物心ついた頃から自分が異形であることは理解っていた。
両親との違いを自覚するほど、孤独感に苛まれ、ある日、父と母に訊ねた。

「お父さん、どうして僕の肌は皆と違うの？」（אבא, למה העור שלי שונה מכולם）
「坊や、皆が皆、同じでなくても良いんだよ」（ילד, לא כולנו צריכים להיות אותו הדבר.）
「お母さん、どうして僕の手は皆と違うの？」（אמא, למה הידיים שלי שונות משל כולם）
「坊や、あなたの手はとても可愛らしいわ」（בני, הידיים שלך כל כך חמודות）

父は自由の素晴らしさを教えてくれた。
母は大きな手で俺の頭を撫でてくれた。
暮らしは豊かではなく、いつもひもじい思いをしていたし、友人も出来なかったけれど幸福な日々だった。

そんなある日のこと、故郷に怪物達がやって来た。
そいつらの姿は自分の"異形の部分"と似ているところがあり、ひどく悍ましい。
両親は必死に抵抗したが、怪物達は寄ってたかって二人を切り刻み、焼き払った。

　「▂██▆▚▜█▄▄▜▜▙██████▜███▞▆▂▛▙▃█▜▄」（グルネル１、リエラム１、討滅しました！）
　「██▙██▆▃████▃▂█▇█▅▜█▟██▛▄██▄▄▜」（この少年の他に生存者は居ないのか？）
　「▞▄▜█▟▞▇██▜▃▂█▙▄███▇▜█▃▂」（家屋の中に人間のものと思われる人骨が……）

俺を取り囲み、気味の悪い囁きを交わし合う怪物達。
両親を亡くした悲しみと恐怖を怒りで乗り越え、俺は奴らに向かって叫んだ。

　「מפלצות, למה את עושה את זה ‼」（この化け物ども！どうしてこんなことをするんだ！）

　「▞▟▜▂▙▚█▄▜█▂▃█」（この子は……まさか、あの魔神達の手で……）
　「▂▙▆▂▛▙▃▃ ▂▃█▞█▜█▟▞▇」（……何という事だ……炎武帝よ、この少年に導きの灯火を……）


――今でもこの日のことを何度となく夢に見る。
その度に心の奥底から湧き上ってくる想いがある……。
奴ら全員を同じ目に遭わせてやれ。
一人残らず切り刻み、灰も残さず焼き尽くせ、だ。

勿論、そうするつもりだ。