
 ところが〈大破局〉以降、イルスファール王国が成立し、再びこの森に調査が入る様になってから、魔法文明時代のものと思われる遺跡が地表に露出しているのが度々発見され、この森は一気に注目される様になります。
 〈大破局〉後の復興を成し遂げたい各国において、魔法文明の遺産は非常に魅力的で、当然、一攫千金を夢見る冒険者にとっても注目の的となりました。
 ただし、〈大破局〉以降に遭遇する様になったのは遺跡だけではありません。
 先に説明した危険な動植物や幻獣の他に、たびたび魔神や“奈落の魔域”と遭遇するになり、その遭遇率は奥に進むにつれ高くなることが分かったのです。
 このことが、この森の現在の名前の由来となっており、生半可なパーティでこの森に立ち入ることは自殺行為とされています。

ユスの森

 イルスファール王国北部に広がる実り豊かな森林です。
 ニデア山の麓に位置しており、多種多様な動物が数多く生息しています。
 イルスファール王国近辺の復興により木材需要が高まっており、周囲には林業で成り立つ街や村が数多く存在します。

古龍の褥

 ニデア山北方に広がる樹海です。
 リアン地方の他の森林とは違った生態系を有し、大型の動植物や幻獣が多数生息しています。
 古龍が住まうと語られていますが、あまりに深い樹海のため、その実在を確かめた者はいません。
 また、魔法文明時代には魔法王の国が存在したと伝えられています。

エニア丘陵

 リアン地方とオルトラント地方の中間に存在する丘陵で、なだらかな丘が連続する地域です。
 遥か以前は交易路が存在しましたが、リアン地方東部が蛮族に占領されて以降、オルトラント側の手でその道は封鎖され、草木が生い茂るままとなっていました。
 リアン地方東部が人族の領域に回復されてから封鎖が解かれ、再び交易路が開発されています。

ルシスの大壁

 リアン地方東西を隔てるリアン地方最大の河川、エシオラ川に沿ってそびえ立つ、長大な石造の防壁です。
 少なくとも古代魔法文明時代から存在していたと思われ、魔動機文明時代の技術を以てしても取り壊す事は出来ず、東西交通の妨げとなっていました。
 〈大破局〉の際には逆にそれが功を奏し、東からの蛮族軍の進撃を食い止めるのに大いに役立ちました。

エシオラ大瀑布

 エシオラ川に存在する巨大な滝です。
 ギアカ山脈に連なるカスズ山の中腹から流れ落ちるこの滝は、幅約1キロメートル、最大落差は約300メートルに達し、その規模はケルディオン大陸随一です。
 麓には大きな湖が形成されており、魔動機文明時代には一大観光名所として知られていました。
 現在でも、死ぬまでに一度は見てみたいと、護衛を雇って観光に赴く者もいます。