星の標

聖女の残像 - 星の標
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聖女まじょの残像

分類:黄昏
知能
人間並み
知覚
五感
反応
英雄的
言語
魔法文明語、魔神語
生息地
亡国の魔域の残像
知名度/弱点値
19/23
弱点
物理ダメージ+2点
先制値
19
移動速度
18
生命抵抗力
22 (29)
精神抵抗力
20 (27)
攻撃方法(部位) 命中力 打撃点 回避力 防護点 HP MP
20 (27) 2d+28 15 (22) 18 266 141

特殊能力

[常]聖女の残像

 この魔物は「分類:人族、魔神」としても扱います。

[常]2回行動
[常]複数宣言=2回
[主]神聖魔法(ラーリス?)12レベル/魔力16(23)
[宣]魔力撃=+16ダメージ
[宣]薙ぎ払いⅡ
[常][宣]魔法適性

 戦闘特技《ターゲッティング》《魔法収束》《魔法制御》《魔法拡大/数》《マルチアクション》《足さばき》《鷹の目》を習得しています。

[常]再現:剣の加護/運命暗転

 視界内に存在する任意の対象の生死判定以外の行為判定で振った2dの出目を両方同時に裏返すことが出来ます。
 この能力は、1日に1度のみ使用可能です。

[常]望まれた希望

望まれた未来ラスト・グローミング」によって攻撃を受ける時、余分に「2」点のダメージを受けます。

[常]アルカナが示す未来

 特殊能力に「[常]アルカナ」が存在する武器を用いた攻撃、魔法、特殊能力などでダメージを受ける時、余分に「2」点のダメージを受けます。

戦利品

なし

解説

「ジャンヌ・ダルク」は古代魔法文明時代後期、圧政に苦しむ民を救うためにと立ち上がったひとりの少女です。圧政者である王らを打倒した彼女は民衆によって聖女と崇められますが、空に裂け目が現れ、無数の魔神たちが国を襲い始めました。
 ジャンヌは力を尽くして解決を目指しましたが打開策は見つからず、心身共に疲弊しきった民たちは新たな正義を掲げます。
「あの空の裂け目は、前王の企みを乗っ取り、魔神と共にこの世界を支配せんとする魔女の仕業によるものだ――」と。
 程なくして、聖女は手を差し伸べた民衆によって魔女へと仕立て上げられ、彼らの怒りの捌け口として火刑に処されました。しかしそれでも少女は人々を救うことを諦めず、最後までその成就を願い続けます。

 そんな少女の願いは〈奈落の剣〉によって聞き届けられ、少女の身体と精神はとある“奈落の魔域”へと閉じ込められ、救いを求めて独り足掻き続ける滅亡の2日間を繰り返し続けることになったのです。


 邪智暴虐の王は倒れた。
 これよりこの国はかの者のみの繁栄のために犠牲を強いる国ではなく、正しく人々が手を取り合うものに変わっていくのだと信じていた。
 ――だが、彼らの最後の抵抗だとでも言うように、空に裂け目が現れた。
 魔神たちが現れては、人々に襲いかかり、一向に解決の糸口も掴めないままに月日が過ぎる。

 そして、いつ何時魔神に襲われるか分からない、安息とは無縁の世界に疲弊した人々は、やがて別の正義を掲げた。
 あの空の裂け目は、前王の企みを乗っ取り、魔神と共にこの世界を支配せんとする魔女の仕業によるものだ――と。
 肉体的にも精神的にも疲弊していた人々は皆、我が意を得たりと言わんばかりにそれに乗った。
 いつまでもその事態を解決できないしようとしない私を、罪人へと仕立て上げたのだ。

 その熱はやがて国中に伝播し、私を信じてくれていた者も皆捕らえられ、処された。
 それでも私は彼らに報いるため、人々に真の平和を齎すために、一人戦い続ける。
 ……そんな日々は、長くは続かなかった。
 魔神との戦いで心身ともに限界を迎えていた私は、王国の者たちにあっさりと捕らえられ、"この処刑台"へと送られた。

 目を開き、空を見上げれば、悪魔が口を開き、この世界を飲み込もうとしている。
 視線を下げれば、終わらぬ悪夢に人々は惑い、狂い、口々に私を罵倒している。
 ――真に悪魔と交信したのは誰か。
 ――貴様は魔女だ。この国を破壊した魔女だ。
 ――貴様は裁かれねばならない。
 ――さすれば、神々の怒りも収まり、あの地獄の釜の蓋を閉じてくださることだろう。

 身体は磔にされ、動かない。
 足下には炎。私の身体を飲み込まんと、少しずつ、少しずつ大きくなっていく。
 私は天を見上げ、神に問う。
 正義は何処に、罪は何処に。
 私はまだ、何も為してはいない。
 私を見上げ、罵声を上げる人々を本当の意味で救うまで、立ち止まる事は出来ない。
 業火に身を焼かれながら、私は願い続ける。
 誰でもいい、私に人々を救う力を与えてくれ――と。

「#169 最期の黄昏ラスト・グローミング 後編」より


製作者:ハラグロドウ

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